2016-01-09

1月8日 ストーリーテラーであることの意味



今友人をフィーチャーしたドキュメンタリーの日本語サブタイトルを訳している。以前にブログでも何度か紹介したが、マウイのローカルガール、ビッグウエイブサーファー、ペイジ・アルムスの物語だ。ビッグウエイブに挑戦する彼女の姿を追うドキュメンタリーだけれど、サーフィンをやっていない人でも十分共感できる内容だし、タイトルも「The wave I ride 」ではあるけれど、これはただ単に海で波に乗る、という意味に限らず、「人生で自分なりの、自分の選んだ波に乗りこと」をテーマにしている。自分にとって大事なもの、情熱を注げるものは何か、そして目標に向かって全力で努力することの素晴らしさを考えさせてくれる素晴らしい映画になっていると思う。是非是非日本でも公開したいと心から思っていてプランを立てているところ。(協力したいという方ぜひ連絡ください!笑)

さて、この映画が出来上がった過程だけでも十分素晴らしいストーリーなのだ。この映画を作った女性、デビンがまた素晴らしい。
(Beauty from inside and outとは彼女のこと、輝くエネルギーに満ちている)
カリフォルニアでライフガードをしながら大学で映像を勉強していたサーファーガールの彼女、卒業制作で雑誌で見ていたペイジをモデルにしてドキュメンタリーを作りたいとペイジに連絡をしてきた、そこからファンドレイジングが始まり、マウイにきて撮影しているうちに、その作品がどんどん成長して行って卒業制作の15分余りのものだったはずが1時間のフィーチャーフィルムとなり、去年の夏マウイの一番大きなフェイルムフェスティバルで巨大な野外スクリーンでプレミアされ、世界中で公開される予定になっている。
情熱をかけて自分を信じて行動し続ければそれに響いて援助してくれる人も自然と出てくるし、何かしら方法は見つかる。ただ信じる気持ちを強く持っていなくてはならないけれど。
彼女とはなんどもストーリーテリングについて話をした、私は映画は作らないけど、やはり自分の周りにある人生を肯定させてくれるような感動する話、考えるべき問題や、学ぶべき出来事、自分が学ばせてもらった人たちについてなど、発信し、それを読んだ人たちが何かお感じてくれることを願っている。そしてまだまだ元伝えていくべき物語、文章、文字にして記録しておくべきいろんな事柄がたくさんあり、自分がそれを書いていくべきだという義務感を感じることも多い。
それが映像、文章の違いであるだけでデビンとはそういう話でとても盛り上がった。
そんな彼女は今急遽ギリシャの小さな島に飛んでいる。
シリアから何日も何十日も木の小舟に乗ってギリシャまで逃げてきた難民たちをライフガードのボランティアたちが助けに入ってるという話を聞いて、自身がライフガードでもある彼女はいてもたってもいられなくなり、取材に飛んで行ったのだ。
現場の記録、現場からのストーリーはいつでも説得力があり、胸を打つ。彼女も大忙しだろうし、まだレポートも何も発信できる状況ではないと思うけど、投稿されたこの写真一枚だけでも十分、何かを感じさせるインパクトがある。

(ライフガードである彼女はカメラの後ろに立っている自分が我慢できずに自ら助けたい気持ちと毎日戦っているようだ、でもこの記録、発信されなければほとんどの世界が知らずに終わるだろう)
発信するならやはり何か意味のあるものを発信したい。

この世界を肯定的に感じられるもの、あるいは肯定的に見えるように変えていかなければならないと考えさせる内容。一人でも自分が書いたもの、発信したものでポジティブな気持ちになれたなら、あるいは前向きに進もうと考えてくれたならそれだけでその仕事はいい仕事だと言えると思う。
世界中で落ち込むような悪意や欲に満ちた出来事が起こっている。でもこういう人間性を心から肯定できる出来事もあちこちで起こっている。これを見て、うちの国には今更難民を受け入れる余裕なんてないよと冷たくあしらえる人はいるだろうか?

お金ももちろんすごーく大事でそれがないと私も発信力すらなくなってしまう。でも書くからにはやはり意味のある、自分が納得し、誇りの持てる仕事をすることがこの短い一生を無駄にしない方法だな、とデビンの行動力と情熱に感動しながら今一度自分を見つめる機会を持てた。
今日も1日頑張ろう。



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