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2011年、あまりに激しい変化のせいで、実は3月11日以前のことを思い出そうとするのだがほとんど思い出せない。
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冬の波がよかったことはなんとなく覚えているけれど、ぜんぜん脳裏に焼きついていない。そして3月11日以降最初の1週間はなんだか空虚な気持ちで何も手につかず、インターネットで友人の消息をたどったり、新しいニュースを探したりするばかり、やっと何か自分にできることはないか、動き出すようになってからはそれに頭が行き過ぎて他のことに気持ちが向かなくなっていた。
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どんな情報をもらうことより実際に行くことで良くわかるからまず入ってみてくるといい、といってくれたオアフのカービーには本当に感謝しているし、マウイのみんなが必死になって集めたお金がいい形で使ってもらえたと思うから。
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東北での経験、感じたことはあまりに多すぎて、強烈過ぎて簡潔に書くことは難しいけれど、ひとつ学んだのは人は限りなく強くなることも、限りなく弱くなることもできるということ。そして東北の人たちはいかに人が強く、美しく生きられるかを私に示してくれた。
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出会った人誰一人として悲惨な直接的に、あるいは間接的に想像を絶する悲惨な経験をしていない人はいなかった。そんな極限におかれると本当にいろんなことがはっきり見えてきたりもする。自分にとって何が大切なのか、いやおうなしに問いたださせられ、すべてに白黒がはっきりする。グレーな部分やあいまいな部分がない心の状態になった。
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とはいえこれは被災していない私の感じたことであり、実際に被災した人たちがどれだけの苦痛やどれだけの不安と悲しみのなかどんな気持ちでいたのかは知る由もない。
わかるのがそれは想像を超えた困難であり、それを多くの人が勇気と強さで克服しようとしていたということだった。
本当にたくさんの涙と汗と笑い、そして正直な気持ちをぶつけ合い、優しい気持ちを分かち合ったこの体験で私は体の内側奥底から変わっていく感覚を味わった。
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最初の日本へのたびの後マウイに戻ると、すべての出来事が奇跡のようにすばらしく思えたし、海が好きで仕方がないのに、まったく海に入るどころか、レクリエーションなど円のないような生活を続けている海の仲間たちのためにも自分の海の時間を無駄にせず、みんなの分まで一生懸命楽しもうという気持ちになった。波のない夏は力をこめてパドルに励み、レースにもいくつか出て、目標だった海峡横断レースも完走。自然のパワーと自分のちっぽけさを体感できた。
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パタゴニアストアでのスピーカーシリーズでも自分が影響を受けた先輩たちなどの教えについて話すと同時に、東北での思い、日本人としての気持ちや、今思うことなど間接的に着てくださった方々に考えてもらえればと思い、やらせてもらった。
数本しか乗らず、人が続々と増えてきたのでその場を立ち去ったけれど、その波のクオリティーの良さに1週間くらいはそのことを思い出すだけで顔が緩んでしまうほどすばらしい経験だった。
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またパタゴニア札幌店のスピーカーシリーズのイベント前にゲンテンスティックの太郎さんとその仲間たちに連れて行ってもらった、波も、この夏一番のすばらしいものだった。とにかく邪魔にならないよう、気をつけていたけれど、残り物で乗らせてもらったものでも、それはそれはすばらしく、その上海は仲間20名くらいだけ。冬に他界した雪山の仲間へのお別れも一緒に参加させてもらえ、本当にスペシャルな一日だった。
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他にも沖縄でのスタンドアップパドル、富士川でもリバーサップやラフティング、そして気仙沼での復興の象徴となるお祭りにもかかわらせてもらった。そのとき満月に照らされながら海を流れてゆく灯篭はなんともいえなかった。
(↓長嶋かつひろ撮影)
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当たり前に思っていた一つ一つのことを心から感謝し、友人や家族を大切にし、何事も無駄にせず、無駄に使わない。そして正直に生きる、それが一番美しいと心から思える。
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今年最後の今日は友人のお蕎麦屋さん梵蔵のお手伝いをした。大晦日のお蕎麦屋さんは本当に忙しいだろうとは思ったけど、慣れない給仕のお仕事でパニック状態になり、途中あまりにいっぱいいっぱいになって、何をやってるんだか分からなくなりそうなときもあった。でも多くの人が年を越すためにお蕎麦を食べにきてくださり、その伝統を一緒につないでいくお手伝いができたことをうれしく思うし、それぞれの素敵な年越しに触れることができた。
みなさん2011年は本当にありがとうございました、2012年もどうぞよろしく。
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