腰の調子は上々、昨日よりさらに回復し、ゆっくり自転車も漕げるし、昨日の倍くらいの距離を歩いた。
夜はパタゴニアオフィスで開かれたミーティングに参加させてもらった。パタゴニアとは直接関係ないものだが、パタゴニアの社員スタッフがかかわっている団体の支援やその状況についての報告会のようなもの。前々から興味を持っていていつか是非一度行きたいと思っている山口県上関の原発が立てられようとしている場所で30年間続いている反対運動の一つで、その土地に住む珍しい品種の動物や植物、そこにしかないものなどを守ろうとする団体とそのサポートについての話だった。このことについてはパタゴニアのブログにもエッセイが載っている。
「長島の自然を守る会」はその土地の生態系を調査し、大切な植物や動物が棲息していることを証明していくことでここの自然を守っていくことがいかに大切かを訴えている。そして同時に漁業権を売ってしまう漁師さんがいなくなるよう、生活できるような収入方法を考えたりすることで、原発を立てることに賛成をする根本的な問題も解決していこうと力を尽くしているようだ。そういった中で養殖ではない天然の海産物を現地から内容はお任せで直送するビジネスなどもスタートしている。
そんな活動を支えようとパタゴニアのスタッフが会社のインターンシッププログラムを利用したりしてサポートしているのだが、その活動と状況をスライドショー的にみせてくれた。集まったのはパタゴニアの社員スタッフが半分、そしてだれかしらから聞いたり誘われてきた関心を持つ社外メンバーが半分、ライターさんからシーカヤッカー、印刷業、その他ほんとに年齢も職種もランダムな、でも同じ思いと関心を持って集まっていた。
(クリーネストライン、ブログより拝借 by 斉藤知子)
写真で見る限り、上関の長島、祝島はまだまだ手があまり入ってない自然が美しい場所で、原発予定地となっている入り江は(その入り江を完全に埋め立てて立てる予定らしい)はゆりがごと呼ばれるところで、森からの栄養豊かな水が流れ入り、あらゆる動物の生息地らしいが見るからに美しくしあわせそうな場所なのだ。これがいったんでも埋め立てられたら、もう原発がたたなくてもこの入り江は終わってしまうだろう。
絶滅に近いウミスズメを躍起になって探し見つけ、またここにしか生息してない貝なども見つかり、なんとかして原発が立てられるのを食い止めようと必死になっている。そこに住まない私たちが反対するのは簡単だけれど、いろいろ難しい問題もあるようで、そういう問題があるからこそ、やはり賛成派もいるのだろう.そうはいってもやはり原発はオプションに入れることは考えられない。
私がなぜこの場所に関心を持ったかというと「ミツバチの羽音と地球の回転」がきっかけで、その中で30年間必死の思いで原発に反対してきたおばあちゃんおじいちゃんを見て、こんなお年寄り達にこれだけ頑張らせながら、若い私たちが知らんふり、のうのうとしてていいのか、と申し訳なく思ったのだ。30年間も理不尽なことをされ続けてなお、まだあきらめずに頑張ってこの自然を守ろうとしてくれているおじいちゃんおばあちゃんを放っておけない気持ちになったのだ。
もしも事故があったら、は福島を見れば明らかになった、もし自分のふるさとにあんなことが起きたらどんな気持ちになるだろうか、人ごとではなく自分のこととして考えれば簡単なことじゃないかと思うのだが。
とはいえ関心を持っただけで何をしたらいいのか、自分にできることは何なのかだって良くわからない、自分がいいとしてやろうとしてもそれが自己満足でしかなく、実際現地の人に喜ばれるかわからないのは東北と同じだと思う。
でも何かやらずにはいられない気持ちになればそれがスタートだと思う。必死でやっている人を応援しているという気持ちを示すだけでも頑張ってる人は勇気を持てるかもしれない.忘れてないよということを示すだけでも何もできないときはいいかもしれない、できるチャンスを常に見つけるようにしていれば必ず見つかるから。
長くなってしまったがパタゴニアのスタッフ達は何度も現地に向かうことで実際の活動のサポートだけでなく心と心が繋がり、現地で頑張ってる人たちの心の支えにもなっているような気がする。ただただ原発反対!と敵対するのではなく、理論的に実際この場所を守らなくてはいけない理由をしっかり提示し、賛成派も反対派も歩み寄れるような案を必死で考えようとしているように感じられた。何よりその場所にいき、その場所を好きになることが支援する気持ちを強くする一番の方法なのだろう。
それはきっとここだけのことではない、東北だって実際支援する人たちの顔や表情が見えて、やりとりがあれば、放っておけなくなるし付き合いが続いていく、支援でなくて交流になる。環境保護もそう、これだけ楽しませてもらっていて大好きな山や海が傷つけられることを放ってみておけるわけがない。結局のところ、やはり自然も人もハートでつき合っていれば出るべき行動がおのづから見えてくるのではないかな?
すでに一生懸命やってくれている志の高い人たちはたくさんいるから、そこからいろんなことを知り、考え、感じ、できることをやる。そうやっているうちに同じ気持ちを持った仲間も増えてさらにそれが楽しくできるようになるような気がする。自分のやりたいことばかりやってきた私だけれど、自然と素晴らしい仲間にいつも助けられ、支えられてきた、だから少しずつでも恩返しをしていかなくちゃ、と思う。
気がついたら11時近くまでディスカッションしていたけれど同じ気持ちで集まった素敵な人たちと知り合えた素晴らしい時間だった。
2013-04-24
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