2014-07-02

7月2日 ビッグウエイブツアーの幕開け

南半球に大きなうねりが押し寄せている。マウイからもメキシコやらチリやらペルーに皆ビッグウエイブのプロサーファー達が向かっている。
それにしても半年前から計画を立てても行くのが大変なところに、やると決定してから2,3日のうちに普通のルールではのせてもらえないサイズの(10ft以上のガンボード)そして重量もパッキング抜きでも私が持てないくらいの重さがあるボードを数本持って行く彼らの旅はハードだ。そして寝不足や自差も関係なく、巨大なうねりに巻かれ、冷たい海の中何時間もサーフする。でもそれが好きで追い求めているんだから、わからない人には変な人たちに思えるだろう。
私は自分がそれを出来るわけでもな行けれど、彼らの気持ちはよくわかるし、彼らのような人に惹かれる。

自分はビッグウエイブ乗れないけど、でも自分なりに小波をテクニカルに攻めるより、自分のレベルないで、「やばいちょっと大きいな」と思う波にただテイクオフできただけでもその方が嬉しい。
だからあんな想像もつかないようなサイズの海に出て行くだけでもほんとにどんな世界が見えるのだろうと、憧れ、尊敬し、フォローする。

ビッグウエイブサーファー達はだいたいにおいて金銭面でサポートされていない人が多い、ここ数年ビラボンのXXLアワードなどで注目を浴びるようになり、やっとビッグウエイブだけでも食べて行ける人がでてきたが、ビッグウエイブの中でも生活が出来ている人はもともとツアーをまわって板とか、小波やビデオとかでも活躍していた人だろう。
でもアンダーグラウンドでビッグウエイブが好きで好きで仕事をしながらそういう日のために一生懸命自分を鍛えながら大波に向かっている人も多く、ビッグウエイブスポットにはどこでもそんなローカルが数人いる。

今年からASP ビッグウエイブワールドツアーが行われる事になった。それがいい事なのか私にはわからないが、今まで世界中のビッグウエイブを乗りに行きたいと思っていてもスポンサーもなく、仕事もあるから行けずにいたアンダーグラウンドチャージャー達がスポットライトを浴びるチャンスも増えるだろうし、ビッグウエイブのプロとしてやって行きたいと思っている人にもスポンサーがつきやすくなるかもしれない。
まだまだいろんな問題があるかもしれないけど、見ているところ、選手同士の仲も良く、助け合っていて、それぞれがこのムーブメントを大事にしていいものにして行こうと頑張っているようにも見える。

例えば現役で十分優勝できる実力を持つマーヴェリックスベテランのピーター・メルはツアーのオーガナイズ側の役員としてルールなどを決める立場になったので選手もやっていてはフェアでないといけない、と自ら選手であるをあきらめてこのツアーを成功するために頑張っている。(日本の政治家の皆さんにも見習ってほしい)大会中もみんな命がかかっているのでお互いをしっかり見守ってるし、終わったあとも勝った負けたというよりその場で大きな波を一緒にシェアでき、ストークしている印象の方が強い。ライブで見ていても愛を感じるし、感動させられる。
どんなムーブメントでも最初は皆純粋な気持ちからスタートする、だからどんなスポーツもパイオニア時代はみんな仲が良く、助け合って、どこかであっても知り合う事を喜びあえる。そんな雰囲気がビッグウエイブツアーには感じられる。日本からもそのうちそのツアーをまわれる選手が出てくるといいなあ。そしてそんな選手を心から応援してくれる熱いスポンサーが出てくればいいなあ。

ちなみに今日の大会は巨大な波、寒そうな海、ダブルアップする難しそうな波だったがローカルチャージャーも活躍、19歳の選手が印象に残ってるし、このスポットで一番乗ってるというローカルレジェンドが決勝に進出、去年のランキング一位のグランドベイカーは大きな波のスープにやられ、時間をロスし、セミファイナルでは足首を折ってしまったようだ。
(マクアロスマンのウイニングライド)
マクアロスマンはワイルドカードで出場、終始落ち着いたライディングを見せ、決勝では最後に、ダブルアップする波に男らしいドロップを決め、文句無しの優勝を飾った。

夏の間(南半球では冬だけど)にチリのプンタデロボスと南アフリカのダンジェンズで大会が行われる予定。
そして冬にはジョーズでも行われる事になってる。もちろん選ばれたもののみの大会なんだけど一日でも本当にいいジョーズで乗りたいとまっている人たちが乗れずに大会をやる事はいいんだろうか?そして大会だからと普段よりプッシュしたり無理したりしがちではないだろうか?それでもいいのか?そこのところは私には何ともいえない。もちろんあれだけの事をやってる選手達だからその覚悟はあって波に乗ってると思うけど。

去年のツアーウイナーのトウイギーがインタビューでこんな事を言っていた。


「レディースクラスを作るべきか?難しいところだね、ネスコットではレディースも素晴らしいライディングを見せたよ。そうはいっても性別や大会に関係なく誰でも海における自分個人のリミットという物をしっかり理解していなくてはだめだよね。
僕らサーファーは皆一人一人時に応じて、どんな波に乗るにはどんなスキルが必要か理解していなくてはならない。
僕自身に関しては大きな波のパイプやチョープーは自分のキャパを越えていると思っている。だからそういう時はラインナップに出てそういう波をしっかりつかんで乗れる人の邪魔にならないよう、出ないようにしている。
誰も他の人に、お前には無理だという権利はないし,言うべきではないと思うが、皆ちゃんと考え、回りに迷惑をかけず、自分が乗る波について賢い選択をすべきだと思うよ」

彼の言ってる事は大きな波に限らず小さな波でも一緒、自分にとって大きい、怖い波であれば自分にはビッグウエイブ。そんなとき自分が乗れるのか、乗りたいと思ってる人や乗れる人の邪魔にならないかなどしっかり考えてその波に乗るかどうか選択しなくてはならない、大事な事だと思う。

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