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ここレインズではリーフを歩いて海に出なくてはならずそのため何人もの人がカイトを落としたり吹っ飛ばしたりしてリーフの上を引きずられたり叩き付けられたりして怪我をしている。私もブーツを履く決心をするまでに4、5回お尻やかかとをざっくり切って何週間も海に入れなかったことがあった。今ではウエット生地のお尻カバーとブーツを着けて出るようにしている。
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アンドリューがなかなか下らないので(下れないのか、下らないのかわからなかったが)かなり時間をかけて乗っていたので1時間ほどたってもまだパイアあたりにいた。何回かカイトを落としたときに彼のカイトがちょっと柔らかくなっているように見えたので少しはやく下ろうと私は率先して下って行ったのだが、ちょっと振り向いてみると、風上で彼がカイトを上げられずに四苦八苦しているのが見えた、いそいで戻ってみるとやっぱりカイトの空気が少しずつ抜けているようでうまくリランチできないらしい。彼にとっては初めてのダウンウインドだし、かなり沖だったのでちょっぴりあせっている。そのうえレインズからカイトビーチの間で唯一沖で波が割れるエリアでカイトを落としたのでちょっと海面がうねり、たまにブレイクする。かなり弱気になっているので、いそいでセルフレスキューの体制にもっていって、ボードは私がケアするからビーチに向かって進んで行けといったが、水の上でのセルフレスキューは初めてらしく、なかなかカイトをうまく持てない。「うまく持てない、このカイトでは出来ないよ」とか言うので『できないわけないでしょ、やるしかないの!』としかりつけ回りを行ったりきたりして叱り飛ばしていた。
靖君は先にカイトビーチに行ってもらい、スコットにことの次第を伝えてもらって、迎えにきてもらうことになり、私はアンドリューのボードを自分のリーシュに結びつけ犬の散歩のように引きずりながらアンドリューにいろいろ指示していた。
小さな波が割れたときカイトを離してしまったり、「出来ないよ、引っ張っていってくれない?」と泣き言を言うアンドリュー。『ジョーダンじゃないわよ男なら自分でやりなさい』としかりつける私。途中ビーチに近づいてきて疲れきっていたのか、少し休んでいるのを見つけては『ボーとしているとビーチにたどり着けずにあっちの岩場に行っちゃうからさっさとバタ足もして進みなさい」と怒鳴ったり。何とかビーチ近くまでいけたので彼にはそこで待ってるよう指示し、私は大急ぎでカイトビーチに下った。
すでにスコットだけでなく、かおるちゃんと靖君たちも救助に出かけてくれていたようで誰もいなかったが少しの間まっているとみんな帰ってきた。
道具も体も無事でよかったけど、アンドリューは笑いながら、「ほんとに怖かったんだよー、死ぬかと思った。」と言っていた。山じゃあるまいし、海でそんなに簡単に死ぬわけないだろうが。皆には迷惑をかけてしまって申し訳なかった。今となっては笑い話だがこれで彼もセルフレスキューのときにどうすればいいかもわかって、いい練習になっただろう。
私自身の教訓としては、どんなにカイトが出来てる人でも基本的なセルフレスキューやリリースなどをやり方をしっかり学ぶことは絶対条件でそれをしておけばパニックを起こさないということ、まだどんなときでも自分が泳いで帰ってこれる場所までしか行かないということを心にとどめておくこと、かな。
とりあえずここ何日かスコットのことを笑っていたアンドリュー。今日はしっかり海にシメられて終了。
風はカイトビーチでもものすごく安定していたので珍しく私はその後も夕方フリースタイルを練習、結構楽しかった。
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