マウイもとうとう春がやって来たという感じでノース側の波は無く
2021-04-04
4月1日 春爛漫
2021-03-11
3月11日 Thinking of Tohoku、people I love.
あの震災は被害者はもちろん、日本中の多くの人に大きな影響を与え色々考えさせた出来事だったことは確かで、わたしも振り返る機会があった時に、生きてきた中での転機って実は海に関係することじゃなかったのかなーなんて思うような結果だった。
もちろんウインドサーフィンを始めたことは自分にとって結果的に転機、自分の人生の進む方向、軸を決めたことに違いないのだが、何かの出来事によってガラッと考え方が変わったり、大きな発見をしたというのは多分アラスカに初めて行った時、そしてこの東日本大震災だったと思う。
わたしはある意味、近すぎないところで(トラウマにならない位置から)被害にあった人たちの苦難に自分を重ねながら自分がその立場だったらという気持ちを常に持ち大きなダメージを受けずに震災を経験できたと言えるのかもしれない。ずるい話だが損はせずに得るものだけ得たような感じ。
申し訳ない話だが、震災によってわたしは沢山の学び、大事なことは何かを教えてもらい、人とのつながりの大切さ、いざという時に頼りになるつながり、心と体を極限まで使い切るまで頑張るという充実感、ちいさなことに幸せを感じられる人間の強さ、や与えようとする人間の優しさ、何もできないと思ってる人でも必ず何かできることはあるという人間の可能性、とにかくいろんなことを感じたけれどそれが全てポジティブなものばかりだった。
東北の人たちの強さと優しさに触れて自分を成長させてもらってばかりで、自分が助けに、物資を供給しに行ったつもりが、全く反対にいただいてばかりの経験だった。
何よりも大きな頂き物は今も続いている友人関係。
結局環境も政治もその場所やその国や、その人たちを本気で好きになれるか、なんだと思う。
家族が危機にさらされたらどんなことをしてでも助けようとする、それと同じように愛している場所が破壊されたらなんとかしなくちゃと思う。でもやはり漠然と遠くにある国で大変なことが起こってもかわいそうに、大変だろうにと思うだけで、そこまでエンパシーを感じない。だから普段からいろんなことへの愛や思いを強く持てるよう、いろんなことを知り、自分にとって大事なものは何かそしてその大事なものをどうやって守っていくか、育てるかを考えることが大事なんだと思う。
震災後東北でも自分の大事なものは何かを考えた人はたくさんいる。そしてその大事なもののために頑張ってきた人もたくさんいる。
わたしが最初にボランティアが手伝わせてもらった家に住んでいた三浦さんは塾の先生をしていた。気仙沼の街で被害に遭った。家は小さな入江の前にあり、家族も津波で流された。若い衆があまりいない地区だったので避難所の世話役的な存在となり、そんなところからみんなの代表として色々活動しているうちに今は市の議員さんとして住民に寄り添い、取り残される人がいないよう気を配り、弱い立場の人たちのために一生懸命働く素晴らしい議員さんになっている。でもきっと震災がなかったら議員さんにはなっていなかったと思う、そういう性格ではないから。人生って本当に不思議なものだ。
いいこともあったし未だに辛いこともあると思う、そんなものと折り合いをつけながらみんな生きている。震災は正義とか義理とかそういうものではおさまらないいろんな出来事や思いを経験させてくれた。人によっていろんな考えがあり、自分が正しいと信じていることは他に人にとっては間違ってると確信してることだったりもする。そして結果がどうであれ前を向いて進もうとすることに人間の美しさというかを感じるということも知った。
そして何より自分の中にある日本人の血というものをすごく感じるようになった。つらいことを経験しないと、理解できないこともある。震災をきっかけにわたしは自分にとって本当に大事なものをたくさん理解できるようになった。あの頃東北で震災で水も電気もないなか、新しい仲間たちと綺麗な星空の下で焚き火しながら語り合ったこと。大変だったけどこれを機会に考え直して自然に寄り添った防災、防潮ができるかもしれない、防潮林を海岸線を埋め尽くせばいいじゃないかとビジョンを熱く語っていた仲間もいたけど、本当にそうなったらいいねとみんなで夢を描いてたけど、小さな二箇所をのぞいで東北の海岸線は全てコンクリートの要塞のようになってしまったと聞く。
(各地の防潮堤の写真はNPO森は海の恋人の畠山さんのFBからお借りしました)
仮設住宅ができる前にすでに巨大防潮堤の計画は進み始めたとも聞いていた。コンクリートががお金になるというのは昔からの話だけどそれだけが理由だとは思いたくないけど、でも多分その場の不安から大きな壁を作れば守れると思っちゃう人も多かったのかもしれない。でもいつも時代も人間のすることは絶対自然には勝てない。防潮堤ができ、人間の生活が海の密接な関係を断ち、海に行かなくなったり海の生態系が壊れて魚や貝さんが取れなくなったり。
でも何より海ってものをとって生きて行くためのものだけではなく、人に生きる力を与えたり、悲しみを癒したり、神様の存在を感じさせてくれる教会のようなものでもあって、それが身近に見えるところにあるはずなのに遮断されることにわたし自身とっても抵抗があるのだ。
頭に浮かぶことを書き連ねていたら延々と続きそうなのでこの辺で切り上げて海に行ってこようと思うけど、東北のことを考えるときにはっきりと美しい風景や大好きな仲間の顔を思い浮かべられるのは震災で東北に向かいみんなと心を通わせたおかげ。
だからみんなが幸せでいてほしいと心から願うし、大きな津波被害や原発事故のようなことが二度と起きて欲しくないと思う。そのためにも自然に対抗するのではなく畏敬の念を持ち自然に逆らうことなく命を守る方法を考えていければと思う。自然には絶対勝てないから。
10年という区切りの日をみなさんが安らかな気持ちで過ごしていますように。そして改めてあのときにお亡くなりになった方々と残されて大きな傷を抱え込んだみなさんに祈りを捧げる日にしたいと思います。
震災とは違うけどコロナのせいで日本が遠くなったことで、自分の気持ちが日本に向かうことが増えたっていう点では共通してるかな?一人で寂しさに耐えられない思いをしている人がいませんように。全ての人がなんらかの形で愛されている、生かされていることに感謝できていますように。
2021-03-01
2月28日 Ride for Tomorrow
Ride for tomorrow この言葉は私がよく思い出す大事な教えの一つです。
ウインドサーフィンに夢中になっていた頃、30年くらい前にホキパでかなり波が大きかった日に丘でチャンネルがクローズアウトするのを観察しながら、出てみたいけどどうしようか、でもロックしたらやだなあ、とかいろいろ悩んでいた時、たまたまオアフから遊びにきていた、デレク・ドーナーがぽつっと言った言葉です。
2020−2021の冬シーズンはマウイにとっては波と風に恵まれた最高のシーズンですが、アメリカ本土では雪のコンディションが今までにない、予想がつかない危険な状態で、多くの事故がそれもエキスパートにも起こっていて、その危険を友人であるPOWのジェレミー・ジョーンズなどはかなり真剣に捉えてインスタライブなどで多くの人に訴えてきました。この記事は(英語だけど)私の第2の故郷ジャクソン、TGR の投稿ですが来年も楽しく滑れるように、今年はちょっとだけ我慢してバックカントリーに出ない、あるいは来年プッシュできるように今年はメローに行くことを学ぶことも大事なんだなと感じています。
私は命に関わるとてつもない急斜面を滑ったりクライミングしたり、巨大な波に挑戦するスキルレベルはありません。でも危険てそれぞれのレベルで違うと思う。(よく思うのが、カイレニーがピアヒのあの波に乗るより、私が6ー8ftのアウターリーフに乗ろうとするほうがずっとリスキー笑)特に私は大体において一人で行動してるし自分でどうするか判断し、自分で最悪のシチュエーションを想定し、ちゃんと帰ってこれるか考えないといけない。またみんながいるときも大体において自分が一番下手くそなので迷惑をかけないようできるか、そして彼らの判断ではなく、自分のレベルでも行って大丈夫か自分で判断しないといけない。
Ride for tomorrow というのは命を失って乗れないようなことはするなという意味だけではなく、今日無茶して怪我して2週間乗れなくなることがないように乗る、またはバカなことで翌日のセッションを逃したり最高のコンディションで楽しめなくなることがないようにするというような意味もあります。
本音を言っちゃえば、私は今この瞬間死んでも悔いはありません。やりたいと思ってることを全てやってこれたし、いつ死んでもすばらしい人生だったと思えるから。でももし私が死んでしまった時の家族や友人の気持ちを考えたら絶対に死んではいけないのです。明日も乗れるように今日乗らないといけないのです。スポーツに限らずどんなことでも自分の限界をプッシュすることは生きている!っていう実感を一番感じさせてくれる最高のハイだと思います。でもそのギリギリで遊ぶのはとっても難しい綱渡りでもあります。だからこそ自分なりのレベルで自分をプッシュできるよう、安全性、準備、知識、リサーチ、そして自然の中で敏感にいろんなことを察知できる五感を研ぎ澄まさせておくこと、その上で賢い決断ができるように努力を惜しまないようにしなくちゃと思います。そう、人に決めてもらうのではなく、自分の実力を一番よく知ってる自分自身で判断できるように。
私はこれまでに本当に多すぎる数の大事な友人をフィールドで失ってきました。その度に私が海や山に出るときは彼らの分まで楽しむという任務があると自分に言い聞かせます。そして海で(山でも)自分がサイコー!っていう気分でいるとき本当にしょっちゅう彼らが近くにいることを感じるのです。
急に彼らの顔が思い浮かんだり、あるいは亀やトビウオ、クジラや鳥の姿になって出てきてくれたり、特定の雲やダブルレインボウで彼らが私と一緒にサイコー!って感じてるのを教えてくれるのです。s
ほんとは冬のシーズンに向けて12月から始まるはずだったのに遅れたのはきっとこの冬の波が最高すぎたからなんでしょう。講師もスタッフもみんなビッグウエイブサーファーだから仕方がないね笑。
2021-01-17
1月17日 Super Swell セッション
あっという間に1月が半分過ぎてしまいました。思えば12月の2日に大きな波が来てからほとんど休みなく波がいい。年が明けてからは本当に毎日波が大きくてペアヒが割れていない日がないくらい。
小さくて割れる変われないかも日もあるけどそれでも割れれば15フィートはあるだろうし、そういう日こそ初めての人やこれからやりたいという人にはもってこいのコンディションなので、若手や本気でやりたいと思ってる人たちは毎日チェックして、一本でも2本でも、あるいは乗れなくてもでたりしている。普段はそんなに連続して乗れるチャンスはないのでこのシーズン頑張ってる若手たちはラッキーだし、次のシーズンに海外からプロが大勢来た時も一緒に波を取るときに経験を積んでラインナップに参加できるはず。やる気のある子たちが日に日に上手くなっているし、若い子でもチャレンジしている子が多い。
混雑のない中小さめのペアヒでトウインの練習をお父さんとやったり、先輩に教えてもらったり、仲間同士でパドルアウトしたりそんな感じで若手が成長していくのを見るのはとても嬉しい。一度ペアヒの波を経験すると生半可な気持ちでは絶対怪我をするとわかるのでみんなトレーニングにも余念がない。ジムに行くとみんな来てるし、それぞれがいろんな工夫をしてペアヒのために準備をしている。
さて、ペアヒが連続してブレイクしている中でも今回のうねりは特別と随分前からSNSなどでも盛り上がってて、1月末にあるスーパーボウル(フットボールシーズンの最終戦でチャンピオンを決める試合、アメリカではこれを見る人が多くこの日は海もガラガラ)にちなんで、スーパースウエルというニックネームまでついていたほど。コロナでなかなか移動しにくい中オアフからもペアヒを狙っているサーファー達が何人か来たし、マウイのビッグウエイブサーファー、若手、政府ティー、それぞれがギアやジェットの整備をし、この日に備えていた。
なかなかカウアイの西にあるブイの数値が上がらないなあと思ったら前日の夜になってジャンプアップ(いろんな予報や情報があるけどブイを見るのが一番確実)お昼頃には確実に上がりそうだけど、これだけ騒がれてるので混雑もすごいはず。いい場所でじっくり見ていたいので朝早く暗いうちから出動。。というか乗るわけでもないのに興奮して2時半ごろから寝られず、風向きや風の強さをチェックしたりして、ソワソワしていた。
6時に友人とペアヒへの道の入口で待ち合わせしたけど私も彼も興奮していて時間より早くに着き、シャトルも見えなかったので、歩いてクリフサイドまで向かった。すでに結構な数の車が来ていたし、カメラマン達がセティングしていた。
私が一番好きなスポットはすでに取られていたので前回と同じ場所、サトウキビをかき分けて行く森の中にある場所に陣地を作りスタンバイ。すでに波は割れていたけれど、ここ1週間以上それくらいのサイズは割れていて、まだ新しい大きなうねりではなさそう。夜明けとともに7時半ごろ何台かのジェットと船がやって来た。ハーバーからペアヒまで少なくとも1時間はかかる。けれど、みんなこれが待っていたうねりとは違うことはわかってるからか、のんびりモード。
最初にパドルアウトしたのはボディーボーダー。友達なのか、すぐ横にずっとジェットが寄り添っている。万が一巻かれた時のすぐに対応できるようにだろう。誰だかははっきりしないけど頭が丸い感じがするので、マウイで一番じょうずなJacob Romeo先生ではないかと勝手に予想をつける。まだ小さいとはいえ、割れればでっかいし人がいないぶんラインナップを見極めるのも難しそう。そうやってるうちにもう一人出てきた、今度はゼインシュワイツアー、サップで登場。
今までのノーススウエルと新しいうねりの両方があって、海面があまり綺麗じゃないし、波選びも難しそう。そんな中ゼインはさらに奥の方までパドルし、グーフィーなので、もしかしたらレフトの波を狙ってるのかしらと思うくらい奥でスタンバイ。結局ボディーボーダーは一本かなりエアードロップに近いテイクオフをメイクし、ゼインは何本かいい波を乗り、(今年に入ってから何度も乗った波の最大サイズ記録を更新しているらしい)それに刺激されてサーファーも数人パドルアウトしてきた。4人くらいいたけれどわかったのはネイサンフローレンスとイーライオルソンのオアフチーム。オアフチームだけどピアヒがブレイクするときにはいつもきてチャージしているし、スキルもすごいからもうすでに常連組。マウイローカルはまだこれは本番じゃないと思って待機しているのか出てこないけれど二人はオアフから来たからには乗らないと、とやる気が見える。オレンジ色がトレードマークのタイラーラロンドもラインナップにいた。緑と黒のツートンのサーフボードにカムフラージュのウエットはもしかしたら12歳のロバーソン3兄弟の末っ子、ベイビースティーブかもしれない。(彼がトウインで波に乗ってる写真は出ていた、もはやペアヒレギューラーになりつつある笑)
ただ朝から結構風が吹いていて、それがテイクオフを難しくしていた。沖は白波がいっぱいだし、波がブレイクする飛沫が波の後ろにものすごい勢いで飛んでいくところを見るとどれだけ吹いているかよくわかる。みんな波に乗るのに苦労していた。
パドルサーファーたちがなかなか波に乗らないので、トウサーフィンのチームが動き始めた。まだサイズアップしてないので今がチャンスとあまり慣れていない人たちが乗ろうとしているように見えた。
若い女の子をトウインしているジェットがいた、2本小さめ(とはいえ今日の波の中では、という意味で十分大きい)の波に乗り、かなりひどいワイプアウトをしたが、無事メイク。前の日に初めてのトウインにチャレンジした14歳のローカルチャージャー、クリスリン・カネかなと思ったが、カウアイレジェンドのタイタスキニマカの娘でありロキシーガールでもありモデルもやってるマイネイキニマカだったみたい。可愛いだけではありません。ハワイアンとしての誇りを持ち、いろんな活動もしたりしている立派なハワイアンガール。今後が楽しみ。他にもトウインでイジーゴメス、アニーも載っていたみたい、でも何と言ってもレディースで一番すごかったのはフランス人で、ナザレでもメンズ以上にチャージしているジャスティーン・デユポン。


彼女は2年前にピアヒの大会で大怪我をし、半年くらいかけてリハビリをして復活した。そして今やナザレではメンズと一緒にインビテーションのトウインの選手として招待されるほど。そしてレギュラーサーフィンもうまいし、実はサップサーフィンでも世界選手権に出ているし、フリーダイビングもすごいらしい、まさにウオーターウーマン。
ピアヒで乗っている女性たちは乗ってる波もすごいけど、みんな人間的にもものすごく立派な人ばかりでお互いをリスペクトしあい、競争意識より仲間意識が強く、お互いをサポートし合っているのが本当に素敵。それにしてもレディースがあんなライディングをするような時代が来るとは。あのライディングは BIG WAVE AWARD にも必ずノミネートされるはず。実際に見ることができて、嬉しい。
さて10:30ごろ(ブイからの予測でもそのくらいから波が上がるだろうと言われていた)カイレニーのボートが登場。そして登場した途端最初のでっかいセットが割れた。さすがカイとみんなで感心していた。
その頃には完全にラインナップはトウインセッションとなっていた。
kai Lenny
ビリーケンパー、ネイサンフローレンス、イーライ、そしてグーフィーフッターでジョーズのトウインではベテランのショーンロペス、そしてフランシスコ・ポルチェラ、トウインだと人のボードを借りて乗ったり、交代で乗ったりするのでなかなか誰が誰だかわかりにくいけれど、目立っていたのはカイ・レニー、タイラー・ラロンドかな?
風が上がってきて、待ちきれなくなったウインドサーファーで最初に出て行ったのはロビー・スウイフト、普段は全く風がないチャンネルあたりから結構板が走っていたから波に乗ったら結構強いだろうなあと思いながら見守っていたが、ここのところウインドサーファー達は連日ピアヒで乗っているのでだんだん精神的にも慣れているのかもしれない。
ロビースウイフトとリカルドカンベロは冬の初めにレスキューの講習にもきていて真剣にいろんな質問をしていた。自分たちのやってることがどれだけリスクがあるかを実感しているからだろう。でも真剣にセイフティーを考え出したからなのか、リカルドのペアヒでのライディングは最近目を見張るものがある。以前のホキパで見るイケイケな感じとは違う、計算されながらもラディカルな素晴らしいライディングだと思う。ペアヒで一番うまいと私が思う、マリシオ・ブラウンも出てきた。そしてキングロビーもさすがと思わせる完璧に計算されたライディングで大きな波に乗っていた。もうそろそろ還暦なんじゃないだろうか。でもロビーは全くそれを感じさせない。ジェイソンポラカウも出てきた。
彼はトウサーフィンのカイレニーと巨大なセットを共有し、二人でクロスクロスをやってのけた。普通の神経じゃ絶対無理!若手のSchettewi兄弟のジェイクとZも最近はよく乗っている。
今日は多分ジェイクだけが出ていた気がするが大きな波に堂々と乗っていた、彼が大学生になってメインランドの大学にいたのだがコロナになってオンライン授業になりマウイにいながら大学の勉強中、なんてラッキーなこと!おかげで毎日の様にジョーズでウインドすることができるのだ。
カイトはジェシーリッチマンが数週間まえに大きな波のリップで足を骨折したので、今日はパトリが一人で出ていた。カイトでこの風の中並みに乗るのは非常に難しいはずだし、オフショアが強いとほんと大変なはずだけど私が見ていた限りはワイプアウトもせず、巨大なセットに何本も乗っていた。車の免許がなくて学校からスケートボードでカイトビーチまで来てカイトしていた頃からパトリのことはよく知ってるけど、本当に性格もいいし、ユーモアのセンスがあって、見た目は全然そんな大きな波をチャージするようには見えないのんびりした感じ。でもすごいセンスのあるライディングをする。そして彼のガールフレンドのオリビアは彼以上にチャージするというパワーカップルなのだ。(今日はなぜか出ていなかったけどそりゃあここ数日ペアヒセッションが続いてたから、疲れているよね)
さて、ウインドでのハイライトというか一番の見どころはやはりアダムのワイプアウト。ポーランドの選手で、最近私はウインドサーフィンを見てないのでイケイケの選手なのかもしれないが、ここのところジョーズが割れると必ず出ている選手。1本目に乗った波が今日一番くらいのサイズの波でものすごいスピードでチャンネルに向かって走ったけれど、かなりワイドで追いつかず、最後はウインドサーフィンのセイルごと(マストは5メートルの高さがある)丸々チューブに入ってしまうんじゃないかという感じ、最後ギリギリのところで自分から海に飛び降りその直後にリップがセールに落ちてきて一瞬で潰されていた。おそらくギアは粉々になったと思うけどボードは無事だったらしくそのあとも何本が小さめの波に(今度はちゃんと安全なラインどりで)乗っていた。若いからいけると言ってしまえばそれまでだけれど、まあ、とんでもないワイプアウトだった。
ひどく巻かれた後も悪夢は続く。
ワイプアウトと言えば昔を知ってる人なら古矢さんのピアヒでのワイプアウトを覚えているかもしれない。彼が3階建てのビルの上に5トントラックが引っかかっててそれが今にも自分に落ちてくる感じと説明していたワイプアウトは昔出たジョーズの写真集にも出ていて、巻かれる前の一瞬に昔のことが走馬灯のように見えたとも言っていた。あの頃はサポートのジェットもないしライフジャケットも着てない。すごい時代だったなと思う。
(ロビースウイフトが乗ったセットの波)いつもはマリシオブラウンが一番うまいと思うライディングwするけれど、今日はロビー・スウイフトが目立っていた、というか自信に満ちたライディングを見せ、大きなセットに乗っていた。ここ数日のピアヒセッションで乗り込んだ成果なのかもしれない。
最後の最後までは見れなかったけれど、セッションは日暮れまで続いていたらしい。ゼインシュワイツアーはウインドでは今までで一番大きな波に乗り、今日1日でサップとウインドの最大の波記録を両方更新したそうだ。
一つ忘れていた、ワイプアウトもチューブもすごかったけど一番すごいのは彼らの安全を守るセイフティークルーの面々。海全体がうごめくような流れの中フォームだらけで真っ白になってる中に黒い点のように浮かんでいる、またあるいは全く浮かんでこないのを必死に探してピックアップするのは本当に体力も気力も経験値も必要な大変な仕事、それを自ら名乗り出てやってる彼らは本当に素晴らしいし、彼らもあの仲間意識とか究極のアドレナリン、自然との対峙を楽しんでいるのだろうとは思うけどほんとに彼らがいるからこそあれだけのチャージができるんだとサーファー達は誰もが言ってるし、ほんとにそうだと思う。
そして最近では波に乗る人もセイフティーができるようになってきてお互いを見守り助けるシステムが以前以上にしっかりできてきた気がする、サイズが小さい時は別だけれど、ある程度のサイズの時は岩場からパドルダウトしてくる人はほとんどいないし、みんなチームを作ってペアヒまで出てくる。普段からシミュレーション練習をしているのでピックアップする側もされる側も慣れていて、ものすごく速い。波と波の間でそれをやらなくてはならないから、一秒の遅れが安全を大きく左右するから。「でも板をピックする時にフォイルボードは怖いもんだとわかったね」とこないだ一人の人が言ってたけどそうだろうなー。マウイのセイフティーたちはこの世界一大きなチューブが割れるペアヒでまた死者が出ていないことを誇りに思っているし、そのために本気で動く。そんな彼らはサーファー以上の英雄であり、真のヒーローとして評価されている。
というわけで自分は乗ってもいないのに、1日ドキドキして過ごしました。
明日は少しサイズダウンして、風もない予報なので今日パドルで乗れなかったサーファーたちがみんなリベンジを狙っているはず、、、なので明日に続く、と言いたいところですが明日は私も海に行きたいので見に行きません。
(後日談、二日目は予想通り結構な数のサーファーが出てきて乗っていたそうです、でもサイズダウンが早くセットも少なくなってきて午前中で終了という感じだったみたい。)
また明日、そして木曜日にうねりが入り、週末にはまた巨大なサイズのが来る予定。結局この大波祭りは一月中ずっと終わりそうにない、、こんな冬は10年ぶりくらいかな。