2012-10-10

10月8日 ニセコのヒロミ君

昨日よりさらに波はサイズダウン、風はコナウインド。フキパはおそらく最高のファンコンディション。つまり混んでるだろうということなのだが。今日の夜から大きなうねりがくるという予報なのでみんないつくるか、ちょっとセットが入ってくるとこれがビッグスウエルの始まりか、とそわそわしていたはずだ。
私は明日からの波に備えて今日は仕事。ここのところちゃんとした食事をしていなかったので体の中から力が沸き上がらない感じがあるので、これはいかんと無理矢理栄養価の高いものをできるだけ口に入れるようにした。自分なりのグリーンスムージー(というよりコールドグリーンスープ?)とか、発芽した各種のアルファルファ、ナッツや干したマンゴー、イチジクなど口に入りやすいものを入れている。

                                      
さて今日はニセコで知り合った友人ヒロミ君について書きたいと思う。
辰巳ヒロミ君のことを知ったのは去年のフォールラインという雑誌。ニセコに住み、スノーボードの事故で脊髄を損傷し、下半身が動かないのだけれど、そんなことに関係なく、自分の好きなアウトドアライフを送っている。ゲンテンスティックの太朗さんが彼のためにカスタムデザインしたスノーボードを手にしてからは彼は雪山で『自由』を手に入れ、写真の通り、完全にバックカントリーパウダーでリッピング。夏は0歳の赤ちゃんでも行けるラフティングツアーというのをやっている。以前からやっていたサーフィンも、自分なりにできる形を考えて、リバーカヤックに乗りながら結構な波に乗る。海まで自分で車いすでカヤックを引っ張っていき、全部自分でやるそうだ。ハンデなど全く感じさせないし、周りも全く特別扱いしない。あの感じ、ニセコの仲間らしいなと言うか、すごく素敵だった。目を見れば、やる気満々なのがよくわかる。本気でもっといい波にいい形で自由に乗りたいというのが伝わってくる。太朗さんが作ったスノーボードで彼のライディングが思い通りのラインを描けるようになったように、海でもそうなったらいいなと私も強く思った.




 彼はもともとサーフィンもやっていたのだが、海にも出ている。今はプラスチック製のサーフカヤックを使っているようだけれど、頭オーバーのチュービーな波も攻めるのだとシーサーが言っていたほど。くるまいズで海のすぐ近くまで行けるところ、サーフカヤックが引きずっていける環境などいくつか人より条件が多くなってしまうが、それでもちゃんと自分の判断で自己責任で海に入り、リッピングする。何とも素晴らしいのが、自分でできる彼と同時に、周りの仲間が助けすぎないところ。ヒロミ君はすべてなんでも自分でできて、でも一応何かがったら仲間が見ているのだろう。それにしてもすごいチャージングスピリットに感激。やりたいものはその思いが強ければなんとかしてあってしまうものなのかもしれないな。でもサーフィンにはこの川用のカヤックではなかなかうまく乗れないらしかった、レールもかまないし、ボトムターンしようにもボードがくるくる回ってしまったり。
彼のカヤックを見てふと思い出したのがハイクにすむ友人タイラー、海で良く見かけるウエイブスキーに乗ってる若い男の子で、いつもいつもほんとにニコニコ、でも上手でリッピングしている。人が多いときは一番波が取れる道具に乗ってるのに、気を使い過ぎくらいにみんなに波を譲り、それでもし余ったら自分も乗る、そんな感じ。消えない笑顔の彼の海でのマナーを見ればいいやつに決まってるといつも思っていた。彼は自分で独特のハイパフォーマンスウエイブスキーを作っていたからもしヒロミ君が興味があればどういったデザインがいいのかとかいろいろ相談に乗ってくれるんではないかと思ったのだ。

案の定すぐ返事が戻ってきた、その上彼もこの変なタイミングにびっくりしていた、というのは今日ちょうどハイファイブという、事故などで障害を負っている人に又海に入ってもらったりサーフィンしたりして楽しむことを可能にするよう動いている団体で、彼のスキーをあいたいと言ってきたらしかった。彼もヒロミ君とハイファイブをつなげたら最高じゃないかとちょっと興奮気味だった。
このタイミングでこのつながり、この話だから、なんだかこの先、楽しいことが待ってる気がする。何も無くてもまずタイラーとヒロミ君、そしてもしかしたらハイファイブの連中が知り合いになっていろんな障害を持つ人たちのスポーツの取り組み方や情報交換の助けになればいいなと思っている。
ちなみにタイラーは全米チャンピオンのウエイブスキーヤー、エアリアルとかまでしてしまう、その上オーストラリアでマスターシェイパーのもと修行をし、その後はマウイであらゆるシェイパーたちと知り合い,いろんな技術を身につけ、今は(夏の間)カリフォルニアで自分のブランドTLWaveskiをシェイプしている。日本ではあまり知られていないウエイブスキーだけれど,その乗り方から考えて、もしかしたらうまく考えればヒロミ君のニーズに合うものが出きるんじゃないかと思ったのだ。そしてものができるできない関係なく、いい仲間が増えたり、同じよう名障害を持ちながら海で頑張ってる仲間が増えるのは情報交換にもいいと思うのだ。
一生懸命は人の心に訴えるし、周りを引きつける。ヒロミ君はそんな魅力ある輝いた目をしている。これからもどんどんいろんなことで周りを刺激していってほしいと思う。チャージングスピリットと同時に判断力、どうするかを見極める力などに置いてもとっても感心させられたナイスガイだった。さあ、明日は波があがるらしいからわたしもがんばるぞ。


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