2013-06-22

6月22日 アディオスバハ!また来ます。




お昼頃飛行機が迎えにくるのでそれまで海に入ろうと朝からみんなサーフィン、風が吹き始めるとウインドをはじめた。多分ソロスポーツがビジネスをはじめてからみてもグループメンバーがウインドする時間の平均をとったらこのグループはトップ3に入るのではないだろうか?とにかくみんな熱心。

セスナで国境のティワナまで飛び、そこでメキシコの警察や政府の腐敗(なんとかいろいろお金をせびろうとする体制)を経験し、せっかくすべてが両親と優しさと愛に満ちた旅だったのに、ちょっとがっかりさせられたが、パイロット達が自分のことでもないのに本当に一生懸命私たちのために「もうすでにお金は払ったのだ」と主張してくれたことに感謝したい(頑張りすぎてメキシコ政府側の人がいらついて、じゃあお前達ここが気に入らないならエンシニータまで飛行機でみんなで戻ってそこでやり取りすればいいだろう、ともうちょっとで追い返されそうにはなったけど)
サンディエゴの到着が遅れ、疲れきったものの、勤務先へのお土産などを買いに街にちょっと出て、その後宿の一室にデリバリーを注文して最後の晩餐。みんなでクラークのとってくれたライディングショットのスライドショーを見ていたのだが、みんな疲れすぎていて最後まで見れないほどだった。それにクラークは何千枚も撮ってくれていたから。
さて今回の旅はただいい仲間が集まり最高に楽しかっただけではなく、私たちにとってちょっと特別な意味があった。

一年半ほど前、サクラキャンプの仲間であり、ウインド熱心でみんなと仲が良かった佳代ちゃんが若くして,そして小学校に上がったばかりの真優と大学生のころから一緒にウインド仲間だったご主人のショーグンを残して他界してしまった。サクラキャンプの仲間達はみんなその後ショーグンが元気だろうか、真優は寂しがってないだろうかと心の中では心配していたけど、連絡もあまりするのは気が引けてるうちに時が過ぎていた。ダメ元で「一緒にどう?」と私が声をかけたのだったか、ショーグンの方から「行きたいなあ」と言う気持ちを伝えてくれたのが先だったかは忘れてしまったが、ずいぶんあとになってから「やっぱり行きたいと思う」と問い合わせがあったときは本当に嬉しかった。それからいろいろ工面して確実に二人が参加することが決まったのはかなりギリギリになってから。でもきっと佳代ちゃんも行きたいと思っていた場所の一つだろうし、今回は佳代ちゃんと仲の良かったサクラキャンプ仲間,笑いと涙をたくさん共有したメンバーが何人も来るのでそういう意味でも佳代ちゃんのスピリットをつれてショーグンと真優が来てくれるのは嬉しかった。
わざわざ佳代ちゃんの名前を出すことはそれほどなかったけど、彼女の存在を感じる瞬間は本当にたくさんあって、きれいな夕日やいい波に乗れた時、かよちゃんがのりうつったような真優のリアクションや表情など佳代ちゃんが一緒に参加してくれてる感覚がいつもあった。そして口には出さないけど、ショーグンがいつも彼女のことを考えてる気がした。そういうときに見せるクシャッとした苦笑いみたいな顔でそれがわかるようになった。
最終日みんながもうこれ以上乗れないと言うまで乗り倒したあと海の前で記念写真を撮っていた。サクラキャンプの仲間(ショーグンは男だけどいつもマウイや御前崎のサクラキャンプにかよちゃんと一緒に来てはじっこのほうで聞き耳たててアドバイスを聞いていたりしていたのでサクラキャンプのメンバーとしてすでに定着している)がまた一緒に海で過ごせた記念写真。「友子さんも入ってー』との声でいそいそと行くとショーグンが、「ちょと待って、佳代も!』とテントの中から佳代ちゃんの写真を出してきた。

佳代ちゃん、ショーグンほんとに頑張ってるよ、すごい立派なお父さんだよ、しっかり佳代ちゃんのぶんまでまひろのこと育ててるよ、と天に向かって叫びたい気持ちだった。
 今回私はいつもほど長い時間海に入れなかったのでまひろを過ごす時間もたくさんあった。
まひろからはいろんなことを学んだけれど一つ大きな大きな教えをもらった。
私の腰の痛みや海に思うように入れないことなんてまひろの歳でお母さんがいなくなってしまうことの心の痛みや寂しさに比べたら、食べたかった飴を地面に落としてしまった程度の無念さだ。でも彼は決してお母さんがいない寂しさを口にしない。心をブロックしていないと止めどなくその悲しみがあふれてきてしまうのかも、というのは私の勝手な予想だけれど、ちゃんと子供でもその辺りは環境に適応できるよう自分でコントロールしていける能力が人間にはあるのかもしれない。
だからあまりママを思い出させるようなことや話、湿っぽいことは嫌がる。歳の割に本当に自分で何でもするし、独立心旺盛で物怖じしないことにびっくりしたけど、大人でも越えるのが困難なほどの辛さを経験した彼だからなのかもしれないな。辛いことを口にしたら言葉が力を持ってさらに辛くなってしまう。どんなことでもポジティブに受け止めて前向きに進まなくては行けないし、そういう選択はだれにでもできることなのだ。
まひろとの時間は大人が子供の面倒を見ると言うより、一対一、二人の対等な友達としての時間だった。
佳代ちゃんの頑張り屋さんのところと何でも笑いにしてしまうポジティブなところを真優はしっかり受け継いでいる。8歳のまひろにこんなことを教えてもらうようでは私も情けない、今一度ポジティブに受け止めながらしっかり腰を治してまひろが大きくなった時にもまだまだ海で負けないように頑張れるようにしよう、と思う。

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