2014-01-21

1月21日 Strong Kona、 素晴らしい出会い

 さすがに何ヶ月もまともに漕いでなかったのに3日も続けて(たいした料漕いだわけではないけれど)漕いだら腰にかなり負担がかかったようなので今日はおやすみ、カナハもサンドパイルも良さそうだけど、サーフィン習いたくないかなとは思ったがやめておいた.カナハについてみるとコナウインドが強くスタンドアップパドラーはかなり苦労したみたいだけれど波はオフショアなのですごく良さそうに見える。それにサイズもまあまあある上に風が強いので全く混んでいない。上手なサーファーのおじさん達はサップに邪魔されずにできて大喜び難じゃないかな。
カナハでサムさんファミリーと待ち合わせ。おととい足を切ってしまったので海に入れないサムさんと奥さんのえっこちゃん、モアナとリノの4人は今日カウアイに戻ってしまうので飛行場に近いリラックスできるカナハビーチで待ち合わせ。私もばたばたしていて皆とゆっくり過ごせてなかったからこの時間がありがたい。
(Sam and his Jaws Gun)
 サムさんは韓国人だけれどオーストラリアで育ったサーファー、ワーキングホリデーでオーストラリアに来ていたえっこちゃんと出会ってその後二人で世界各地を旅していたらしい。書きたい事はたくさんあるし、ほんとにすごい人なんだが、何がすごいってまずあったその瞬間目を見ただけで、あ、この人は何かすごいものを持っていると直感が訴えてくるのだ。それは私も会って握手したとたん感じたし、タカさんも同じ事を言っていた。むねとよくんとも知り合いで仲がいいと聞いてさらに納得。アプローチや雰囲気に似ているところがあるから。ひろなり君はすでに知り合いでジョーズの丘でたまたま会ったことがきっかけで紹介してもらえたのだが、家族でバンに泊まりながら滞在していたサムさんファミリーはこれからも是非もっともっとまた話を聞いたり、時間を過ごしたいと私達に思わせるアロハなファミリーだった。
(帰り支度のお手伝い)
一つだけ今回彼がジョーズに持ち込んだボード、そしてそのボードでチャージし、いい波に乗っていた事について書きたい。私はレギュラーサーフィンもろくにできないし、サーフボードのデザインなんてなんにもよくわからない。でも彼が持ち込んだ板はジョーズで乗る人たちの一般的な板のシェイプやデザインとは全く違う感じだった。わからない私にもいろいろ丁寧に詳しく説明してくれたが、私が一番心に残っているのは彼が自然の中の生き物のシェイプをすべて観察し深く学んでそれを参考にしているというところ。そこから生まれた彼自身の理論を使ってボードシェイプをしているという点。それだけ聞くとヒッピーみたいにきこえがちだが、ほんとに細かい事を考えてそれをボードデザインにアプライしているようだったし,なにより、みんなが「ええ?」という顔を見せるようなボードでジョーズに入って、しっかりそれでチャージし、ソリッドなサーフィンを見せつけてその板がジョーズでいい事を証明したのだ。海の中で彼がそのボードに乗ってるのを見ていろんな人が質問してきたらしい。
彼が『ボクはいろんな生き物を見てその形を学ぶんだ、それは魚やとり、だけでなく例えば波の荒いところの昆布や虫までも、皆ちゃんと効率のいい形に作られている、素晴らしいんだよ』と話しているのを聞いて、ああ、この人は本当に地球や一つ一つの息をしているもの達への愛情を持って接し、生きているんだなとハートで感じられた。自然や回りの人だけでなく、本当に何から何まで!愛情があふれてきて海や地球や回りの生き物、そしてすべての生みの親である神様に対しての感謝の気持ちで涙がでてきた。なんて素晴らしい世界に私達は生かされているんだろう?波乗りって言うのはそれを感じ、強烈に経験させてくれるためのツールなのだ。私たちは波に乗る事を知ってなんて好運なんだろう!
サムさんはこう言っていた。
『ここ数年ハナレイで波に乗っていても、謙虚さをなくしたわけではないんだけど、これだと思うくらい怖かったりチャレンジ精神を沸き立てる波に乗れてなかった。だからほんとにジョーズがそれだけ大きくてヤバいのなら、乗ってみたいって思ったんだ。でも多分さっさと乗ったら、ああ乗れた、って満足して帰ろーってなると思った。でも最初の一本目、まだ誰も出てない時に二人で出て行って、友達のニックが最初の波に乗った跡継ぎに僕が乗ったんだ。必死にパドルして目の前がスプレーと逆光で霧みたいに真っ白になり何も見えない感じになってそれでもなんとかテイクオフしてものすごい長いボトムまで降りる感じがした後自分のボードの下からヴィジョンが広がっていくように巨大な青い波の世界が目の前にグアーーーーと広がっていった.その時の波の音はジョーーーズって言う大きな深いうなり声のようにも聴こえたよ、ものすごいビジョンでああ、これがジョーズだ、迎えられたんだってウエルカムされた感じで感動した。あの最初の一本はたぶんずっと忘れられないね。3日間で結局13本乗ったけど最初の3本でとっても大事な事をそれぞれ学んだ。乗ったからもういいやってなると思ったら、もうまた乗りたくてもっと大きい波でやりたくてたまらなくなった。ここは本当にビッグウエイブサーファーの悪夢だよ。」

私がドリームでなくて悪夢?と聞くと、うん、そうだ、と答えていた、多分挑戦せずにはいられない、そして夢にまで出てくるし怖いし、でも取り憑かれる波、ということなのか。乗った波の何本かについて詳しくビーチの砂を使って説明してくれ、その上彼がラインナップで学んだ事もいろいろ聞かせてくれた、ボードのデザインも波の詳しい事もあんな波近くで見た事すらない私には全く現実味のない話であり、理解し用にも理解できない部分が多いけれどそれでも本当にインスピレーションを感じさせてくれたし、いろんな意味で本当のビッグウエイブサーファーの考える事、にふれることができた気持ちだった。何より、彼の話を聞いて波乗りだけでなく、自分の魂を自由にし、愛にあふれた生き方をしたい、強くそう感じさせてくれた。うまくいえないけど.彼の事はいつか必ずゆっくりじっくりもっともっと彼の話を聞き、しっかり自分でも彼を理解したと感じられるようになったらちゃんとした形で書きたいと思っている。でもまずはまたゆっくり話を聞かせてもらいたいな。
マウイに来てくれて本当にありがとう、そしてまた来てね!


 さむさんファミリーにお別れにきたアヤちゃん、そしてかなちゃんと一緒のその後珍しくコーヒータイム。考えてみると海では良く会うけど日中は二人とも忙しいし少数でこんな風にのんびり話す事なんて全くない。ありとあらゆる話で大笑いしたり、涙したり、考えたり、感動したりで、密度の濃い時間だった。最終的にやっぱりお金はないし,みみっちい話ばっかりだけどマウイはいいね、純朴な人が多いね(自己満足?)ってことで感謝して帰宅。

ちなみにこのコナウインドでレインズではセッションが繰り広げられていたらしい、すかり忘れていた。どちらにしても腰も痛いし、コナウインドでは私はカイトできないので乗れなかったが左からの風が好きなウインドサーファーやカイトサーファーは久々の風に大喜びだったはず。
 久々に登場、ジェイソンポラコウ
 グーフィーフッターなのでコナウインドレインズを心待ちにしているスティーブ
サーファーもコナウインドでいい波になるホキパを堪能、多分これはジョーズでもトップチャージャーのアルビーだと思う。

ここ数日学びの強化合宿みたいで朝から晩まで心も頭もぱんぱんだった。想像もつかないようなすごいサーフィンを間近で見せてもらい、自分なりに自分の恐怖心やセルフコントロールとも向き合い、それ以外にも自分が反省すべき点、大事にすべき点などにも考えさせられた。ワークショップ一段落、と思ったら今日からまたさらに大きなうねりが来そうだ。
私は見てるだけでもこんなに疲れるんだから、撮影で一日中海にいる人たち、そして乗ってる本人達はほんとに消耗するだろう、でも精神的にも肉体的にも疲労した状態で入れるほど甘くはない場所だから、本当のタフネスが要求されてくる。
ジェイミーミッチェルや友人のカメラマン数人などは今日の午後マーベリックスに向かって飛行機に乗り、明日の朝一向こうで波に乗ってからまたその夕方の便でこっちに戻ってくるのだ.変態としかいいようがない。ほとんど寝てない状態であの波に乗るってどういう事なんだろうか?

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