2012-10-11

10月10日 サメとの遭遇

 昨日の夕方からサイズアップし始め、今朝はうちにまで波が聞こえてくる。今住んでいるところからは、私が最も好きで、でも怖くて、なかなか挑戦できないリーフブレイクが見える。望遠鏡で見ると波は大きいけどとてもきれいに割れている。風はゼロ。これ以上のコンディションはないかもしれない。でもルームメイトは仲間と別の場所に行くプランを立ててしまっていた。私は一人でチェックしにいったが、出ることはできそうだが(チャンネルがあるので)サイズは大きい。かなり慎重に行かないと、シーズンはじめで体も心の準備もあまりできていない、夏の間にもとちゃんとやっとけばよかったなと思ったりする。
でも前に出たことがないサイズではないのでとりあえずパドルアウトし、チャンネルから様子を見てみようと決心した。ちょうど出て行こうとするときに、別の場所に行くと行っていた仲間たちが駐車場にやってきた。向こうはいまいちだったらしく、みんなここで出るという、あーよかった。
ところが10分くらいかけてアウトのチャンネルにたどり着くやいなや、私のすぐ近くで大きな灰色のフィンが海面をすいすいと泳いでいる。この20年以上海でサメを見たのは3回きり、でもこんなに近くでこのサイズを見たのは初めてかも。体が凍り付いてちょっと遠くにいたみんなに『シャーク』と叫んだけど彼らはちょっと離れているので聞こえないのか気にしていないのか、焦っていない、私がサーファーで足を海に入れている状態だったらパニックしたかもしれない。ここでセットが来て巻かれたら絶対にまずいと思ったし、これは『今日のここはお前が来る場所じゃない』って言う意味なんだろうか、なんて考えて,そのままインサイドに行って帰ろうかなと思った。インサイドに向かって漕いでいると、トウインをしようとハーバーからやってきたジェットスキーの2人組が近づいてきたので、サメがすぐそこにいる!と伝えたら、向こうも、ひえーほんとだー、とそのちかくをうろうろ。そのおかげでサメもどこかに見えなくなった。   
とはいえどこかにいることは間違いないので、次に見えたら、もうお前は今日は帰れという意味と理解しようと決めた。

今日のこのポイントは極上。サイズ的にも私がハンドリングできるぎりぎりのサイズなのでそれ以外の部分で風やうねりの向きや混雑などハードルが増えてくると私にはムリ。でも今日のメンツ(みんな私がどれくらいのレベルか知っているし、いつも励ましてくれる仲間たち)で5−8人くらいでこの波をシェアするのだから、申し分のないコンディション。でもやはり最初にサメを見てしまったことで体がかちかちになり、その上夏は湘南にいたので台風といってもせいぜい頭くらいの波だったので、メンタル敵にも体力的にも準備ができていない感じがあって、なんだか全然だめ。
乗りたい気持ちはあるのだが、大きなセットがくるとついつい一直線でチャンネルを目指し、ショルダーから乗れる波ではないのでなかなか乗れないし、いい波の途中からの牢としてもうまい人ばかりでいい波はみんながピークから乗り繋いで来る。  
         
結局みんなの写真ばっかり撮って自分はろくな波に乗れずにおわった。自分の臆病さに嫌気がさしたけど、でも気持ちが向かっていないときに無理しても怪我をするだけだし、ここに出てきて、自分がハンドリングできるポジション、波を把握し、安全第一に行くことも大事だよな、と自分に言い聞かせる。
でもやっぱりチキンだったなー。メンズはみんなお互いに歓声を上げながら素晴らしいビッグウエイブを次々に乗っていた。ジェレミーが乗った一本はほんとに大きくて、もうちょっとでチューブ巻きそうな勢いで、私ももうちょっとで巻き込まれそうなものだったが、彼はいつも通りの落ち着いた表情で、全く力の入ってないスタイルで乗っていた。筋肉で覆われたクリスでさえかなり真剣に巻かれまいと沖に漕ぎ出したあるセットは、本当に大きかった。多分あのサイズに今の私が巻かれたら一巻の終わり(?)だろう。 でも以前にもこれくらいのサイズに入ったことはあるのに、なぜだか行けない。練習もしていないし、心の準備ができていないのだろう。                           

今日は全然いいとこなしだったが、これをいい反省材料にして、波のないときも冬のパワフルな波のことを考えて、夏の間にもちゃんと体を作っておくようにしなくちゃと実感。みんなのようにピークからバシっと波に乗れなくても、自分ができる範囲でプッシュしたこと、この場所にいたことだけでも何かしら学んだことがあると思いたい。少なくとも人に迷惑をかけずに帰ってきたこと、そしてみんなのライディングショットを撮ったのはよかったかな。


たまに来るセット
        
みんないい波に乗っていたけどジェレミーが今日の主役だろう、普段から嫌な面を見たことがないし、初心者でもプロでも観光客でも区別なく誰にでも親切。実直なファミリーマンでちゃんと仕事も海とは別にある。でも海にいったんはいるとほんとにどこにこんなクレージーなものが隠されているんだろうというほどのライディングを見せてくれる。でもマスタークラスってみんなそういうもの、上手で、謙虚で、人によって態度を変えることなどない。
今日はほんとにいいものを間近で見せてもらったな。次回までにはもうちょっとできるようになっておきたい。

風があがってきたので今度はカイトビーチへ。今日は絶対的に混雑が予想されたので、11時きっかりに海に出ようと早めに準備して出たけど、風が思ったようにあがってこなかった上にオンショア気味で波に乗りにくい。結局こちらも不完全燃焼。
今日から開催されているKITE JAMの会場まで行って挨拶し、帰宅。

昨日今日でジョーズの方は大変なことになっている。レディースではマウイローカルの若手ペイジとケアラケネリーが巨大なジョーズをパドルで乗り、10代のキッズもきっと10人以上は出ていたはず。世界中の大波乗りがやってきてアバラング(雪崩にあったときに引っ張ると風船のようなものが出てきて上に浮き上がれるもの)の用なものがついたウエットスーツを着ておきに出て行くのだ。そして巻かれた後ほんとにかめさんみたいに背中が膨らんだ状態で出てくるらしい。すごい時代になったものだ。
昨日のジョーズはwww.surfline.comで、様子を見ることができる。

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