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アメリカではこの日には波が大きかったりあまり人がいなくてコンデイションがいいことが多いという日が何日かある。たとえば感謝祭の日、クリスマスの朝、新年、そしてスーパーボールサンデイ(フットボールのもっとも大きな試合が行われる日曜日、2月ごろだったと思う)そしてハロウイーンの翌日、つまり今日だ。
今日は大きな波が来る予報にもなっていたので昨晩はハロウイーンのイベントもすっぽかし、早くに就寝、今日は勢い余って4時に目が覚めてしまった。6時までコンピューターに向かい、それからカナハまでいったけれど、残念ながらついたと同時に風も上がってきてしまい朝の7時過ぎだというのにもう白波が立っていた。そして波もかなり大きくあまりきれいではない。風がなければ十分楽しいだろうけどこれでは大変なだけかなと、あきらめ、アンドリューと朝ごはんを食べて時間をつぶし、9時半ごろそれぞれカナハ、レインズに向かった。
レインズにはかなり大きな波が入っていた。台風20号のうねりが5000kmも旅してきた威力を感じたとカウアイに住んでる友人フナ君のブログにも書いてあったけれど、昨日とはまったく違う海の表情になっていた。セットが来ると完全に水平線全体が爆発するような感じに見える。ウエストスウエルのためあまりきれいに割れずダンパー気味、フキパはまだ何とかなるが、レインズは一発当てられるか当てられないかといったところ。その上風がオフ気味でガステイーっぽい。
でもカナハは混みすぎでストレスたまることはわかっていたので、ここでできる範囲のことをやることに決めた。
ブラッドとデイランはアウタースプレックスに行ってしまったので、レインズで出たのはノースカイトのプロ、スカイだけ。まず彼が7mで出て行ったが、ちょっとアンダー気味、悩んだ末私も7mでカイトをあげてもらったがデパワーをいっぱいに引いてもちょうどいいくらいで、これではセットの大きな波に乗ったときとてつもなくオーバーになってしまいそうなので、勇気を出して5.5のノマドに変えた。
5.5だとやはりアンダーではあり、出て行くときもカイトを落としたり、アウトで急に風がなくなったりするとかなり不安だったが、ブローが来てセットに乗るとオフショアなため、ものすごいスピードが出る。ガステイーなので5.5mでも7mでもどっちでも苦労はしただろう。とにかくウインドサーファーもサーファーもいないのでまっすぐフキパに向かった。
セット自体は巨大だがセットの合間が長いのであうとに出るのはそう大変ではなかった。ただ沖でセットに乗ろうとしても波がパンピーだったり大きすぎてスピードが追いつかなかったりでなかなか乗れない、そのウエかなり風上のピークにいないとオフショアなので上手く乗れないのだが、それだけおくにいく勇気がなく、またインサイドで風がなくなることがあるのでそれでカイトを落とすのが怖くて、ついついショルダーで乗ってしまい結局カレント近くに行ってしまい、そこはものすごく潮の流れがあるのでめちゃくちゃぼこぼこに荒れててまっすぐ走るだけでも精一杯。ウインドサーファーはフランス人のルーデイーともう一人若手っぽい選手が一人。かなり風が弱かったけれどウインド二人カイト二人だけだったのでまったく邪魔にはならなかった。というか4人なのでみんなニコニコだ。
結局何度も何度もいったりきたりして波を選びに選んだが、まともに乗れたものは一本もなかった。3本くらいセットに乗りはしたけどメイクしたというより沈せずに逃げ切った、という感じかな。
完全に自分の力不足、波の大きさだけでなく風などがコンデイションをテクニカルにしていた。緊張はしたけどあまり波で思い切りボトムターンしたわけではないので体はそれほど疲れてない。あるいはアドレナリンのおかげで疲れを感じなかっただけかな。
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マークはちょうど私が選手として一生懸命やっていた同じころダントツのライダーとして一世風靡したがその後10年近くアンコール中毒などで苦しい時代をすごした。自らリハビリセンターに入り2年間出てこなかった後、完全に復帰し、今は毎日海に入り、シェイプの仕事をし、誰よりも親切で絶対にドロップインしないし、いつもみんなをサポートしていると聞いていた。そしてものすごい技を練習している、と。
今日も巨大なオーバーマストのセットにその技をかけ続けていた。昔のエアリアル360mみたいなものだけど、私は良く知らないがもうすでに名前があるらしい。彼独特の首をひねるようにまわしながら回転させるのがめちゃくちゃかっこいい。
決めるまで何度でもやり続け、最後にものすごく大きなセットのリップで高いエアーつきで完全にメイクしフェイスの真ん中辺りに着水してそのまま波に乗り続けた。
89年ごろ彼が始めてグースクリューをアロハクラシックのセミファイナルで決めたとき、見ていた全員が立ち上がったくらいすごかったけどそのときのことを思い出したほどだった。あれはもう20年も前のことなのに、彼のライデイングはまったく衰えるどことかさらに若さを増している!
マークってなんてかっこいいんだろう!
やっぱり年なんて関係ない、やる気とウインドできることに対する感謝の気持ち、そしてビジュアライゼーション、それさえあればきっとなんでもやれるのだ、マークはそんな気持ちにさせてくれた。こういう日は上手い人のライデイングを一日中見ていても飽きない、マウイってやっぱりすごいところだな、と思う。
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