2023-06-05

8月27日 この夏の課題#2 ダウンウインドサップフォイル (実際にアップしたのは2023年6月)

 (このタイトルも2年前に下書きに残しておいたもの。2023年になってやっと書いてアップすることに)

今夢中になっているダウンウインドフォイル、実は初めてトライしたのはもう5年くらい前のこと。あまりに難しくて当時はデイブカラマやアレックスでも苦労していて私はそこまで真剣ではなく(あまりに大変すぎて私くらいの実力ではできるないと思っていたし、実際できなかった)毎年夏風が強くなると何回か短い距離で仲間とトライし、「あーやっぱりできなかった、難しいね」と諦めていました。

(ウイングを始めてダウンウインドをやり出した頃、すでにデイブやジェレミー、キャシーはまりこランをサップフォイルでやっていて、ウイングでいくら頑張っても追いつけないくらい早かった。後ろにいる黄色いウイングがアート、毎日ウイングでダウン一緒にしてくれたことは感謝しきれない)
(毎日仲間とウイングの道具を積んでマリコランしてた頃)


3年前にウイングフォイルを始め、アートが毎日のように忍耐強く私が落ちまくるのを待ちながらダウンウインドに付き合ってくれたおかげで、ウイングでもダウンウインドはできるようになり、マウイからモロ回までのクロッシングという目標を達したあと、次なる目標としてまたサップフォイルでのダウンウインドという気持ちがむくむくと湧き出ていて、ちょうどその頃サップレースのダウンウインドでは知る人ぞ知るエキスパートであり、長年の友達のデビンもサップフォイルでダウンウインドをやりたいと言い出し、一緒に練習することに。
(最初の頃は毎日クアウからシュガーコーブの3マイルコース。巨大なフォイルつけてるのにそれでもなかなか浮かばず、終わる頃にはクッタクタ)

というのも何年も前に一緒にやっていた仲間はもうすでにずっと上手くなってて一緒に乗るにはレベルが違いすぎて頼めないし、上達しなかった仲間はもう諦めてすっかり辞めていたから、一緒に練習できる仲間がいず、かといってダウンウインドは一人では練習できず、車を移動させ、一箇所に一台デポしてもう一台でスタート地点まで行くので最低でも二人は必要、あるいは誰かに送ってもらうしかない。


(必死にポップアップしようとしてるけどなかなか浮かばなかった最初のダウンウインド)

ちなみにこれは初めてトモとトライした2017年の時の写真。トモは日本で結構小波で浮いたのでダウンウインドで浮かないはずはないと自信満々、当時の6’4のペラッペラのサップボードで出て私に大きい方のフォイルを貸してくれ一緒に出たけど私が浮かないのは当然だけど彼も全然浮かない。あれ?あれ?って言いながらもう最後は立ってるのもつらくて腹這いになってパドル。私の板の方が大きかったので進むのが早く、友子さん待ってよーという始末。今でも良い笑い話の一つだけど。
(フォイルで初めて出場したM2M、この道具で今できる人いるかな?)

彼はこのあと毎日頑張って練習してこの板でその夏7月のマウイ2モロカイに出た。フォイルが出たのはこの年が初めてで、ゼイン、カイ、ライアンファンク、アーミーアームストロング、とトモだけじゃなかったかな?アーミーなどは風下に行きすぎてリタイアだった気がする。よくフィニッシュしたものだ。

(多分2018年か2019年、トモとその右の子は今やトップ選手だけど、それ以外のこの時一緒にトライした人たちはその後ずっとやらなかった。去年バラクーダの登場でまた復活、今では楽しんでダウンしている)

(冬にキヘイでマウイに来ていた直輝くんとやったことも。途中でクジラがジャンプしてるのに遭遇。かなちゃんが車で送ってくれたおかげでできたけど、ものすごく時間がかかった上に終点を間違え、歩いてやっと辿り着いた時にはかなちゃんは心配で岩の突端で水平線を見つめていた)

結局一人で練習したくてもそこまでのモチベーションが今まではなくストップしたままだったのだけれど、本気でやろうとしていたデイブなどは、自分一人で自転車を使って移動したりして練習していたのです。できないできないというのは言い訳でしかなく、本気でやりたければどんなことでも方法は見つかる、彼はそれをいつも見せてくれている。

さて、そんなわけでデビンという同じくらいのレベルの練習仲間ができたことで今年は絶対ちょっとだけやるんではなくてこれをメインで頑張って練習しようと二人で誓い合い、連絡を取り合ってタイミングを見つけて週2回くらいは一緒に練習していたのだけれど、そこに、途中からラルフも参加するようになり、ずっと前からやってはいたけど私と同じように苦労してもあまり上達してなかったためにちょっとやってなかったランディーも復活、この4人で連絡しあってとにかく最初は短距離で練習、短距離といってもなかなか浮かばない私たちにとっては十分な距離で1時間以上かかっていたのではないかな?

とにかく当時は何秒かでも浮くことができれば、やったー!って感じで、デビンが初めて1分浮かび続けたと言った時は私には夢のようでとても自分がいつかできるイメージも浮かばなかったくらい。

毎日毎日短い距離を汗だくになって浮かんでるそばをカイやアニーなど上手い人たちがすごいスピードで追い越していくのにくじけながらも仲間がいたおかげで続けられた。

このスポーツは今までやってきた中でも一番大変、精神的にも鍛えられる。だけれど大変な分できたときのよろこびはひとしお。そして私にとってウインドでもスノーボードでもサップでもウイングでもなんでも一番魅力に感じている、大自然のパワーや厳しさの中に身を置いて自分のちっぽけさを感じながらも自然の中で生かされている感覚を味わえる最高のスポーツでもある。そして体力、持久力、筋力と同時にめちゃくちゃ精神力が鍛えられる。

波もなくガスティーな風なんて今までカイトでも使えないし、面白くないから夏のマウイにいたいと思ったことはなくていつもどこかに旅したりしてたけど、ダウンウインドフォイルには世界一のコンディションかもしれない。

2021年のこの時期にはまだその喜びを感じることは滅多になく、毎日打ちのめされるような気持ちだったけど、よく頑張ったと思う、それはきっとできるようになったらどれだけ気持ちいいか、が想像できていたんだと思う。

2016年にカイレニーがレースボードをぶった斬った代物にフォイルをつけてダウンウインドをしている動画を見て衝撃を受けた人は世界中にいて、その面々はみんなこのイメージと感覚を知りたくて始めたのだと思う。少なくとも私はそうだ。

一緒に泣いたり笑ったりして必死に練習してくれた仲間、B Teamに感謝 (当時は私たち以外にはすでに上手でまりこランをノンストップで乗れるデイブをはじめとする一握りのエリートしかやっていなかったので私たちは彼らをAチームと呼び、自分たちを彼らみたいになりたいWANNABEEのB チームと呼んでいた)

これを書いてるのは2023年の6月、若手や才能のある人たちがさらに性能の良いボードを手に入れて結構簡単にダウンウインドができる時代になり、彼らがどんどん上手くなっていくのに自分は全然上手くならないなあと落ち込みそうになることもあるけど、2年前の自分を振り返ってみたら、ああ、あんなに大変だったんじゃないか、今ではこんなに乗れるようになってると諦めなかった自分を褒めてあげたくなる。

このスポーツがエリートだけのものでなくなったのはデイブカラマのおかげ。彼が自分のイメージするぷローンでのダウンウインドを実現させるために毎日毎日必死に練習したり、いろんな道具ややり方をトライしてきたことでバラクーダが開発され、今やそれほど苦労しなくてもフォイルで浮かべるようになっていた。それまでの板と全く違うものが生まれ、最初は?とかあんな長いものと反対意見を持っていた人たちも一度乗ってみたらどれだけ違うかすぐ理解し、今ではバラクーダとその真似っこの板以外ダウンウインドではほとんど見ないし、波乗りでもマウイのカア(パドルが遠いのでみじかいとたいへん)ではほとんど見かけない。

ある意味サーフィンの世界にスラスターが生まれたことくらいの功績だと私は思っている。彼のバラクーダがなかったら私は諦めていたか、腰を完全に壊していたかのどちらかだ。デイブいつものことだけどいろいろありがとう!

引き続きまだまだ先は長い、課題も満載なのでこの夏も頑張ろう。


8月24日 Duke Kahanamoku Day


 ずっと描いていなかったブログ、FBやインスタだけでも時間を取られてじっくり文章を書くことが少なくなっていたけれどこれではいかん!とずっと思っていました。
じっくり長い文とまではいかなくてもブログで少し描いておけばあとで資料として思い出したり、自分を振り返ったりしたりできるのでやはりこちらはこちらで自分のためにも続けようとふと思って開いてみたらなんともう2年も書いてなかった!

このDUKEの言葉は2年前のDUKE KAHANAMOKU DAYの時に下書きに残しておいたものですが、これは私がハワイに来始めてから学んだハワイのカルチャー、文化のベースにあること。ハワイアンからいただいたアロハ、自然からいただいてるアロハ、全ていただいた分今度は自分がいろんな形でいろんな人に返していける生活ができたらといつも思っています。


2021-06-09

6月8日 海へのラブレター World Oceans Day



Love letter to Ocean 

Today is World Oceans Day but for me , everyday is Ocean Day and I practice it. 

You are my teacher, best friend, great lover , healer, challenge, inspiration, adventure , secret haven, and where I feel belong , yet free at the same time. 

I try to be loyal and sincere to you to the point that I feel like I could have had happy marriage or great relationship if I poured this much love and dedication to a human. 

Anyways, what I have received from you, I can never never pay back. And I am no angel , I still hurt you with or without knowing. 

It hurts to see the damages and sufferings we human cause you. I hope in my life I can try my best to get things better because I am so grateful and there is no way to live without you, Ocean (literally!)

I will keep inspiring people to get out and jump into you to feel your unconditional love and enjoy life so every one of us feel the urge to make things better.

I love you from the bottom of my heart , Ocean. 









海へのラブレター

今日は世界海洋デイ、でも私にとっては毎日がまさに海洋デイ、あなたを讃えて過ごしています。

海よ、あなたは私の学校、一番の教師です。親友であり、最高の恋人、癒し、挑戦、インスピレーション、冒険、秘密の心休まる隠れ家、そしてここに属していると感じられると同時に完全な自由も感じさせてくれる。

これくらい献身的だったら、きっと人間関係でも幸せな結婚とか長く続く恋愛ができたかもと思うくらい、あなたにエネルギーを注いできたけれど、それでも恩返ししきれないほど多くを与えてきてくれました。そして私はまだまだいろんな形で意識しながらも、あるいは無意識にあなたを傷つけています。

私たちがあなたを傷つけているのを見るのは心が痛みます。そして見えないところでもっと傷ついているのも想像できます。

私の残りの人生でできる限りの事をして少しでも改善できるよう努力することを誓います。だって、あなたのいない生活なんて考えられないし、(文字通り) 生きていけない!

私にできることは小さいことではあるけれど、多くに人に外に出て海に飛び込みあなたの無条件の愛にふれてもらうようインスパイアーすること、素晴らしい世界を感じることで海を守らなくてはという強い気持ちを持ってもらうことだと思っています。

海よ、いつもありがとう、心の底から愛しています。


2021-04-04

4月1日 春爛漫

なんと4月突入!

マウイもとうとう春がやって来たという感じでノース側の波は無くなり、サウスに波がちょこちょこ入って来ました。波がいくらでも来て、これでもかこれでもかとやられて、謙虚にさせられるシーズンが終わりに近づいているのは寂しく感じますが、新しいエネルギーも感じる季節。花が咲き、鶏たちもチビが生まれ(どこで隠れてあっためていたのやら3羽の母親が子供づれて歩き回っています)雨も少なくなって来ました。

(この記事はカタログ号Surf Stories,他にNALU,そしてもうすぐ出るBLADEにも内容は違う会レニーの記事を書きました、よかったら読んでみてください)
ここのところマウイのウオーターマンを代表するカイレニーのインタビューや取材をすることが数回あり、もともと彼はすぐ上達するし、大会とかでも自分で引き寄せてるかのようにピンチの時にいい波を掴んだり、最後の最後に優勝したりするのですが、彼の上達やいろんな新しい技のメイク率のスピードが最近さらに増してる気がしてその話をしたところ、自分でもメソッドがわかって来たんだと上達が早くなってることを認めていました。ほんの少しだけ雑誌の記事にもその内容を紹介しましたが、結局大事なのはどんなすごい人でも、いめーじをうかべること、その人なりの小さなステップの積み重ね、そして自分にはできると信じること、そして焦らずに忍耐強くできる日までトライし続けること、のようです。

私は子供の頃から運動が苦手で体力もありませんでした。
今でも全くバランスも運動神経もないんですが、なかなか上手くならないおかげで辛抱強く熱心に練習する精神力だけはつきました。そしてそれなりに自分はどうやると上手くなれるというのがわかって来た気がするし、ウインドサーフィンでそれを時間かけて理解したおかげで他のものにも同じようなアプローチでトライする気になるし、トライすればトライするほどそれが理解できてよりそのやり方に磨きがかかるようになって来ました。相変わらず人より上達はめちゃくちゃ遅いのですが、遅いことを自覚して焦らずにやり続ける、人の倍かかるなら人の倍練習すればいいだけのことなのです。
そしてスポーツとかリクリエーションでそれを知ると今度は仕事にもそれが使える気がします。使える気がするだけで仕事にあまり反映してませんが笑


自分が波に乗るのも楽しいのですが最近、障害のある友人にウイングを教えたり(教えるというか安全だけ見てる、そして道具の不便さをどうやって彼使用に改造するかなどを一緒に考える)小さな子供にサーフィンを始める前に海を怖がらせないよう楽しむ方法や、波乗りがやりたい〜と思わせるような遊びなどを共有したりすることでも、充実感を感じさせてもらってます。
特に6歳の子には最初は一緒に海に入ったり、サップの上に乗せて一緒に波に乗ったり、サップの上からジャンプしたりすることから始め、次の時には私がプッシュして波に乗るようになったのが、先日お母さんから、自分で岸辺まで波に乗ってきてはまた沖に出て行くその子の動画が送られて来て、めちゃ嬉しかったです。

ノースの波がなくなって来て、ちょっと気が緩んだのか、腰まで緩んでぎっくり腰をやってしまい1週間ほど動けずにいましたが夏は夏で何か新しい挑戦、目標を作って毎日を有意義にそしてプッシュしながら過ごしていけるようにしたいと思います。
足がなくても手がなくても頑張り続けてるジョッシュ、目を見張るほど最近サーフィン上手くなって来た。
パートナードッグのマヤがちゃんと腹筋使ってやってるかチェック中。

それにしてもいつも冬はあっという間に終わってしまうなあ。次の冬が来た時には、冬の準備はバッチリ!と言えるように夏の間に体を鍛えて色々やっておかなくちゃ。
ちなみに興味があったこのファンデーショントレーニング、無料で12分間のトレーニングが出てたのでこれをリハビリ運動にプラスしてみようと思います。
体の基本的な動きを正しい筋肉を使ってできるようになり感じ。12分だけなのでできそうなきがする。







2021-03-11

3月11日 Thinking of Tohoku、people I love.

日本時間3月11日の今日(マウイはまだ10日なんだけど)、日本は震災から10年というニュースで持ちきりなのだと思う。すでに一年くらい前から東北に入り、そのための取材をしているメディアなどもあって、その中にはなんとかお涙頂戴物語を手に入れようと被害にあった人たちをうんざりさせるようなやりとりもあったとか。被害にあった方々の思いなんてどんなに頑張っても合わなかった私たちにわかるわけもないが、10年経った今少しでも傷が癒されていることを心から祈っている。

あの震災は被害者はもちろん、日本中の多くの人に大きな影響を与え色々考えさせた出来事だったことは確かで、わたしも振り返る機会があった時に、生きてきた中での転機って実は海に関係することじゃなかったのかなーなんて思うような結果だった。

もちろんウインドサーフィンを始めたことは自分にとって結果的に転機、自分の人生の進む方向、軸を決めたことに違いないのだが、何かの出来事によってガラッと考え方が変わったり、大きな発見をしたというのは多分アラスカに初めて行った時、そしてこの東日本大震災だったと思う。


前置きが長くなったけれど、わたしは被害に遭っていないし、愛する人を失ってもいない、多くの友人の安否が分からず最初のうちはとても不安だったけれど誰もが無事でそしてさっそく精力的に他の大変な人たちを助けようと動いていた。

わたしはある意味、近すぎないところで(トラウマにならない位置から)被害にあった人たちの苦難に自分を重ねながら自分がその立場だったらという気持ちを常に持ち大きなダメージを受けずに震災を経験できたと言えるのかもしれない。ずるい話だが損はせずに得るものだけ得たような感じ。

申し訳ない話だが、震災によってわたしは沢山の学び、大事なことは何かを教えてもらい、人とのつながりの大切さ、いざという時に頼りになるつながり、心と体を極限まで使い切るまで頑張るという充実感、ちいさなことに幸せを感じられる人間の強さ、や与えようとする人間の優しさ、何もできないと思ってる人でも必ず何かできることはあるという人間の可能性、とにかくいろんなことを感じたけれどそれが全てポジティブなものばかりだった。

東北の人たちの強さと優しさに触れて自分を成長させてもらってばかりで、自分が助けに、物資を供給しに行ったつもりが、全く反対にいただいてばかりの経験だった。








何よりも大きな頂き物は今も続いている友人関係。

今まではただ憧れの土地だった東北が今では大事な人が住む人の生活をしっかりイメージできる大好きな場所になり、いつでもあの和やかで自然豊かな風景が目に浮かぶ場所になった。

結局環境も政治もその場所やその国や、その人たちを本気で好きになれるか、なんだと思う。

家族が危機にさらされたらどんなことをしてでも助けようとする、それと同じように愛している場所が破壊されたらなんとかしなくちゃと思う。でもやはり漠然と遠くにある国で大変なことが起こってもかわいそうに、大変だろうにと思うだけで、そこまでエンパシーを感じない。だから普段からいろんなことへの愛や思いを強く持てるよう、いろんなことを知り、自分にとって大事なものは何かそしてその大事なものをどうやって守っていくか、育てるかを考えることが大事なんだと思う。


震災後東北でも自分の大事なものは何かを考えた人はたくさんいる。そしてその大事なもののために頑張ってきた人もたくさんいる。

わたしが最初にボランティアが手伝わせてもらった家に住んでいた三浦さんは塾の先生をしていた。気仙沼の街で被害に遭った。家は小さな入江の前にあり、家族も津波で流された。若い衆があまりいない地区だったので避難所の世話役的な存在となり、そんなところからみんなの代表として色々活動しているうちに今は市の議員さんとして住民に寄り添い、取り残される人がいないよう気を配り、弱い立場の人たちのために一生懸命働く素晴らしい議員さんになっている。でもきっと震災がなかったら議員さんにはなっていなかったと思う、そういう性格ではないから。人生って本当に不思議なものだ。

いいこともあったし未だに辛いこともあると思う、そんなものと折り合いをつけながらみんな生きている。

震災は正義とか義理とかそういうものではおさまらないいろんな出来事や思いを経験させてくれた。人によっていろんな考えがあり、自分が正しいと信じていることは他に人にとっては間違ってると確信してることだったりもする。そして結果がどうであれ前を向いて進もうとすることに人間の美しさというかを感じるということも知った。

そして何より自分の中にある日本人の血というものをすごく感じるようになった。つらいことを経験しないと、理解できないこともある。震災をきっかけにわたしは自分にとって本当に大事なものをたくさん理解できるようになった。



あの頃東北で震災で水も電気もないなか、新しい仲間たちと綺麗な星空の下で焚き火しながら語り合ったこと。大変だったけどこれを機会に考え直して自然に寄り添った防災、防潮ができるかもしれない、防潮林を海岸線を埋め尽くせばいいじゃないかとビジョンを熱く語っていた仲間もいたけど、本当にそうなったらいいねとみんなで夢を描いてたけど、小さな二箇所をのぞいで東北の海岸線は全てコンクリートの要塞のようになってしまったと聞く。

(各地の防潮堤の写真はNPO森は海の恋人の畠山さんのFBからお借りしました)





仮設住宅ができる前にすでに巨大防潮堤の計画は進み始めたとも聞いていた。コンクリートががお金になるというのは昔からの話だけどそれだけが理由だとは思いたくないけど、でも多分その場の不安から大きな壁を作れば守れると思っちゃう人も多かったのかもしれない。でもいつも時代も人間のすることは絶対自然には勝てない。防潮堤ができ、人間の生活が海の密接な関係を断ち、海に行かなくなったり海の生態系が壊れて魚や貝さんが取れなくなったり。

でも何より海ってものをとって生きて行くためのものだけではなく、人に生きる力を与えたり、悲しみを癒したり、神様の存在を感じさせてくれる教会のようなものでもあって、それが身近に見えるところにあるはずなのに遮断されることにわたし自身とっても抵抗があるのだ。


頭に浮かぶことを書き連ねていたら延々と続きそうなのでこの辺で切り上げて海に行ってこようと思うけど、東北のことを考えるときにはっきりと美しい風景や大好きな仲間の顔を思い浮かべられるのは震災で東北に向かいみんなと心を通わせたおかげ。

だからみんなが幸せでいてほしいと心から願うし、大きな津波被害や原発事故のようなことが二度と起きて欲しくないと思う。そのためにも自然に対抗するのではなく畏敬の念を持ち自然に逆らうことなく命を守る方法を考えていければと思う。自然には絶対勝てないから。

10年という区切りの日をみなさんが安らかな気持ちで過ごしていますように。そして改めてあのときにお亡くなりになった方々と残されて大きな傷を抱え込んだみなさんに祈りを捧げる日にしたいと思います。


震災とは違うけどコロナのせいで日本が遠くなったことで、自分の気持ちが日本に向かうことが増えたっていう点では共通してるかな?一人で寂しさに耐えられない思いをしている人がいませんように。全ての人がなんらかの形で愛されている、生かされていることに感謝できていますように。

2021-03-01

2月28日 Ride for Tomorrow

 


Ride for tomorrow この言葉は私がよく思い出す大事な教えの一つです。

ウインドサーフィンに夢中になっていた頃、30年くらい前にホキパでかなり波が大きかった日に丘でチャンネルがクローズアウトするのを観察しながら、出てみたいけどどうしようか、でもロックしたらやだなあ、とかいろいろ悩んでいた時、たまたまオアフから遊びにきていた、デレク・ドーナーがぽつっと言った言葉です。

(当時デレクが史上最大の波に乗ったとされたワイメア、スーパーボールサンデーの波)
彼は誰もが認めるトップのビッグウエイブサーファーで、最も優秀なライフガードでした。私もとても尊敬していたし、親身になっていつもプッシュしてくれていた。彼のその一言で、納得して出るのをやめることができました。そして出なかった悔しさを次は出れるようにと練習のモチベーションに変えることもできました。(無茶して出ること、波に乗ることだけが練習ではなく、出ずに観察すること、波に乗れなくても海に出て様子を学ぶなど自分のレベルにあった練習方法があると今はつくづく実感しています)

2020−2021の冬シーズンはマウイにとっては波と風に恵まれた最高のシーズンですが、アメリカ本土では雪のコンディションが今までにない、予想がつかない危険な状態で、多くの事故がそれもエキスパートにも起こっていて、その危険を友人であるPOWのジェレミー・ジョーンズなどはかなり真剣に捉えてインスタライブなどで多くの人に訴えてきました。この記事は(英語だけど)私の第2の故郷ジャクソン、TGR の投稿ですが来年も楽しく滑れるように、今年はちょっとだけ我慢してバックカントリーに出ない、あるいは来年プッシュできるように今年はメローに行くことを学ぶことも大事なんだなと感じています。


私は命に関わるとてつもない急斜面を滑ったりクライミングしたり、巨大な波に挑戦するスキルレベルはありません。でも危険てそれぞれのレベルで違うと思う。(よく思うのが、カイレニーがピアヒのあの波に乗るより、私が6ー8ftのアウターリーフに乗ろうとするほうがずっとリスキー笑)特に私は大体において一人で行動してるし自分でどうするか判断し、自分で最悪のシチュエーションを想定し、ちゃんと帰ってこれるか考えないといけない。またみんながいるときも大体において自分が一番下手くそなので迷惑をかけないようできるか、そして彼らの判断ではなく、自分のレベルでも行って大丈夫か自分で判断しないといけない。

Ride for tomorrow というのは命を失って乗れないようなことはするなという意味だけではなく、今日無茶して怪我して2週間乗れなくなることがないように乗る、またはバカなことで翌日のセッションを逃したり最高のコンディションで楽しめなくなることがないようにするというような意味もあります。 

本音を言っちゃえば、私は今この瞬間死んでも悔いはありません。やりたいと思ってることを全てやってこれたし、いつ死んでもすばらしい人生だったと思えるから。でももし私が死んでしまった時の家族や友人の気持ちを考えたら絶対に死んではいけないのです。明日も乗れるように今日乗らないといけないのです。スポーツに限らずどんなことでも自分の限界をプッシュすることは生きている!っていう実感を一番感じさせてくれる最高のハイだと思います。でもそのギリギリで遊ぶのはとっても難しい綱渡りでもあります。だからこそ自分なりのレベルで自分をプッシュできるよう、安全性、準備、知識、リサーチ、そして自然の中で敏感にいろんなことを察知できる五感を研ぎ澄まさせておくこと、その上で賢い決断ができるように努力を惜しまないようにしなくちゃと思います。そう、人に決めてもらうのではなく、自分の実力を一番よく知ってる自分自身で判断できるように。




私はこれまでに本当に多すぎる数の大事な友人をフィールドで失ってきました。その度に私が海や山に出るときは彼らの分まで楽しむという任務があると自分に言い聞かせます。そして海で(山でも)自分がサイコー!っていう気分でいるとき本当にしょっちゅう彼らが近くにいることを感じるのです。

急に彼らの顔が思い浮かんだり、あるいは亀やトビウオ、クジラや鳥の姿になって出てきてくれたり、特定の雲やダブルレインボウで彼らが私と一緒にサイコー!って感じてるのを教えてくれるのです。s


何はともあれ、この冬アメリカ本土でスノーコミュニティーが感じている重く暗くのしかかる思いを感じています。友人や家族を不慮の事故で失い、その上もしかしたら自分が何かをすればそれを防げたかもと思うことは最悪の気持ちです。死んでしまった本人より、残された人たちの方がずっとずっと辛い気持ちを引きずる気がします

今日雪山の危険についての記事を読んで改めてデレクが教えてくれた Ride for Tomorrow の言葉を思い出しました。そしてこの文章を自分のリマインダーとして書いている途中で BWRAG (Big Wave Rescue Assesment Group)のオンラインコースが見えるようになりましたというメールが入ってきました。
なんとタイムリー!

ほんとは冬のシーズンに向けて12月から始まるはずだったのに遅れたのはきっとこの冬の波が最高すぎたからなんでしょう。講師もスタッフもみんなビッグウエイブサーファーだから仕方がないね笑。
海の危険を減らすために、自分の、そして仲間の事故を減らすためにこのコースを受けたいという方はこのウエブサイトをどうぞ。

これ、日本人で興味がある人が多いなら授業のビデオにサブタイトルつけて出したいくらいです。忙しいけど頑張って見ようっと。