2014-07-21

7月21日 微風コンディション

ストームは過ぎ去り、朝目覚めるとノーウインド、昨日のうねりが少しは残っているのではとワイエフに言ってみると予想通り波がある。ノーウインド。エピックコンディションとは言えないがサーファーは二人でているだけなので波はとり放題、ただ雨で濁った水が気になる。ワイエフやこの隣のパカカロもサメは結構でるのだ。
パドルアウトしてしばらくすると視界のはじっこに黒いフィンみたいなものがささーっと見えた気がした。そしてまた再び、
ヤバいなあ、でも気のせいかもしれないし、とそのままピークに戻って行くと、こんどは魚が海面で死にかけた状態でぱちゃぱちゃやっている。なんかイヤーな予感がしてきて乗りたい気持ちもあったけど安全第一と最後に一本インサイド乗り繋いで上がってきた。
ちょうど出て行こうとしているショートボーダーの人に『気のせいかもしれないし、あなたは気にしないかもしれないけどサメを見た気がするから上がってきた』と言ったら、『きっとそうだろうね』と当たり前ニいるさ、と言った感じ。『見たのはあっち?そうか、僕はこっちのポイントに行くから』と100mくらい離れたところを指差した。あまり変わらないとは思うけど笑
なんだか不完全燃焼だったけどまあ、安全第一。
午後トモから連絡があり、ドーナッツ屋さんでミーティング、その後永松くんが練習に行くというので私もトモに頼み込んで漕ぎ方チェックをしてもらう事に。(トモ、ありがとう!)
ハーバーにつくと、ちょうど練習を終えたところのデイブカラマに遭遇。トモは『あーでイブさんだー(凄い、こんな無風の中一人で練習してたんだ、という簡単とほんのちょっとの罪悪感を含んだ声で)」
風のない中マリコランをやってきたらしい、新しいボードと今までのものとを比べてみたらしいが、こっちの方が早いけどしっかり乗らないとバランスが悪いらしい。30年近く前渡しとでイブは多分同じ年にマウイに始めてやってきた。そのころから基本的にデイブのスポーツに対するアプローチは変わっていない。好きで好きで仕方が無いという事と誰よりも練習するという事。
『モロカイは風さえ吹いてくれれば対等に競り合えると思うんだけれどね』と言いながらも、この風のない中必死で漕いでいたのは、顔がゆでだこみたいに真っ赤になっていて、血管が浮き出ている事からもよくわかる。
「僕より才能のあるやつなんていくらでもいる。年齢や体力でも勝てないやつはたくさんいるけど、ココだけは(と頭を指差す)ココでの戦いだけは負けられないよ。
レースやってればそりゃあ辛い時や苦しい時はある。レース中でもシーズンを通してでも。誰でもスランプや辛い時期を経験しないやつはいない。そんなときここ(頭、精神力)の勝負になるし、最終的にはそこが鍵だ。」
50歳になってもカイやコナーと勝負を争い、決していいわけをせず、努力を欠かさないカラマの影の努力を実際まのあたりにすると心の中にじわーっと感動があふれてきた。それは多分私だけでなく、一緒にいたトモや永松くんも同じ。
最近なかなか優勝がないカラマ、もう一回だけでもモロカイレースで優勝させてあげたいなあ。そしたらあとなこれからずっとカイやコナーが優勝してもいいから、カラマにもう一度だけ優勝してほしい、と思うので私のひいき目だろうか。もちろんデイブだけでなく、モロカイレースにでる選手はどの選手もそれぞれのストーリーとドラマがある。今までの努力のすべてを今週末のレースに出し切れる事を心から祈っている。トモも、永松くんも、コースケくんも、津村サンも!結局は一対一ではなく、自分対海、自分との戦いだと思う。どんなタイムでも笑顔でフィニッシュできたらそれで充分。個人的にはあの海でレースをする選手として参加できる事だけでもものすごい人生経験だと思うから。

トモに漕ぎ方見てもらい、無理する事なく出来る課題も見つかった。途中からザーザー降りになった雨の中ゆっくりじっくりほんの短い期間だけど漕いで楽しかった。
あーなんかいいものもらって帰ってこれた。

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