2014-12-23

12月23日 Shinpei and Atsushi‘s adventure

(雨男の篤君,今回も雨をつれてきた,photo by Meguchan)
朝一番の便で日本を代表するサーファー二人がやってきた。
昨日は来るつもりが朝一の飛行機の便が売り切れでスタックし、8時の便にのろうか乗るまいか迷っているうちに逃し,とマウイに来る過去ないかで悶々とした一日を過ごしていたようで,何度も電話でやり取りしたが,結局来ないと決めたあと,インターネットでアップされた写真を見て,いいチャンスを逃した事を感じたようで,今日は絶対行きますと連絡があったのだ。
が,残念ながら予想通り大雨,そしてオンショア。それでももう飛行機乗っちゃったから行くという事で,そうなったらでは気持ちを切り替えてそんななかでも何かしら得るものがあるトリップにしてもらいたいなと思いながら迎えにいく。
6時半頃レンタカーを借りた二人と合流し,まずは朝ご飯を食べながらおしゃべり。途中通ったハーバーのぐちゃぐちゃな波を見ながらもそこにいい波が割れるんじゃないか,と指摘するところなどはさすがトッププロ。

二人の話をいろいろ聞きながら雨の中まずはハーバーをチェックして(あまりの雨の勢いで皆で苦笑,車から出るのも一苦労)その後ここまで来たからには、乗れないにしてもジョーズを見に行こうという事に。(でも見に行くにももしかしたらハイウエイから崖に降りる道が雨でぐちゃぐちゃで行けない可能性も高かった)
彼らが行くなら自分も合流するというまさおくんと待ち合わせてそこでまたおしゃべり。
昨日まさお君が撮ったジョーズのライディング映像を見ながらいろいろ話した。乗れる人たちの話はほんとに面白いし,さすがだなーと思う部分がたくさん。彼らがピアヒの波を乗れる事は私は疑いもしないけれど,そんな彼らでも緊張し,来るのを迷ったりする,あるいは自分が巻かれても大丈夫な範囲のところにしか行かない、などそれぞれに考えているのを聞くとさすが軽い気持ちでやっていないんだ,と痛感する。でもだからこそ,来たら絶対乗らなくちゃという気負いもあったと真平君は言っていたが,マウイに来た事で実際に海に入ってみた事でその気負いをなくして,乗りたい波だけ乗ればいい,自分にはまだ厳しいのは他の人に任せればいいんだと言うスタンスにシフトできたなら嬉しいと思う。

去年もそういえば篤君が来た時のジョーズは大雨でその中ずっと見て体が冷え,その後車がスタックしたのを手伝い,夜にぎっくり腰になり,その後ずっと腰が悪かったので今日の雨の中のジョーズにはつき合う事を遠慮させてもらって私は帰ったが,真平君は初めてなので二人でウエット来て崖まで行くだけでも行こうという事になり,出発,結局思ったより道は大丈夫だったようで車で崖の上まで辿り着けたらしい。そしてオンショアで小さめでストーミーではあるけれど乗れないわけではなさそうなジョーズを実際に見て,二人で出る事に決めた。
もちろんこんな日に出る人はいないのでジェットスキーのサポートはない,だからこそ二人で見守りあって,自分が安全確保できる範囲で出来る限りリスクの少ない形で出るという事にしたと思うが,そうはいっても何がおこってもおかしくないのがジョーズ。ショアブレイクだけでも充分危険だし、リーシュが切れたとき自力であのカレンとの中泳がなくてはならない。彼らの事だから大丈夫だとは思いながらも万が一の事を考えて篤君の電話をカメラのまさお君達にわたしておいてもらい,何かあったら私に連絡してもらってレスキューを呼べるようにという事に決めた。

何かあったら無謀と言われてしまうかもしれないが,でもベストなコンディションだけで乗っていたら混雑は避けられないし,いろんなコンディションで乗る事でその場所の性質を深く理解する事になる。だから私は彼らがあんなぐちゃぐちゃで不断だったら絶対出たくないと思うような中出て行った事はある意味素晴らしいと思うし,それが次のセッションへのモチベーション,準備へと繫がる事を祈っている。
「イヤー雨も波もひどいもんでした」と言いながらも、また来るぞ、と二人が目を輝かせ、意気揚々とオアフに帰ってほしいと思う。

これを書いている今現在、夕方5時。実はまだ連絡がなく、ほんのちょっぴり心に心配が残っている。たぶん携帯の電池がなくなってかけられずにいるだけだとは思うのだが、やはり何がおこってもおかしくないピアヒでのことだし、特に今日は車でハイウエイまで出てくる事すらエキストリームコンディション。一緒に行かなかった自分も何となく仕事に集中できずに電話を待っている。
もしもこれからジョーズで乗りたいと思っている人がいるとしたら,そういうところなのだ、とわかってもらいたいと思う。

と書いたが、その後6時過ぎくらくなってきた頃やっと電話が来た。案の定電池が切れていて電話が出来なかったらしい。そしてこれまだ案の定ぬかるみでスタックし1時間ほどかかり,結局ローカルのトラックに引っ張ってもらって出られたとか。パイアについて電池をカイ、すぐに電話をくれたのはやはり,私が心配しているだろうという事も良く理解してくれての事だと思う。そして声は明るく,すっきり抜けた感じのトーンだった。帰る前に御飯を食べるというので一緒に参加させてもらい,いろいろ話をきかせてもらえた。(こちらはまた明日にでも書こうと思う)

10年ほど前ビッグウエイブサーファーの佐久間洋之介君がジョーズで乗りたいと人を通じて連絡をくれた。
ウインドサーファーでは古谷さんや新城君などジョーズで乗っていたが、初めて日本のサーファーが挑戦しようと思ってくれた事を私もすごく嬉しく思い,出来る限り人を紹介したりしようと楽しみにしていた。1月に来る予定だった彼は来る直前に事故でこの世を去ってしまった。10年経った今でも彼の伝説は語られ,今年はヨーノスケカップというビッグウエイブインビテーショナルのイベントも開催された。
数年前にマウイに来てピアヒの波に乗った宗豊君は日本の海を一緒にサバニで航海した中まで、篤君は彼と地元でいつも仲良くしていた。真平君ももちろん良く知っていてビッグウエイブで切磋琢磨していた仲間,まさお君も洋之介君の先輩だった。そういう風に洋之介君自信はジョーズに来る事はなかったが,彼の仲間が皆ここに引き寄せられ,彼が乗りたかったこの波に向き合ってる事で天国から彼もしっかり見守ったり,笑ったりしているンじゃないかな,と何となく今日はそんな感覚があった。
10年前洋之介君がジョーズに来たいと言っていた時はまだパドルで乗っているサーファーはいなくて、トウインのみの世界だった。
「彼が今生きていたら絶対パドルで乗ってるね」と今日集まっていた皆が口を揃えて言っていた。
なんか皆が繫がってる感じがして嬉しかったな。
とにかくあのストーミーでアグリーで暗い海に入った二人,あれを経験したらこんど来た時は楽だろうなと思う。ごくろうさま、そしてgood job!

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