2014-11-14

11月12日 Great start of the El Nino winter

 引き続きビッグウエイブ、朝くらいうちに起きるとうちにまで何となくごろごろと波の音が聞こえる。確実にジョーズは割れているだろう。こういう日は実はどこで乗るかを探すのが大変。乗れないわけではないのだが、普段乗るカナハはクローズ、ハーバーはだいたいのところが乗れなくなるため混雑。他のところは反対に小さすぎてせっかく波があるのにその波でやるのもなあと言う気分。家から見えるアウターリーフは確かに割れているが大きすぎて全く手に負えないほどには見えない。一台だけジェットが近づいていくのが見えた。そして一人波に乗ってるのが見えた。ものすごいスピードでカッコいいリッピングをしていた。行きたい気持ちもあったけど、まだ体が完全に復活していない上にルームメイトも今日はそこは大きそうだから行かないと言う。でも他に行きたいところがない。たかさんからも何度か電話があり、最初私が見ているところをチェックしたけどあまり大きそうに見えなかったのでアウタースプレックスを見に行ってるが、だれか一緒に行く人がいれば行きたいけど誰もまわりにそれらしい人もいないので一人で沖まで行くのはちょっと気が引けると言う、ジョーズに乗る気はないけどとりあえず見に行ってくるとの事だった。このサイズで私にはスプレックスは無理なのでとりあえず一番近いアウターリーフを見に行った。もっとでっかい日にも出た事はある。とりあえず沖まで行ってダメだったらかえってくるだけでも次の波のときの目安になるから、一人だし、とにかく安全第一で慎重に出てみようと決めた。板をもて緊張しながらビーチに行くとちょうどデイブカラマがかえってくるところだった。
『ちょっと海面がクリーンではないけど他も全部見てから来たけどここが一番良かったよ。ちょっと脇にそれたところでジョンガンジーニが乗ってたけどそこでもいいのが割れてたからそこならいいんじゃない(つまりでっかいのに巻かれずにすむ』とアドバイスをくれた。そこは私がもともといつもスタンバイするところだ。
まあ、とにかくチェックしにいってみることにした。
カラマといつも一緒に乗っているクリスも帰ってきた。彼らは体が段ボール箱みたいに真四角なので私は3人あわせてボックスブラザーズと呼んでいる。
途中もの凄いカレントで白波が立ってるのを見て、もしリーシュが切れたらヤバいなあと緊張した。このぐらぐらでバランスがとれない感じは四国の水島を思い出す。
出てみるとスタンドアップは一人もいず、サーファーが4、5人。なかなかセットが来ない。でも一度大きなセットがどれくらいあるのかみないと皆のいるラインナップまではこわくて近づけない。そんな感じで脇から見てたが、何人か知っている人がいるようで手を振ってくれる。他のスポットがドコモ良くないようでその後も何人もパドルアウトしてくるサーファーが続いた。サーファーにとってはここ前くるのは結構な距離その上鮫がいる事で知られているスポットだから昔からここでやってる人が多い。懐かしい顔ぶれも何人か通り過ぎ、カズマボードのマットやアンダーグラウンドビッグウエイバーのトッドも出てきた。
トッドは来たとたんセットの一本目をとり、スティープなテイクオフを決め完璧なラインで延々とインサイドまで乗っていった。さすが。私はそのテイクオフのスティープさと波の大きさを見て、はっきり言ってびびってしまった。このサイズで巻かれたらひ弱な私はからだがばらばらになりそうだ。
大きなセットがくるときは私のいる場所も割れそうになるが(そして普段は別のピークが出来て割れるのだが)今日はうねりの向きが良くないのか、割れない。とはいえ上手なサーファーしかいないピークには近づけないので結局すみっこの方でうろうろしながら皆の様子を見ていた。セット感はかなり長く20分くらい。結局まともなのは一本も乗れズ、インサイド気味で小さめのを帰り際に2本乗っただけ。完全にしめられたと言うか、巻かれてもいないからしめられる以前の問題か。
前はもうちょっと行けたと思うけどやはり去年の冬まともに乗っていないのと体の準備が完全でないために精神的にいけてない。ま、それはそれで受け入れる事にして、これからまだまだ先は長いという事の勉強だと思って、腰が痛くなる前に上がってきた。実はチャンネルに鮫っぽい姿を発見。サーファー達には言わなかったけど(良くいるけどアタックされた人はいないので)やっぱりなんか怖い。

今まで使っていたカメラが修理に出ているために昔のカメラを持っていったけどタイミングがずれるし、いまいち。その上途中からズームが出来なくなってしまった。残念。

でもこんな波で思い切り楽しめるようになれる日はくるんだろうか。あまりの自分のダメさ加減にがっかり。もっともっと泳ぎも足腰の強化もやらないとダメだなあ。
 たかさんはその頃ジョーズを見て、自分がジョーズ用のボードを持ってきていない事を後悔しながら皆のライディングを見ていたようで、「空いてるし、風はないし、波もセット感が長くそれほどには大きくない、けどセットが来るとものすごいチャージを皆が見せている。シェインドリアンの凄さを改めて見せつけられた!」と興奮気味。乗ろうか乗るまいか、どこで乗ろうか、それとも仕事に行った方がいいだろうか、など悶々としていたようだけど、今日がなんと誕生日だそうで、だったら楽しくやった方がいいからピアワンは巨大ではないけどセットは十分いいのが来るから(私には大きすぎてたちうちできないが)ここ来て皆で楽しくやれば絶対いいですよーとすすめたら、結局あとでほのぼのと楽しめたとメッセージが来た。ジョーズ乗りはあの波でほのぼの、かあ。よかったよかった。
ふう。

前よりも乗れてない気がする自分の情けなさにがっくりしながら、私はタカさんと交替でジョーズを見に行った。
ジョーズはもうすでに観光地化していてどう見てもサーフィンしていないような観光客風の人たちがぞろぞろ歩いている。ジョーズのパイオニアの一人であり、70フィートほどの今までで一番大きな波だったと言われる(トウイン始まってからの20年で)日に御オケガをしたブレットが新しいおもちゃの操作を練習していた。彼は私はマウイに来始めた頃一緒に住んでいた人で彼からうけた影響は大きい。当時今までで一番大きな波だと言うなかにウインドサーフィンで出て行き、完全なホキパのクローズアウトを乗った事は今でも印象に強く残っている。

さて、ジョーズの波は思ったよりブレイクしていた。去年の1月19日くらいはあるんじゃないかな。そして完璧なコンディション、晴れててウエストよりの波でチューブも巻く。少し海面が荒れているかもしれないが、それはここではいつもの事。そして何より混んでいない。20人くらい入っていた。
ただウエストよりのうねりなのでレフトに行く人も多く,そこで巻かれるとレスキューがなかなか出来ずにはまっている人が結構いた、サイズ的にはばかでかくはないが(とはいえ15フィートくらいはあるだろう)パワフルなのかもしれない、巻かれるとなかなかポップアップして来ない。
何人かのサーファーは岩だなのぎりぎり前まで行ってしまいジェットでもどうする事も出来ない状態になっていた。結局なんとか岩場に打ち付けられる前に流されてもう一つ向こうのワンの向こうにスープとともに消えていったけれど、向こうの湾の岩場に無事上陸できたといいな。その湾の岩場につくまでにはものすごい体力を消耗してしまうだろう。その後も何人も板と一緒に流されていたり、板がなくなって一人で真っ白な海面にいるサーファーがたくさんいた。今日は人が少なく、ジョーズに挑戦しようと言う人には完璧のコンディションだと思う。日本からもジョーズをやろうという人が結構いるようだが、今こそ来るべきタイミングだと思う。(たかさんもそういっていた)トリプルクラウンでASPの選手は来ていないし、完全に決まったら大きすぎて危ない、これくらいのセットを待ちながら、空いているラインナップで皆に顔を覚えてもらい、誰がどういう乗り方をするのか、どういう波を選ぶのかを知ったうえで、またジェットの人たちにも見逃さずに万が一巻かれたら見ていてもらえる余裕のある今が絶好のチャンスだと思う。そして今始めておけば2、3回シーズンまっただ中に入る前に経験が積める。一回入る事がどれだけ大きな経験になるかは想像がつく。
もう一度言うけれど、もしもジョーズに今年来ようと思っている人は『今』がチャンスだとおもう。他の人と同じ動きをしていたら混雑は免れない。自分一人でタイミングを見ていいときだけくるのではなく、割れるかわれないかのときも様子を見に来ると絶対本来の波が割れた時に精神的に違うと思うのだが、まあそれは見てるだけの私の戯れ言かもしれない。とにかく昨日今日、入った人は皆最高だ、最高だ、と雰囲気もコンディションにも喜んでいて、やはり人が少ないのはいい事だなあと実感する。

しばらく見てからリハビリのプログラムを作ってくれているトレーナーのサマンサとのセッションへ。彼女はイアン・ウオルシュ、カイ・バーガー、イアン・ゲンティル、ペイジアルムズなどのトレーナーもやっているので、インターネットでハレイワのコンテストで戦っている彼らをチェックしていた。残念ながらカイ・バーガーは敗退。イアン・ゲンティルとイアン・ウオルシュは勝ち上がった。
今やってるリハビリ運動の微調整をしてもらい、さらに深いストレッチング法を教えてもらう。もうそれだけで時間切れ。もうちょっと辛いトレーニングも増やしてもらえるかと期待していたけど、まだまだおばあちゃんの運動みたいなものの繰り返し、そしてそれすら上手に出来ていない。
ペイジも来てトレーニングをしていた。今日はジョーズに乗らなかったらしい。疲れては板が満足そうないい表情をしていた。
「昨日一日中やって今日は首すら動かない感じだもの。集中力もないし。こんなにいいコンディションなんだからやったほうがいいかなって思って見に行ったり、考えたりしたけど、やはり昨日一日でもう疲れ切って今日は無理。」
そりゃあそうだと思う。そしてそういう時に無理せず身を引く事が出来る勇気、判断力は絶対に大事。ペイジは誰よりも皆に空かれているレディースサーファーの一人、嫌みがいっさいなく、マウイの良さをそのまま形にしたような女の子だ。マウイの誇りだと思っている。月末から始まるホノルアベイでのレディースのワールドアップの一戦、ペイジはワイルドカードで出る事になってるけどビッグウエイブになるといいなあ。

イアン・ウオルシュなどは大会の合間に帰ってきてあの波を乗り、また夜にはオアフに帰って、今日大会に出ているのだ。トッププロ選手はやはり集中力も体力も気力もものすごい。サーフィンが上手いだけじゃない。

今日のハイライトはだんとつシェイン・ドリアン。すでにXXLのウエブサイトでも動画が出ている。これだという波にしか手を出さないので乗る本数は少ないが凄いのが来ると必ずシェインが乗っている。彼とグレッグロングの波選びと波待ちの忍耐強さには定評がある、それだけ彼らが乗るくらいのサイズの波に乗るには命がかかっているという事なのだろう。
そんなシェインは今ここで一番攻めているのが若手だ、とアルビー・レイヤーやカイ・レニーのチャージを褒め、彼らを見てると自分がさらにエキサイトしてくるとコメントしていた。
(ジョーズのチューブと言えばやはりアルビーがだんとつと皆口を揃える)
(うねりがくるごとに確実に上達しているのが分かるカイ・レニーそして夜明け前から夕方遅くまでずっといろんな道具をとっかえひっかえ乗りっ放し)
反対にカイレニー達はシェインが頭一つ上のレベルにいると評価する。お互いがプッシュしあい、リスペクトしあっている様子がよくわかり、見ている私たちの気持ちまで暖かい感動で満たされる。レディースに対しても皆ペイジやアンドレアやケアラをとてもリスペクトしているのが分かる。あの海に出ているのは全員本物の正真正銘のビッグウエイバーであり、体の芯までチャージングスピリットが沁み込んでいる。
ボディーボーダーも何人か入っていた。朝くらいうちに原付でボディーボードをかかえたキッズがピアヒに向かっていたらしい。皆で今日こそやろうぜって言い合って仲間皆で乗り込んだのかな?マウイって凄いところだなあと思う。
ちょっと前までキッズだったタイラーのワイプアウト、まだ20歳だが13歳のときに40フィートのジョーズをトウインでやっていたくらいだからこんなのも平気。パドルインではベテランの一人だ。

今日マウイ以外から来ていたのはトゥイギー、シェイン、それからノア・ジョンソンなど数人のオアフサーファー、たぶんオアフはコナウインドで風がいまいち合ってないと見てこっちに来たのだろう。オアフはジャンクになりやすいコナウインドのとき、マウイは最高にいいコンディションになるのだ。ここ数日一日中ほとんど風が上がらないけどこんな事はマウイでは滅多にないこと。このコンディションは本当にラッキー。

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