2020-12-31

12月30日 2020, What a year!

 2020年、誰も予測していなかった展開の一年だった。(もしかしたら世界の中には何人か予想してたのかもしれないけど)

1ヶ月くらい我慢すれば元の普段の生活に戻れると思ったら大間違い。日本にも2回帰るはずがどちらも結局帰れずじまい。

日本でのイベントもツアーも全てキャンセル。収入もほとんどなし。でもしんどい気持ちもありましたが、それ以上にああ、こんなにお金がなくてもなんとかやっていける、そして一つ一つの出来事やもの、人との関係を大事にすることに時間を費やすことができました。

でも最初のロックダウンの時にあんなに時間があった気がしたのに、今ではなんだか昔と同じくらいバタバタしてるのはなぜだろう?人間ってすぐ環境に馴染むようにできているのかな?

日本では毎年ワード大賞のようなものがありますが、今年はなんなのでしょうか?やはりコロナとか、ロックダウン、自粛警察とか上がってくるのかな?

私にとっての2020年一番のキーワードはズバリ「Gratitude、感謝」でした。

コロナのおかげで時間ができて、日本に行ってバッタバタの毎日を送っていたはずの春の2ヶ月間、イエール大学のオンラインクラスを受けました。その中でのじゅぎょうに「より良い生き方の科学」という授業がありいろんなセオリーを討論したり講義を受けたり、いろんなことを試験的に実践するというものでした。全て言ってることはよーくわかってるつもりだったし、それほど目新しいことを言われてる気もしなかったし、オンラインの授業の中で出てくるイエールの生徒さんたちより、自分の方が、先生の言ってること理解も実践もしているんじゃない?とちょっと図に乗ったりもしました。が、実際に2ヶ月言われた通りに実践したことで、今まで以上にその感謝する気持ちがどれだけ自分をハッピーにしていくものなのかを実感しました。そしてどんな状況でも感謝することはいくらでもあるということも理論でなく、実感として受け取ることができました。そういう意味ではあの授業を受けた意義はあったかも?

日本に帰れず、仕事もできず、家族にも会えず、でもだからと言って毎日が辛かったわけではなく、いろんな工夫をすることを覚え、また工夫をして時間をかけていろんなことをする余裕が与えられました。

この40年間近く同じ場所に一年以上いたことなど一回もなかった私の人生においてこれは本当にいい経験でもあったし、多くの人が自分の身近な場所に再発見をしたんじゃないかと思います。私もマウイでの暮らしの中でより自分が理想とする生活パターンに近い生活が出来上がってきました。

海優先の毎日、コンディションに合わせて、朝早く海に出て波に乗る、あるいは風が強くて波がなければ午後から風のスポーツをする。その合間に畑や庭仕事、そしてコンピューターワーク、庭や畑で採れるものを無駄にしないように貯蔵方や保存法を学び活用し、また余分にあるものは友人とシェアし、お互い持っているものを交換し合う。これだけで結構生活が豊かになりました。




何より、普段は波のない夏はマウイにいなくてもいいやと思ってたけど、今年はウイングを始めたので、波のない風ばっかりの夏が最高に思えました。毎日毎日ウイングのダウンウインドを練習したことで、なんとか波が上がってくる秋までにある程度乗れるようになり、波乗りでもウイングが使えるようになりました(それを目標に頑張っていた人は私以外にもたくさんいたと思います)

ファーストスウエルが来てからは風がない日は朝からフォイルかサップ風が上がって来たらウイングかカイトと大忙し。

あっという間の一年でした。

正直言って、3月のロックダウン以来人とハグしたことも間違って思わずした2、3回くらい。友人と集まってご飯を食べることもほとんどなく、誰かとお茶したり、どこかに行くこともほとんどありません。社交的なことはほとんどやってないし、人が多くいるところには全く行かない一年でした。でも、実はもともとそういうことより一人で海のこと考えてる方が好きなのかも?と思うくらいで、海に専念できて、私にとっては素晴らしい一年にも思えました。

もちろんこのままでは生活が続かないのでなんとかしなくてはですが、自分が本当に大事にしたいもの、持つべきものなどをゆっくり考える時間が与えられたのだから、しっかりじっくり考えて、来年から元に戻ることを期待せず、変わりゆき時代の流れに合わせながらも自分の軸がぶれることなく自分が納得できる生活をしていけたらと思います。

海キチガイを通せた私にとっては悪くない一年でしたが、これからはみんなが助け合い、協力しあって、誰か一人がいい思いをするのではなく、一人残らずハッピーになれる世界を目指していきたい、SDGを流行語に終わらせることなく、誰もが指針として行動できるといいなと思います。

それにしても一年が終わりに近づいていて、感謝したいことしか思い浮かばないなんて、それこそありがたいこと。そんな一年にしてくれた周りの仲間と環境に心から感謝しています。お世話になった人たちに到底恩返しできる力量もお金もないけど、自分が何か、そして誰かの役に立てる時にはそれが自分がお世話になったことへの恩返しだと思ってどんどん行動したいと思います。

ありがとう、2020年。

さあ、2021年、いつでもこい!




2020-12-17

12月13日 アンドレア・モーラーのCPRコース 備忘録


前回のブログで書いたようにここのところ海での事故や怪我が多い。冬が始まったばかりだということもあるけれど、海の上で大怪我をした場合その場にいる人たちが素早く正しい応急処置をすることができるかできないかが本当に重要になることがよくわかった。そんな時タイムリーにCPRの講座があると聞き、その上講師はマウイの現役パラメディックであり、ペアヒのパイオニア(実際パドルで波に乗り始めた最初にブラジリアンの一人でトウインで乗った最初のレディースチームの一人、そしてスタンドアップで最初に乗った女性で一番大きな波に乗った女性(トウインで)でもある)カヌーやスタンドアップでもモロカイチャネルで一番優勝の数が多い人かもしれない。とにかくすごい経歴だけれどそれだけでなく、人間的に本当に尊敬できる女性でもある。

さてソーシャルディスタンスもあるのでそれほど人数は多くないはずだと聞いていたけど集まったのは半分くらいがビッグウエイブサーファーやプロウインドサーファー、そしてペアヒのセイフティークルー、そしてそれ以外が私や潜りで魚をつく人、学校のスポーツコーチ、そして助産婦さんや看護婦さんだった。みんなバックグラウンドは違うけれどそれぞれの現場で命について真剣に考え、できることをしっかり身につけておきたいと思っている気持ちがすごく伝わってきた。ほとんどの人がCPRコースの経験者、中には講師もいたけれど何度受けて儲けすぎということはなく、それが実際に必要な時にすぐ使えることにつながるとみんな言っていた。

自分が忘れないようにという意味でもここに大事なことをメモしておきたいと思う。基本的な内容はどこでも知ることができるので現場で役立つことなど私自身が聞いていて印象に残ったことをメインに描いておこうと思う。


以前CPRコースもAEDの使い方なども受けたことはあるけれど受け身の講義だったし、特にCPRは当時のやり方と今とでは随分違うようだった。

実は一度ハーバーで朝、自分の住んでた車の前で亡くなっていたホームレスの人を発見したことがあり、911で警察に電話したところ、CPRはできるか?と言われて、なんとなく知ってはいたものの、マウストウーマウスでもうすでにハエが口の中に入っているような状態の人にCPRを施す気持ちにどうしてもなれず、できませんと言ってしまったことがある、その罪悪感は今でものこっているのだが、(まあ息をしているとかまだ暖かいとかだったら話は違ったと思うけど)聞くところによると今は口移しでCPRはしないそうで、マウスガードのようなものでやったり、胸を刺激するだけなのだそうだ。アンドレアでさえも口をつけたことは今まで14年仕事してきて一度もないというのを聞いてちょっとホッとした。

話が横道に逸れてしまったけれど、今回は全員が何度もCPRの練習をモデルを使って実践し、そのときにいろんなシチュエーションを想定しながら、人が集まってうるさくなると大事な音や声が聞こえなくなるとか、誰かに手伝ってもらうとき、誰か、というのではなく、あなた、と指差してしっかり名指しで指示すること、911に電話するのも誰かがやってくれるだろうと思って誰もやってなかったり、反対に大勢がいっぺんに電話すると混乱するのであなた(と指差して)がやってと指示したりすることが大事だと言っていた。

またCPRで胸を押すのもかなりの力が必要で、私が思い切りやっても半分くらいが力や押す場所がずれていたりで、赤いランプがついていた(正しい押し方をすると青いランプが点灯する仕組み)そして正しく押すと男の人でも疲れるので人が多い時は交代でやったほうがいいのだが、これも続けてやらないといいがないので交代するときに時間がかからないよう、次の10で交代して、と言い、交代する人はすぐに変われるよと手の位置を近づけてスタンバイしておくといいと教えてくれた。立ち位置、誰がどこに立って何をやるかなども詳しく教えてくれたことで混乱が起きにくくなる。そして細かいことだけれど重要なことがたくさんあり現場の数をこなしてきたからこそのインフォメーションは非常に興味深かった。

ペアヒチームや潜りチームはCPRがスレッド(ジェットスキーの後ろにある大きなブギーボードのようなもの)の上でも効果があるのか、あるいはボートに連れて行かないとダメなのかという質問もあった。ときにはスレッドすらない時もある、サーフボードの上に乗せてやるべきかなどという質問のあった、全て臨機応変だけれどベストなのは下が硬いところでやること、つまりボートのデッキなどがいいのだが、そこに行くまでの時間が大事なのでできるのであれば、ジェットでボートに行くまでの間も後ろで誰かが胸を押しているといいとか、息をしていないけど背骨や首を追っている心配があったらどうしたらいいかという質問には、背骨が折れていても息をしていなかったら脳に血が行かなくなり、死んでしまったり脳死になるのでそっちの方が大事、まずはCPRなのだそうだ。あと仲間や家族だとどうしても夢中になって押すタイイングが早くなってしまう傾向にあるらしい、早く息をして!と焦るので仕方ない。だいたい1分に100くらいのタイミング、赤ちゃんならもうちょっと早いくらいで押すのがいいそうだ。

助産婦さんたちの赤ちゃんに対するCPRもとても興味深かった。それにしても人形での練習なのに、そんな状況になったらどうしよう、赤ちゃんが青い顔をして、息をしていないときにゆっくり落ち着いて胸を強く押すことができるだろうかと考えたら涙が出てきた。

AED の使い方、または近くだとどこにあるかを知っておくべきだということも言われた。例えばハーバーや学校にはあるのでペアヒチームはハーバーでピックアップして海に持って行こうとかジョークもでてきてたが、必要な時は誰がとっても問題ないらしい。そして使い方は簡単。ただし、CPRをしながらのAEDを使うことのタイミング(AEDでその人がどんな状態かをモニターしてる時には他の人はその人に触ってはいけない)とかが難しそう。

いろんな実際の事例を見ながらライフガードが溺れた人を助けているシーンから、ものが喉に詰まって息ができなくなった人、赤ちゃんが息をしていないときのシーンなどいろんなものを見ながらそれぞれが質問をしたのもとても良かった。

ペアヒチームの中にはウインドで入るために今まであまりトレーニングしていなかったプロたちもいた。例えば大きなセットが来て、一人じゃなくて、二人溺れていたらどうするのかとか、笑っちゃうようなシチュエーションの質問もあったけれど、実はペアヒではそれがあり得るから恐ろしい。

以前カイレニーがフィンで足の甲をざっくり切った時はその場ですぐ応急処置をし、ジェットから直接ヘリが下ろしたはしごで引っ張り上げられてヘリに乗り、ヘリで病院まで運ばれて傷を縫うまでに40分しかかからなかったという。

また以前ローカルチャージャーのDEGEが大腿骨を骨折し、動脈が切れていた時はマリコベイまでジェットで運ぶ間、止血帯だけではそこまで血が止まらないので、仲間が足の傷に手を入れて、指で動脈を抑え続けていたのが素晴らしい判断だったとアンドレアが褒めていた。

怪我の場所によって止血帯が聞くところ効果的なところもあるけれど、そうでないときの処置の方法もいろいろな経験談がでて興味深かった。

それにしてもどんな質問にもそういった状況を全て経験したことがあり、適切な答えを教えてくれるアンドレアには今更ながら本当にすごい人だなと恐れ入る思いだった。そしてそれでも毎回違う状況の中で自分の経験だけでは予想がつかないことが起こるので謙虚にならざるを得ないという気持ちもよく理解できた。

どんなにペアヒで大きな波に乗っても翌日には生死に関わる現場に立たされ、人が死んでいく。そんな中ビッグウエイブに挑戦することだけが人生じゃない、全てでもないということを毎日目の当たりにさせられていることで、地に足がついた生活ができると彼女は言っていた。

6時間の予定が5時間くらいで済んだけれど、途中で居眠りしちゃったらどうしようなんていう心配は吹っ飛んだほどインテンスで緊張感と臨場感に満ちた素晴らしい時間だった。そして誰もが真剣にこのコースの重要さを意識し、本気で学ぼうとしている姿勢にも心を打たれた。


さて、ここで話題に上がったのがローカルサーファーカイポが商品化したいざという時の外傷用の救急セット。カイポはペアヒベテランでこのミーティングにも来ていてユーリソレデードの息子。セイフティークルーとしてもリーダー的存在で誰からも信頼され尊敬されているビッグウエイブサーファー。このセットは特に海の上で必要なものだけを選び、その中でもベストな商品を吟味、ミニマムでありながら使いやすいように揃えたパッケージになっている。カイポは子供の頃からユーリと一緒にペアヒに通い、特にセイフティクルーとして活躍、そんな経験が影響したのか高校を卒業した現在、救急救命士の資格を取るためにアメリカ本土の学校に通っている最中だ。

このトラウマキットの中身のラインナップは素晴らしい上に価格も安いとのことでここでも評判になっていて早速その場で購入した人もいたほど。アンドレアのアドバイスではとにかく海に持っていくものは色々入ってるといざという時にごちゃごちゃになるからできるだけシンプルに、そしてすべての道具やキットを何度も使って自分のものにしておくこと、(その場で使い方など読んでる暇はない、そりゃそうだ)それから一つ一つ個別にジップローックに入れておくと濡れずに済む、ということだった。そこにはアンドレアのトラウマキットも持ってきていて、彼女の方はもう少し本格的なもので中身も多かったけれどすべてのものを彼女自身月開き方を熟知しているものばかりだそうだ。そして一つ一つをジップロックに入れてドライバックに収納してバックパックのようにかついて持っていけるようにしてあった。なるほどー。

というわけで日本でもビッグウエイブやジェットで沖まで行く人、レースやコンテストのオーガナイザーなどこのキットに関心がある人のためにXkai. medical のトラウマキットの中身の紹介。

 1 C.A.T tourniquet(止血バンド), 1 molding splint(成形スプリント), 1 emergency heating blanket(エマージェンシーブランケット), 1 tweezer(とげぬき), 1 trauma shear(外傷バサミ), 2 rolled gauze(ガーゼ), 5 4in. gauze pads(4インチ四方のガーゼパッド), 1 trauma pressure gauze(外傷圧力ガーゼ), 5 single dose packs of ibuprofen(一回分のアイビープロフェン), 5 non Advil, and 5 diphenhydramine.(鎮痛剤、ジフェンヒドラミン5錠ずつ)  5 triple antibiotics one time use packs(一回ぶんの抗生物質), 2 pairs of gloves(手袋2ペア), 1 surgical tape(サージカルテープ), 1 triangle bandage(三角巾), and 1 ace bandage(包帯).

このトレーニングの二日前にホノルアでシャークアタックがあり、常連サーファーがなくなった。そして1週間ほど前にはカイトビーチで板に頭をぶつけて意識不明になり、救助が遅かったら完全になくなっていたという事故もあった。ペアヒも何度かブレイクし、みんな大きな波に巻かれて何があってもおかしくないという実感もあったのだろう。とにかくサーフィンは人生をかけるほど価値のあることだけど命をかけて死んでしまってはいけない。だからこそ仲間に何かがあったときできる限りの事や心の準備ができていることは海に出るものとしての責任なのかもしれないなと最近思うようになった。
いざとなったら何もできないかもしれないけど、こういう人たちが真剣に人の命を守っているんだということが理解でき、感謝できたことだけでも意味があるトレーニングだったと思う。

 アンドレア、ありがとう!


2020-12-12

12月11日 Water Risk Management and Safety(長文です)

 

(ビッグウエイブで友人を失った後に仲間同士でもっと安全面について話し合い、お互いを守ろうではないかと始まったのがBWRAGの活動。波がいい時期の12月にもかかわらず、毎年トップサーファーや若手のヤングガンたちが集まり、真剣に話し合い、多くを学ぶ。ここで学んでおいたおかげで何をすべきか知っていたことで人を助けることができた、仲間の怪我に迅速に行動できたという人は多い。残念ながら今年はコロナの影響でオンラインコースのみ。でも2万円くらいでものすごい量のインフォメーションとクラスを受けることができる)

ここのところ続けざまに周りで怪我や事故が相次いている。そしてその一つ一つが全く違う。

例えばよく問題になる、サーファーとサップのトラブルや衝突、あるいはマナーの問題での怪我などであれば大体の状況はわかるし、トラブルを避けることはできる(だから私は混んでるところにはいかないし、前乗りは絶対にしない。下手したら誰かが前乗りしてきたら譲ってしまうことが多いくらい(人にもよるけど、お互いよくわかってる人なら平気だしでもそういう人は私の波に乗ってくることは滅多にない笑)

でも今回の事故や怪我についてちょっとだけ考えてみたいと思う。

まずはもう一ヶ月以上経ったけど11月初めに自分自身が軽いぎっくり腰をやってしまった。

(波にテイクオフした瞬間にぎくっとやってこれはやばいとできる限りインサイドまで飛距離を伸ばして岸に戻ったが、その途中でアートが写真を撮ってくれていた。ヤバイヤバイと腰に手を当てて情けない顔をしながら乗っている笑)

これはもう完全に疲れが溜まっているのに休まなかったせい。いつも10月に結構やる。なぜかというと日本から帰ったばかりであまり海に入ってなくて体ができてないのに気持ちだけ先走って、早く冬のために体を作らなくちゃ、マウイにいなかった分を取り戻さなくっちゃと焦って練習しまくり、反対に疲れている体でやって変なところで転んだり、もともと弱い腰をグキッとやってしまう。だいたい膝か腰。今回なんてすでに予感まであってジムでリハビリトレーニングを始めたり、整体の先生のところに行ったりまでしたくらい、だから自分でも休まなくてはいけないとわかったいたのに休めなかった。で、小さな板で出て、バランス取るのに足腰を使って披露したところで必死に波に乗るためにパンピングしながら漕いでぐき!やった途端これはやばいと思って、そのまままっすぐビーチに戻り、もうすでにこげなかったのでレイダウンでパドルしてゆっくり戻ってきた。そしてすぐ先生のところに行き、そのまま安静。まあだいたい容量は何度もやってるのでわかっていたし、しっかり治すことが大事なのもわかっていたので2週間近く我慢してからゆっくり復活そしてそれからはリハビリ運動も欠かさずやっている。これ以上冬に怪我して波を逃したくないから。そんなわけで私の場合は誰かに助けてもらうこともなく帰ってきて自分で動けたから気をつけなさいよという警告だと思えばいいと思っている。

(チアリーダーのように海でいつも大声でみんなに歓声を上げて盛り上げるアニー、上達してきたからこその怪我だったかも?でももうすでに復帰して前より慎重に乗っている)

次に怪我したのはいつも海にいるアニー。私よりちょっと後に始めたくらいのレベルでこの夏は毎日サイスに通ってかなりガンガン攻めていたと聞いている、確かに上手くなってテイクオフもラディカルになっていた。たまたま波が大きなひにあたらしいフォイルが届き、早速試したところ、出るスピードも違うし乗った感じも違うのでスピードが出すぎて転んだのかもしれない、とにかくすピードが出る上に、ブレードも薄くシャープで端っこにグリット肉をえぐるような形のデザインがついてるので危ない。結局足のふくらはぎあたりをかなり深く切ってしまい。海にいたデイブカラマ、ライフガードのドノバン、高校のスポーツコーチをして救急治療などに詳しい(そして海の上でも最低限の救急用具をウエストポーチに入れている)クリスが大急ぎでそこにパドルしていき、5、6人のごついメンズがガッチリ囲んでビーチまで運び、そこからもライフガードのドノバンが車を運転して病院に連れて行ってくれた。このトラブルでは新しい道具を試す時は普段より少しメローなコンディションで、自分も少し抑え気味に乗ることに注意したほうがいいということを学んだ。でも怪我して筋骨隆々のメンズに囲まれて助けられ、アニーはなんだか嬉しそうだったとも言える笑 (もちろんその時だけで海には入れない期間が一ヶ月あったので落ち込んではいたが)

(ボールドウインビーチのライフガードでフォイルではマウイのトップクラスのライダーであるドノヴァン)

さて次の怪我はアニーをレスキューしたドノバン自身。彼はプローンフォイラーで、マウイでは元も上手くてスピーディーなライディングをする一人。一番奥からものすごいスピードでラディカルなラインどり、ターンもワイプアウトギリギリのところをものすごいスピードで攻めてくるからかっこいいし、誰からも好かれているライダーの一人。その上ライフガードなのでみんなからの信頼されている。さてその日はかなり波が大きく、久々に休みが取れたドノバンはフォイルビーチに来てガンガンリッピング。一人だけスピードが違うので沖の方から乗って来てもそれが彼だということがすぐわかる。その日は結構k¥攻めていたのでエアリアルをしよとしてたのか結構ワイプアウトも多かった。怪我をする直前の波はセットの波に奥から乗って来て、その波にトミーというこれまた結構イケイケで大きなセットに必ず乗るおじさんが乗ろうとしていた。遠くにいるから大丈夫だろうと思ったのだろうか、でもドノバンはものすごいスピードなのでトミーが波に乗ろうとする頃にはトミーのすぐ横まで来ていて。もうちょっとで照明衝突しそうになっていた。私は目の前で見ていて、思わず叫んでしまったくらい。その時は誰も怪我しなかったが、その次の波でドノバンは波を乗りつなぎ、フルスピードでワイプアウトした時にいたが飛んだのか、フォイルで顔に怪我をした。ラッキーにも目にぶつからなかったけれど目の周りを切り裂いたように鼻の横から目の下そしてこめかみの近くまでざっくりだったらしい。この時もまたデイブカラマや数人のごついメンズがしっかり支えてビーチまで連れて行き、本人がライフガードで絶対に自分で病院まで行けるから運転させてくれというので自分で病院に行ったそうだ。トップレベルの人でも怪我をするときはするましてプッシュしていたら、人よりスピードがあるぶん危険。疲れてる時も危険だけど、ノリに乗ってる時もちょっと冷静さが足りないことはないかと振り返ることも大事なのかもしれない。

さて、今月に入って3回目の怪我が一番シリアスだった。怪我をしたのは65歳の年配のフォイルビギナー。マウイには頻繁に来る人で私も知ってる人ではあったが、それほど上手ではなく、彼自身もそれを自覚していたのだろう、アウトサイドではなくインサイドの人がいないところで一人で練習していた。その日は波は大きかったが、インサイドならせいぜい方くらいしか割れないから。とはいえ、ニューヨークから来たばかりで、ころなのせいでしばらく来ていなかったから海は久しぶり。体も鈍っていたかもしれない。彼がサップフォイイルでワイパウトしたとき何人かは岸に帰ってくる途中だった。バッキーは頭にいたがぶつかる時にすごい音がしたのを聞いて彼が倒れたことに気がついた。。自分はかなり遠くにいたので。大声を出して、より近くにいた人に叫び、すぐその人のところに行くよう声をかけた。一番近かったのはプロウインドサーファーでビッグウエイバーのサラ、見ていた人が言うには、マッハ100のものすごい勢いでパドルしていったらしい。そして彼の板を通り過ぎてパンピングしていったカリフォルニアから来ているボブという人も急いでパドルしていった。二人はうつ伏せになっていた体を一旦ひっくり返し意識のない重い大きな体を板の上に乗せたけれど、水を飲んでいそうだ他のでもう一度横にして水を履かせたところ、かなりの泡と水が出たらしい、。バッキーがたどり着いた頃にはビーチからもサップボードなどで近づいて来てくれた人が数人。そしてフィジーのタバルアでセイフティーボートマンをしているフィッシュもいた。大勢があちこちで叫び声をあげていて、何が起こったのかと思ったらそんな状況だった。ビーチに連れてくるまでにショアブレイクで苦戦したものの、海からアップルウオッチを使って911(救急車の要請の電話)に電話もし、ビーチについた頃には救急車も警察も到着していた。

顔は真っ青で意識もなく少なくとも数分は息をしていなかったこと、そして肺に水が入ったであろうことなどもあって、かなり危険な状態に見えたし、みんなこのまま彼が死んでしまうのではないかと思っていた。イヤーな気分だった。このビーチではほとんどの人が知り合いでみんな顔見知りなのにこの人が誰だけ誰も知らなかった(私はみんなの邪魔をしたくなかったので遠くにいたから顔は見ていない)救急車が出発した後今度は警察とこれが誰なのか、もし家族がいれば連絡できる人はいないかなどが必要になった・私たちが数人でどの車が彼の車かを探し当て、鍵の場所もわかり(あまりにわかりやすいところだったので最初に見たところにバッチリあった)みんなで確認しあいながらドアを開けてショーツの中の電話とお財布を見つけ、免許証を見て。自分の知ってる人だとわかった。そして彼が普段一人でニューヨークから来ていること、私の仲良い友人が彼と仲良しであることからその友人に連絡した。嫌なニュースを突然言わなくてはならないのも辛いことだった。彼女は今度は家族に連絡をし、病院とも連絡を取り状況を聞いた。最終的にその日の夕方までには彼は脳のスキャンもし、呼吸も普通になり。酸素のバランスも平常に戻ったという連絡が来た。まだまだ脳の様子はしばらく見ていかないとダメだし、トラックにぶつかったような気分ではあるらしいけどジョーダンデマと数日で海に入りたいというくらいにまで回復したというニュースは関わった誰もが本当にホッとした。

彼の場合ビギナーで、体力もあまりなかったのでついてすぐ(といっても二日後だけれど)海に入るのは良くなかったのかもしれない。でも沖には出ていないし(これがもし沖で起こっていたら、確実に岸に着くまでに手遅れになっていた、本当にラッキー)人にぶつからないところでやっていた。インパクトベストとヘルメットをつけていればこんなことにはならなかったかもしれない。(私も最初はずっとロングジョンのウエットスーツとヘルメット、そしてインアパクトベストをつけていたし、今でも波が大きい時や風が強い時ラフな海面や沖で乗るような時はインパクトベストをつけている、そしてヘルメットもまだ持っていていざとなったらつけようと思ってる。)フォイルは危険と言われているけれど(そしてもちろん危険なので他のスポーツ以上に気をつける点が多くなるけれど)今回はいたが頭に当たっての話で、それがサップやサーフィンであっても同じ状況が起こり得る。レスキューに関して言えば、周りの人たちの動きはこれ以上はないというほど素晴らしかった。サラやフィッシュがレスキューのトレーニングを受けていたことで何をすべきが知っていたことが大きいし、周りにいた全ての人が迅速に動き協力したことで本当にミニマムな時間で助けられた。これからもWatch each other それぞれがお互いの様子を観察したりちょっとでも何か変だなと思ったら止まってチェックし大丈夫か聞いたりすることを心がけようと今回の事故の後みんなで話し合った。

そして私個人に関して言えば、周りの仲間が怪我をした時、自分がレスキューやCPRのやり方がわからないために死んでしまったらそれこそ一生それを忘れられないだろうし、海に入る以上、できるかできないかは別として、できる限りの努力をしてお互いの安全を守ることはする責任があると思うので、躊躇していたBigWave Risk Assesment Groupのコースを申し込み、またそれとは別に今はそのコースはオンラインでしか受けられないので、実際に実践を兼ねて教えてもらえるCPRの資格を取るコースをビッグウエイブサーファーであり、BWRAGのインストラクターでもあるアンドレアが早速やってくれるというので申し込んだ。

ビッグウエイブに乗らなくても今回のように小さな波で意識を失ってしまうことだってあるし、そういう時には一分一秒が大事になってくる。今回のことがきっかけでもっと真面目に取り組まなくてはと実感し、受けようと決意できたのはいいことだったかもしれない。

それにしてもKAAにやってくる仲間の協力体制、コミュニケーションは素晴らしい。自分に何かあってもここならみんなができるだけのことをして助けようとしてくれると安心できる。

そしてダウンウインドもするし、今回のような使い方もできるのでアップルウオッチもお金貯めて買おうかなあと考えている。水の中ではいまいち操作がしにくい(水滴がついていてスクリーンがうまく動かない)といっていたけれど、Shiriを使って音声で電話したらしいし自分一人の時も簡単に911に電話できる方法があるらしい。一瞬で意識がなくならない限り、怪我しても電話はできるかもしれない。そしてダウンウインドで途中で風がなくなった時一人だけどこかにいってしまったとかトラブったとかの場合には本当に便利だし、GPSでどこにいるかも調べられる。

KAAビーチでの怪我について考えている矢先に、今度はホノルアでサメのアタックがあった。朝早い時間に普段から毎日サーフィンしているマウイ在住の57歳の男性のサーフボードのかじり取られた後はものすごく大きな口であることを示している。しばらくはその人の状態も安定したとニュースに出ていたが、残念ながらその夜息を引き取ったらしい。その日のホノルアは波も最高で、レディースプロの大会が開催されることになっていた。本当に何が起こるか、わからないし、誰にでも起こる。ビギナーでも中級クラスでもプロでも怪我をするときはするし、事故もある。でもできるだけの努力とリサーチで避けられることは避けていくことが大事なんじゃないかな。

ちょっと長くなってしまったけれど、Ride for tomorrow明日もまた乗れるように乗る。無理をせず休むときは休む、なんとなく悪い予感や変な感覚があるときはその直感を信じてやめておく。乗りたい波でも他の人も乗ろうとしてたら譲ってぶつからないようにする。自分の方が優先だからといって無理をして近づいたりは決してしない。

危険を察知することも実力のうち、安全に長く海とか変わっていくためにしっかり学んでいきたい。数日前シャークアタックでホノルアベイで亡くなったサーファーの方とその家族と友人に心からお悔やみを申し上げます。

2020-12-03

12月2日 BIG Wednesday Peahi Day


(Peahi is ON! カイレニーのチューブ。もう何本乗ったか数え切れないくらいチューブに入っていた。)
何回かすでに小さめのが割れてはいたけれど、先日の水曜日はマウイにはありえないほどの風のない予報(だったけど結果的には吹いてきたけど笑)そして波も良い方角からのロングインターバルだったので期待は大。ペアヒを狙っているサーファー達は数日前からジェットの点検、ギアの準備、心の準備などをし始め。SNSもそろそろこんな波が来るという期待でみんなペアヒの波をアップしたりしていた。

このサイズだと私には乗れる場所はほとんどない。でもやはりドキドキして3時半頃から目が覚めて風やブイのチェックをしていたが、サウスや混んでる小さめの波でやるよりはすごい人たちのアクションを見に行こうと朝からペアヒに向かった。

途中、ビッグウエイバーのタカさんから私が狙うアウターリーフが思ったより大きくなってないという連絡が来た。

「せいぜい4〜6ftくらいです」Taka

「またまたー、たかさんの4〜6ftは信用ならないから、絶対今日は私には大きすぎるからやめときます」と返事はしたものの確かにハーバーも小さいらしく、あまりタウン側はサイズがないのかもしれないとちょっと気になったが、後でたかさんから「最高だった、セットで10ftくらいの来てた。久々にストークした!」とメッセージが入ってたので、あー行かなくてよかったー!と変な安心。だってたかさんが喜ぶようなサイズだったら私は逃げ回ってるだけだから。

(サーファーよりボートの方が多いんじゃないかと思うくらいの数!)

そんなわけで朝からペアヒへ見学に。ペアヒの近所に引っ越したアートの家に車を置かせてもらう一緒にシャトルに乗ってクリフサイドまで。もうペアヒに行くダートロードは運転しないほうがいい、たくさんの車がスタックしていたし、もちろんローカルの4WDのトラックなどはたくさんきてたけど、私の運転スキルでスタックさせてみんなに迷惑かけるよりはペアヒに住んでるローカルにお金落としてジーブに乗って行ったほうがずっと気楽だし、往復20ドルなんて一日中見ていられる世界一のショーのチケットだと思えば安いものだ。

すでにメインの崖っぷちも私がいつも陣取る木陰の場所も取られていて混んでいたので、(メインのところは観光客やサーフィンしないけど面白半分で来る人も多く、音楽流したり、大声で関係ないこと話したり、お祭り気分なのはいいけどちょっと私の気分とは違うのでしらけることが多い)アートを連れてさらに奥の方へ。波がウエストでチューブを巻きやすい時にはこっちの方がよく全体が見えていいんだよと行ってた部をかき分けて行くと、そこにはすでに二人のカメラマンが。

さすが、わかってらっしゃると思ったら、ペアヒを一番最初から撮影し続けている、エリックエイダー、そして昔からの仲間のエリオットだった。まあ二人だったら邪魔しなければいいかなとそこにいさせてもらう。二人は暗いうちから来て、茂っていた草むらを刈り取り、伸びてた枝や写真の邪魔になるものを切り、鋸や釜まで持って来てそこにスペースを作っていた。草が茂っていてよく見えないけどそのすぐ先は崖で草の合間から海が透けて見えるので要注意。

朝一番は何人かがトウインしていたけど私たちが陣取った頃からパドルサーファーが増えてトウインは遠慮していなくなった。パドルサーファーは約30名ほど、かなりいる。そしてセットが入るとかなり大きい。それにウエストよりのうねりなのでショルダーから乗るにはめちゃくちゃスティープナドロップを決めてすぐチューブというとっても難しそうな波。


そんな中ダントツに数を乗っていたのはカイレニー。そしてすごい波を決めていたのはカイレニーとビリーケンパー、だいたいセットの一番いい波と次の波は彼らが前後して乗っていた。

乗っていたサーファーをチェックしメモしておいたけれど。誰だかはっきりしない人を入れても約10人くらいしか乗っていなくて後の人は一本も乗れずに終わったと思う。30名の世界のトップが巻かれたら一巻の終わりというシリアスな波で競り合うのだから本当に自信とスキルがないとなかなか乗れないのだろう。

はっきり言ってカイレニーショーに何人かのスペシャルゲストが登場って感じだった。

他に目立ったのはスタンドアップで乗っていたゼインシュワイツアーあの板を発って漕ぎながら大きなセットを乗り越えて言ったり、めちゃくちゃスティーブなドロップを決め、膝を曲げまくりながらドライブターンを決めてチューブに入っていこうとするガッツはすごかった。

彼はその後風が上がってきたときにほんのちょっとウイングフォイルもトライしてた。私なんてそれがどれだけ難しいかよくわかるからもう怖くてまともに見てられなかった。

(オアフのイーライ・オルソン)

オアフからわざわざきていたネイサンフローレンス、イーライ・オルソンもいいライディングを見せていた。若手で はここ数年マウイに住んでビッグウエイブを追求しているアダム・アミンとラモン・ロードも頑張って乗っていた。

そして去年のペアヒの大会でひどいワイプアウトをし脳震盪を起こして以来ずっと調子が悪く、脳の検査続きで、無理ができなかったアルビー・レイヤーも復活。まだまだ彼としては50%くらいだったと思うけど、それでも彼独特のインサイドポジションからのチューブメイクは遠くから見ていてもすぐにアルビーだとわかるスタイル健在。何よりずっと辛い時期を送っていた彼がペアヒに戻ってこれたのが本当に嬉しい。

前半チャージしていたのはイギリスのヘルマン、トム・ロウ、グーフィーフッターの彼はバックサイドでガンガンドロップしていた。そしてペアヒではじょうれん、ハワイ島のトーレイメイすたも何本がいいのを乗りチューブもメイク。

イアンウオルシュももちろんいいのを乗っていた。

そのうち風が少し上がってくると、もともと難しいテイクオフがさらにほとんど不可能な状態に。そしてお昼前にはウインドサーファーやカイトサーファーも登場し始めた。

午後はパドルサーファーが引き上げ、(あるいは道具を変え)ウインド、カイト、そしてトウインセッション、人数が多いわけではないけれど、風が弱く、同じ並みにみんなが乗ろうと狙うので本当に難しそうだった。

そんな中で目立ったのはやはりここでもカイレニー、ウイングフォイルで出てくるのを待っていたけど、結局風が弱すぎると判断したのだろう、トウインで出てきて弟のリッジやその彼女アニーを引っ張ったり、みんなの乗る波にさらに奥から乗ってきてゴープロの棒を手にフォローキャム。本当に余裕ありまくりでリラックス、ファンウエイブのように乗っていた。

ウインドサーフィンではペアヒでそして多分どこででも世界で一番うまいと思う、マリシオブラウンが風もないのに上手にいいところにポジショニングし、すごいエアリアルを決めていた。

ウインド界のヘルマン、ジェイソンポラコウも健在、風が弱いけどウインドのトウインのやり方をマスターしたと言っていた通り、ジェットで引っ張ってもらって波に乗ってからは波のパワーでリッピング。カイレニーやマリシオと一緒に一本の波に乗りクリスクロスしながらメイクしたりしていた。(見てるだけでもドキドキする)

そしてカイトサーフィンのジェシー、この弱い風はカイトにはかなり厳しいけれど彼は世界一のスキルとガッツでかなり攻めたライディングをし、チューブに入ろうと果敢にトライしていた。カイトサーファーならこれだけ風が弱く波に合わせて乗ったり、巻かれないようにプルアウトするタイミングを計るのがどれだけテクニカルかわかるはず。本当に感動するパフォーマンスだった。そしてもう一人のカイトはオリビア。彼女も勇敢なことではもう有名で、随分前からペアヒにボーイフレンドのパトリと一緒に来ている。でもこのコンディションの中でちゃんと落ち着いていろんな判断をしながらトップのウインドサーファーやトウインサーファーの中で波を勝ち取り、いいライディングをしたのは素晴らしいと思う。ますます尊敬した。

(20歳か21歳のスカイラー、すごい波乗っていたねと言ったら、トウインはパドルと違って楽だから、まだまだパドルでは全然ダメだった、とめちゃくちゃ謙虚)


トウインはやはりスピードも違うし、沖から乗りつないでこれるので他のものよりは楽なのだろう。早朝にはスカイラーがいい波に乗っていたし、午後にはアニーとアンドレアも大きなセットを掴んで乗っていた。そして若手のジェイクとザックのSchettewi兄弟もウインドとトウインで波に乗っていた。

(ローティーンの末恐ろしいBAbyことスティーブロバーソン)ズームで見ると嬉しそうに顔が笑っている。)

そしてトウインでは何と言ってもロバーソンブラザースの末っ子、ベイビーというあだ名のスティーブロバーソンがすごかった。彼は2年前にお誕生日プレゼントに当院でピアヒで乗ることをねだり、たまたまその場にいた私は彼が乗った初めての波を見ることができた。当時彼は多分9歳か10歳、そして去年の誕生日には初めてパドルでペアヒに挑戦。チャージして撒かれ、2wave hold downを経験した時は本人以上に周りの大人が寒気はしたはずだ。彼は7歳くらいの時に既にホノルアで大きなチューブに乗った動画がインターネットで話題になり、小さい頃から大きな波をチャージする天性のものを持っていた。今年の夏も久しぶりにブレイクしたマーラエアのチューブ(彼が乗るとダブルオーバーヘッドに見える)で超特急のようなスピードライディングを見せていたし、今回のピアヒでもさすがにパドルでは乗っていなかったと思うけれど、トウインではかなりの本数乗っていたし、そのいくつかは大人にとっても巨大サイズのチューブだった。

そして全く腰が引けてない。もっともっとでかいの行きたいという感じだ。これからが本当に楽しみ。そしてここ数年でペアヒでのステータスを勝ち取った17歳のタイ・シンプソン・カネもトウインでは素晴らしい波に乗っていた。


(この子も多分子供)
他にも何人か小柄なキッズっぽい子が乗っていた。カイ、コナー、ゼイン達が子供の頃から切磋琢磨して伸びていったように、今10代前半のキッズの中には本当にたくさんの可能性を持った子達がいるのでこれからその世代がどんどんペアヒに出てくるようになるんだろうな。

この日の翌日はほんの少しサイズダウンし、予想通り、たくさんの若手やキッズが出てきたそうだ。レディースもペイジ、スカイラー、イジー、アニーなど無理をせず、自分の乗りたいコンディションをしっかり選んでチャージしていたようだ。

まだまだこれからどんどんペアヒサイズの波が来そうな予感。今年はいい波づくしの冬になるのかもしれない。何より怪我のない冬にしたい、誰も怪我せず、自分も怪我せず、体のコンディションを整えながら、海と向き合いたいとすごい人たちのパフォーマンスで大いに刺激を受けて、早く次の日になって自分も海に出たいと夜は興奮気味で眠れなかった。

人間は自然には決して勝てない、でもこのものすごいパワーを持つ自然に向き合い、どれだけの力が出せるか、ペアヒで乗る人達を見ると、人間のすごさも実感する。

Mahalo ke akua.