2016-02-02

2月2日 潤君ともっ君のピアヒ

 (潤ともっくん、無事ピアヒのショアブレイクを抜け、崖の上まで戻ってきたストーク顏)
昨日オンショアが吹く中カナハで一生懸命漕いだせいで朝お疲れ気味の目覚め。アウターリーフが気になったけど、ルームメイトが今日は一日中風がないよ、予報でそう言ってるからというので、のんびり8時すぎに出動。ああ、この時間だと渋滞もないし、楽チン。
ビーチに着いてみるとちょっとオンショアが吹いていた。すでに早々上がった津村さんがいて「結構よかったよー」オンショアでこのポイントはちょっと私には手強いかなとも思ったが、何もやらないのも嫌なのでとりあえずパドルアウト、漕いでいったらそれほど風は気にならなかった。

誰もいないかと思ったら、ルームメイトのランディーと、サウスアフリカから移住してきたアダムがいた。アダムとはこの冬やってきてジョーズでものすごいチャージを見せたサウスアフリカビッグウエイブサーファー軍団の話をした。彼らを率いている年配のサイモンはアダムの二つ年下で、彼がボスとなりサウスアフリカからみんなで一緒に来たらしい。彼らが波に乗ってるところはジョーズとは全く違い一握りの人しか来ないし、波に乗る人も少ない。そんなちゅ級の果てからジョーズに挑戦しようとみんなでやってきて、数週間滞在し、マナーややり方もサウスアフリカを代表するという意識で行こうとかなりシリアスな合宿をしていたそうだ。実際彼らのものすごいチャージ、そしてワイプアウトはいろんな写真に残ったし、小さくてもオンショアでもピアヒが割れそうな日は必ず彼らがいた。サウスアフリカのイメージが彼らのおかげでとってもいいものになった気がする。

さてランディーもアダムもしばらくすると帰ってしまい、一人になると私もあまり無理はできない。それでも今日はかなり小さいサイズなので今日こそはもうちょと奥に入ってピークから乗る練習をしたい、と自分をプッシュした、、、つもりだけどいざセットが来るとイマイチ端っこにいる。そしてギリギリすぎると見逃してしまって、後でああ、完璧なポジションにいたのに、と後悔してばかり。なかなか思い切ってできない。昨日もオンショアで漕ぎ続けたのでだんだん腰に違和感が出てきたので痛くなる前に終了。

上がったと同じくらいに電話にメッセージが。潤くんからで、ピアヒをチェックしに行ったらもとはしくんもいて、二人でピアヒに入ったとのこと。
そして波は小さかったけど無事岩場からアウトに出て一本ずつ波に乗り、また無事に上がってきたよ、と顔写真付きで送ってきた。
その表情を見たら、二人とももう完全にどこかスコーンと抜けたようないい笑顔だった。そう、いつも私が見るジョーズでの波乗りを終えて丘に上がってくるサーファー達と同じ顔だ。

二人がジョーズをやりたいと思ってることは前から感じていたし、本橋くんは多分もう数年そう思っていたに違いないし、十分準備もできている気がしていた。大勢の人がいるときにスタンドアップであのラインナップにいるのはイメージがわかないけど例えばこのあいだの木曜日に大勢のサーファーが来た翌日は友人が一人だけで小さめのピアヒで乗っていたらしい。その話と写真ももとはしくんに送っていた。最初にやるときはみんながこれは割れるだろう、と予想つける日ではなく、割れてるのかなあ、問われてないだろうなと思う日にチェックを続ければ、結構人知れず割れているものなんだという話をして、「私だったら毎日乗る乗らないは別にしてチェックに行くだろうし、割れていない中でも出て行ってみるとかすると思うよ」とちょっとプッシュをかけたつもりだった。だっていくら今年がものすごい波がバンバン来る年だからといっても自分の理想的なコンディション、風も吹かずに大きすぎず、混雑もない日なんて数日しかチャンスはない。
まあ、私が言わなくても本人も絶対わかってると思うけど、私に言われたらムッとしてあるいは後押しされていくかもしれない、そして多分、そういう小さな割れる変われないかで人がいないコンディションを目の前にしたら絶対出るだろうと思ったのだ。でも見ずにいたら、出ることはない、とにかく見てみないと始まらない、それで行ってみてダメでもそれはそれで諦めがつく。

二人で岩場から出て、一時間チャンネルから波を観察したらしい、そして完全にタイミングを計り、一本ずつ乗った。
震えるほどの恐怖と興奮と感動で体の奥底からつき上がるようなストーク、今まで感じたことのないものだったと話してくれた。
詳しいことは潤くんのブログにも載っているのでぜひ!

今やジョーズは多くのサーファーの夢でもあり、栄光の場所。そこで乗れたことは素晴らしいけれど、私にとっては彼らがジョーズを乗ったからすごいのではなく、ジョーズなんて乗れないというところから数年かけていろんなことで努力して結局ここまで来たという過程が素晴らしいと思ってる。二人だってもう若手とは言われない年齢になってきているかもしれない、でもそんなこと全く多分考えていないと思うしジョーズに乗ったからスポンサーがとか、写真に残すとか、自慢できる、そんなことは一切考えていないと思う、ただただ、普段乗ってる波とジョーズはどう違うのか、自分に乗れるのか、どうしても挑戦したくなって出て行ったのだと思う。
今までの努力のご褒美が今回ジョーズで乗れたということなんだと思う。
「サンセットの大会に出るつもりでハワイ来たけど、ピアヒに入れて気分的にはもう僕の今回の滞在はジョーズ乗れたことで80%達成した気分です」(潤くん)
「恐怖と興奮と感動が入り混じり、震えました、波に乗った途端思わずうおーという叫び声をあげてました(イエーイではなく、うおーという感じ)」(本橋)

まだゆっくり話を聞いていないけど、彼らの目標としていることに一歩近づいたという喜びは私にも伝染してくる。そして彼らはピアヒに入ったことで目標達成どころかさらに課題や目標が増えた感じ、途方もなく高い目標に見えたり、周りのレベルと自分は全く違う様に思えても一歩一歩時間をかけてでも進んでいけば必ず近づける。


ジョーズでパドルサーフィンが一気に増えたきっかけを作ったマリシオの言葉はまさにジョーズをうまく表現していると思う。
「Living the dream with nightmare behind it」巻かれたら悪夢のスープに追っかけられながら夢にまで見た波に乗っている。いいこというなあ。

レアードの言葉「人間の人生っていうのはやりたいことを達成するには十分の時間がある。焦らなくても地道な努力を続けていればね。ただ無駄に時間を使うにはあまりに短すぎるんだよ」
マリシオがパドルでピアヒをチャージし続けたのもそう。時間をかけてでも自分を信じて続けることができるかできないかが大きな鍵なんだと思う。

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