2013-09-01

9月1日 未来の海に何を残すか

東北行ってから休めてないせいか、ちょっと朝起きるのがしんどい。昨日も夜更かししてしまったし。

そうはいっても今日は東京へ,今回日本に帰って来てから初めてかな。気合いを入れて品川のモンベルへ。防潮堤計画についての勉強会に行ってきた。まずモンベルのビルに近づくとこんなメッセージ。4階の天井に近いところに(赤い線が見えるだろうか?)これが14、7メートルと書いてある,これがこの間サーフィンしたビーチに立てられる予定の防潮堤の高さ,(その上高さだけでなく奥行きは90mと言うとんでもない大きさ)改めてそののしかかるような大きさに恐ろしくなった。こんな高さのコンクリートが湾全体を覆ってしまうこと,みんな想像できているのだろうか,少なくともこの案にゴーサインをだした人は想像力がないか,あるいはお金に対する想像力しか持ち合わせていないかのどちらかだ。
きつい言葉はあまり使いたくはないが,この件に関しては私は冷静でいるのがとても難しく感じてしまう。あまりに住民の気持ちを反映してないのだもの。
大好きだった荒浜は今人が入れない状態になっているらしいが(正しい情報かどうかは定かではないので住みません)も薄手にこんな感じで堤防が出来ている。そう,もう東北のあちこちで防潮堤の工事が始まっているのだ。
ちなみにこれがこの間仲間達と楽しくサーフィンさせてもらった場所、よく見ないとわからないけど,海に面したところは14.7mの防潮堤,それだけでなく川に沿ってずっとおくまで7m前後の高さの壁が立てられる予定。
もちろん砂浜は奥行き91mの防潮堤ですべて埋められなくなる,波はもちろん生態系だってすぐ隣になる素晴らしいリーフブレイクだって。
住んでいない私でさえ涙が出るほど悔しいから,生まれ育った人でこの海に思い入れのある人たちはどんなに辛いだろう?
本吉の避難所で知り合い,彼の流された家の掃除もした三浦さんは震災以来休んだことがないと思う,休むともしかしたらいろいろ辛い思い出のことを考えてしまうからなのかもしれないが,取り憑かれたように仕事に励んでいる。もともとは物静かな塾の先生だった彼が全国あちこち旅して防潮堤に関する講演をしている、まさか震災が起こるまでは自分かこんな風に生きるとは思っても見なかっただろう。
彼の生まれ育った海はとてつもなく美しく平和だった。瓦礫だらけで悲しい思いが詰まった時期でも海は穏やかできれいで心を和ませてくれた。そこに住んでいる人で海を堤防で見えなくしたいと思ってる人は一人もいない。あんな辛いことがあったにもかかわらずみんな高台に住み,堤防で自然に対抗するのではなく、大いなる自然に敬意を示しながら海とともに生きていきたいと思っている、そして子供達、これから先の世代に美しい海岸、海、漁場を残していきたいと思っている。なのになかなか反対の声は届かず,何も変わらない。最近は胸が痛くなることばかりだが,後援会にはたくさんの人,それもいろんな年齢,いろんなタイプの人が集まっていた。知ることから始まる,そうすれば何かをせずにはいられなくなる。だから私もしつこく自分が知ったこと,学んだことを伝えていきたいと思う。自然に勝てるなんておごった気持ちを持ったら人間は終わる。
その後渋谷のパタゴニアにも寄り笑顔のスタッフ達に再会し。帰り道ネオンが輝き,人の川が流れる町で何となく寂しい思いと疲れを感じながら帰路についた。
本当に正しい方向に日本は動いていってくれるのだろうか?後悔しても遅いと言う状態まで突っ走ってしまわないだろうか、復興日は2年間しか出ないというわけのわからない理屈で何が何でもそのいろいろ工事を着工してしまおうとしている様子に心配で仕方がない。

No comments:

Post a Comment