2012-01-25

1月23日 kirsten kremer


風も波もそんなにないので今日は友人が来る前にできるだけ仕事を終わらせようとしたのだが、結果的にはあまり能率よくなかった。
夕方マウイに到着したのは親友であり、雪山での仲間であり、バハのキャンプ仲間、そしてスポーツ全般なんでも私が知っている女性の中でも一番のクレーマーこと、クリスティンクレーマー。

はっきり言って世界一のビッグマウンテンスキーヤーじゃないかと思うし、アルパインもウオールクライミングも世界トップレベル、でもスポンサーもつけようとしないし、自分から売り込むようなことは一切するどころかそういう部分からはなれようとするので現場にいる一部の人の中では一目おかれているけれど、それほど知られてはいない。
私は彼女を女版レアードと呼んでいるけど、それは彼女がガタイがいいからではなく(身長は5”4と私と大して変わらず、小柄なのだ)なんに対しても怖がらず(かといって意地張っているのではなく、本気でそういうのが好きで冷静でもある)突っ込んでいくから。

彼女の武勇伝を上げ始めたらいくらスペースがあっても書ききれないが、アラスカの激流下り、クラス5のラフティングガイド、デナリでのクライミングガイド、アラスカバルディーズのリードヘリスキーガイド、リバーガイドなどの仕事をしながら、ヨセミテやモアブ、またパタゴニアやインドなどのテクニカルなクライムなどをやったり、バハでテントもなしでキャンプ生活しながらサーフィンをしたり旅を楽しんでいる。アラスカでは水道も電気もない森のなかに住んでいるけれど旅でいないことも多い。

スタンドアップは去年からかなりやり始めたのだが、そのきっかけも面白いというか彼女らしい。一緒にグランドキャニオンを3週間かけて下るはずだったのに私が腰を痛めてぎりぎりで参加できなくなり、結局彼女が私のボードを持ってグランドキャニオンを下ったのだが、その3週間川を下っているあいだにできるようになったとのこと。プロの男性スタンドアップパドラーが緊張しながら下るという話をしていたグランドキャニオンでスタンドアップを覚えてしまうなんてほんと、彼女くらいしかいないだろう。
ヘリコプターのクラッシュにあったり、雪崩に巻き込まれたり、熊に肩をかまれたりまでしている彼女の周りには笑いが絶えない。

はじめて会ったのは15年位前のバルディーズでのペニーワイズとオフスプリングのコンサートのマッシュピットの中。荒くれ男たちがぶつかり合うなかもう一人だけ女の子がいる!とそっちを見たら目が合ったのが彼女だった。以来ジャクソンで一緒に裏を滑ったり、お互いの山や海の話をしたり、キャンプ生活の合間に貝拾いに夢中になったりと楽しい時間をたくさん共有させてもらっている。

アラスカに行くとダグ・クームズが亡くなってからは彼女が必ず私のガイドになってくれていたのだが、『今まで結構スティーブでびびるような斜面にも連れて行ってたから、今度は海で友子が私を怖がらせるんじゃないかって心配だわ」なんていってたけど、彼女を怖がらせることなんてとてもできそうにないし、その前にそれは私が怖いだろう。

カイトもサーフィンもスタンドアップもちょっとしかキャリアはないのにある程度はできちゃってる彼女、これから2週間思い切りマウイを楽しんでもらいたいと思っている。

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