2014-05-30

5月27日 WInd is back!

4月くらいからはずっとトレードウインドが吹き続けるのが通常なのに、ここのところ全く風が吹いていなかった。ここまで風がないとちょっと心配になってしまうところだが、やっと今日から少しずつ吹いてきそうな雰囲気。

ここ数ヶ月、マウイでは大きなムーブメントが起きていた。
モンサント、遺伝子組み換えの種を作り、またラウンドアップと言う強烈な農薬を売っているモンスターのような大会社がカウアイ、そしてマウイ、モロカイの広大な土地を使ってテストをしているのをやめさせようと市民が動き出したのだ。
日本でもそうだけれどここでも大会社はお金にものを言わせて政治家を味方に付けたり、膨大なお金でキャンペーンを行って正しくない情報を多くのあまり良く知らない人たちに広めたりしてそれに対抗してきた。このモンスターに対抗しようとするのは並大抵の心臓では無理、私も中心的に動いている人たちがモンサントの社員やロビイストにされる嫌がらせや言葉の暴力などについて、聞いているだけでもうめいってしまうほど。
それこそほんとによくもこんな汚い事が出来るなあと思うような事ばかり。
一度はGMO(遺伝子組み換えをされた食品)にはラベルを付けてわかるようにするという法律を作ってもらおうと動いたが、買収された議員達に却下され失敗、しかしこんどはマウイの法律である程度の膨大な人数の市民が署名し、同じ意見だという事を証明できたら議員を通さずともそれを法律にする事が出来ると言う法律がある事がわかり一般市民が一生懸命署名を集めていた。署名と言ってもただサインするだけの簡単なものではなく、投票の登録をしてあるアメリカ国民であり、住所もすべて正確に書き、かなりの書類にサインしなくてはならない。面倒くさい作業なのだが、それでもたくさんの人がいろんなところに言って署名を集め、多くの人に何がおこっているか伝え、ムーブメントが大きくなっていった。
3年前震災がきっかけで知り合い、友人となり、妊娠をきっかけにマウイに引っ越してきたオータムは署名を集めるために毎日走り回っていた一人だった。一人で何千という人たちに話しかけてきたけれど、今日その集めた署名の最終書類を役所に提出した。
なんと全体で19232名の署名!2万近い署名が集まったのだ。実際に必要なのは8000名の署名だが、最初に出したものの半分が住所が間違っているとかちょっとした事で却下されてしまった。とはいえ半分以上が向こうとなっても大丈夫なだけの数はある。
これで本当にGMOの食物がマウイから排除される事になったらアメリカで初めての事になる、そしてここがきっかけで各地でそういう動きが起こるかもしれない。

本当に大変な仕事だったと思うけれど、小さな市民が大きなモンスターと戦い勝てるかもしれない、そんな希望をオータム達が見せてくれた。歴史をいい方に変えていく手伝いが出来た、お金にはならなくとも、心から自分に誇りを持てる大仕事だったと思う。本当に頑張ってくれた人たちに感謝。


そして次のカウアイ市長選にはこのモンサント反対運動の中心となって動いていたプロサーファーであり、ファイターでもあり、ハワイアンウオーリアー、アロハスピリットのウオーリアーの象徴になっているダスティン・バーカが立候補した。ASPツアーの選手も経験し、またファイティングでも州のチャンピオンで負け知らずと聞いている。
彼の事はこのビデオを見てほしい。
投票権はないけど心から応援している。そしてマウイでも市長選、市議選にこれからのマウイを憂慮し,変えていきたいと強く思っている若者たち、新しい息ぶきを吹き込みそうな人が何人も立候補する予定。政府や大会社相手にいくらがんばっても何も変わらないように見えて落ち込むがちなのは日本もマウイも一緒、でも何年かまえと比べてみたらやはり意識が変わって来ていたり、何か少しずつでも変わっていたりする。何も変わらなくても何もしないよりは自分だけでも何か出来る事をしていきたい。自分が正しいと信じる事をやる、それくらいの強さは持っていたいと思う。

No comments:

Post a Comment