2019-10-31

10月28日 What a day!  アロハクラシック2日目

(アントワンマーティンのウイニングライド、おめでとう!)
予報通り波がサイズアップ、風はちょっと弱めだけど吹いている。
レディースヒートは昨日全て終わったのでメンズヒートをこなしていく。私は自分が乗りために朝はカフルイ方面に行っていたので最初の数ヒートは逃してしまって、杉選手のヒートは見れず、また石井タカラ選手のヒートも後半しか見ていないのでレポートできないけれど、マストサイズの波の中たまーにクローズアウトのセットも来る中頑張っていたのだろうと思う。大きな波は経験すればするほど乗れるようになるし精神的にも楽になる(のだと思う笑)リーバイだって最初の頃はビビっていたし、ヨーロッパの選手などはプロになってからマウイに初めて来る人も多く、最初は体がカチカチになっている人もいる。それでもそこで冬を過ごしたりして慣れていった人はちゃんと大きな波で素晴らしいパフォーマンスをするようになっていくので、御前崎も大事だけど真冬のマウイの波に乗りに、トレーニングにも来て欲しいな。でもものすごいメンバーを相手に堂々とプロクラスで戦っている日本人の若手は素晴らしいと思う。
どのヒートも素晴らしく、風が弱くてオンショア気味なのか、スピードが出しにくそう。でもクオーターファイナルくらいからはもうどのヒートも目が離せないほど素晴らしいライディングの連発だった。

大ベテランでワールドチャンピオンを何度も経験しているケビンプリチャードはこういう難しいコンディションでいい波をしっかり掴んでロングライドをバッチリ決めることで知られているけれど今回は波回りが悪く、一日中おかで見ていたもおちゃん曰く「あのケビンプリチャードでもあんなこともあるんだなと思うくらい波が取れなくて、本人も焦って空回りしているのがわかるくらいだった」とか。誰でもそういうことはあるんだとちょっと励まされたとも言っていた。
レベルは違っても選手はそれぞれ自分の力が発揮できるヒートもあれば、全然出せない時もある、思いの外全てがラッキーに普段以上に乗れる時だってある。その運は自分ではどうしようもない。けれど運次第だからと思わず、できる限り、100%の努力してやれることは全部準備してそこに臨んでいればその運は必ずいつか自分に回ってくる。
そんなことをコンテストではいつも感じる。
努力していても実らない選手もいるけどそれは今回でいつか別の大会で花開いて素晴らしい勝利を手に入れるために徳と経験の貯金を積んでいると思えばいいんだと思う。

今回私が見ていた中で目立っていたのはアントワン・マーティン、若くてキレキレで何より乗っていて楽しそうで見ているこっちもワクワクしてくる。
セミファイナル、決勝くらいからどんどん調子が上がっていき、ファイナルでは、もうこのコンテストはアントワンに流れが向いたなと誰もが確信するくらい全てを味方につけ、ミドルスの沖あたりから巨大なセットを掴み、巨大なエアリアルを決めその波を何度もリッピングし続けてロックあたりまで乗りつなぎ、優勝を確実なものにした。
おかの観客の拍手と歓声も大きかったから海にいても聞こえたに違いない。


リーバイとブラウジーニョはずっと同じヒートで勝ち続けていて、セールも板も一緒なので双子みたいでわかりにくい(けど乗るとスタイルでどっちだかわかる)どちらもとってもかっこいい。
モルガンも相変わらず上手い。キメが細かいライディングというか(滅に繊細なライディングというわけではなくダイナミックではあるのだが荒々しくなく波に限りなくあってる感じ)
私の好みのライディングではないがナッシュのバーンロディガーは決めるところで確実に華のある、決めライディングを見せてヒートを勝ち上がって行ったし、ベテランのロビースウイフトもそう。硬い感じが好みではないんだけどスピードがあってクリティカルなところで決めてくる。
カイレニーはすでにウインドサーファーというより他のスポーツでスーパースター、他の選手たちにもどれだけ頑張るのか注目されていたように思うけど、板の走りが早いのとクリティカルセクションでの躊躇が一切ない、そりゃあそうだろうな、ジョーズのあの巨大なチューブに入っていくんだから。スピードは早かったけど決勝ではあまりに風がなくて、波に乗りたくても乗れず、ちょっとかわいそうだった。
一人知らない選手が結構目立っていて、ライディング自体がすごく目立つというわけではないのにギリギリのところでのエアリアルをしっかり決めて、いい波を取りヒートを勝ち上がってきていたセミファイナルまで行ったかな?Jalmarというドイツかなんかの選手、今回調子が良かったのか、それともこれからどんどん伸びてくる選手なのか、私が知らなかっただけで前から活躍していた選手なのかはわからないけど、派手さはないけど上手いなと思った。
タカラと琢磨選手も負けてしまったとはいえ、堂々とした戦いぶり、ブラウジーニョとリーバイがヒートで一緒だったタカラはさすがに大御所二人には勝てなかったが最後まで諦めずに果敢に攻めて(最後はロック?)スカッとするヒートだった、まだまだどんどん負けてどんどん経験積んで、その中で成長していけばいい。
琢磨のヒートは私は見ていないけれど、もおちゃん絶賛。そしてローカルたちも彼のライディングのうまさを褒めてくれていて嬉しい。練習そして頭でも考えてどうしたら上手くなるか、どうしたら勝てるか真剣に考えている姿勢を感じる。厳しい言葉かもしれないけれど去年までは「勝ちます」という言葉が正直言って浮いてる感じがしたけど、今年は本気で堂々と勝ちを狙えるポジションで戦っていたし、言葉が一人歩きしていない感じ。








やはりプロはうまいというだけじゃなくてそれにプラスアルファがあることが必要になると思う、見ただけでああ、この選手ってわかるようなスタイルとか、それって自分でスタイリッシュにって作ろうとしても無理、乗って乗って練習しまくってその中で生まれてくるものだと思う。最初から自分らしいスタイルスタイルって思ってたってそんなの無理。まずはとにかく誰かの真似でもいいからカッコいいライディングを色々真似hしたりトライしたりして乗りまくる、そうやってるうちにだんだん自分らしいものができてくるのだと思う。ライフスタイルも一緒、こういうスタイルって考えてそう生きようとするのではなく、自分がやろうとしてることや好きなことを一生懸命やってやってやり続けていたら、自然とそれがスタイルとなり、ちゃんとやっていればそれがスタイリッシュに見えるのだと思う。ウインドのトップレベルの選手はみんなそうだと思う。スマートにやってるように見えても実際人より上手い人は人より絶対練習している。そして海だけでなく陸での態度も立派でめちゃくちゃかっこいい。そういうのは地道な努力と練習と海へのリスペクトがs作り上げていくものだと思う。
とにかく夕暮れ時のビッグウエイブの中決勝などは風弱すぎて波を引っ張ってこれないような中でも精一杯のちからを出し切る選手たちにはみんな心からの拍手を送っていた。
人を感動させるライディングを見せる、勝ち負けなんて関係なく、これこそプロ。そしてアロハクラシックという舞台でみんな素晴らしいプロフェッショナリズムを見せてくれた。ウインドサーフィンって本当に素晴らしい!って思わせてくれた。
ああ、感動して1日が充実!

明日は風がなさそうなので、早起きして海に行くぞー。この感動と刺激を自分の練習につなげていこう。

No comments:

Post a Comment