みなさま、お久しぶりです、支援を続け、思いを寄せてくださり本当にありがとうございます。みなさんがすでに8ヶ月くらいたった今もラハイナのことを心配し、祈ってくださっていること、関心を持ってくださっていることが、わたしたちのはげみになっております。ここ一ヶ月ほどいろいろバタバタしていてなかなかラハイナの状況アップデートできずにいて申し訳ありませんでした。
その間にもいろんなことが起こってはいて全てをカバーしようとするとまとまりがなくなってしまいますのでできるだけ簡潔に、そして今後はまめにちょこちょこ気がついたことなどを書いていこうと思っております。
いろんな面で復興が進みながらもなかなか解決しきれないような問題もたくさん残っておりますが、ラハイナの住民たちはここの復興が住民主体で行われるかどうかは将来のハワイ全体の見本なることを意識し、全力で頑張っています。政府が住民の思いを無視したようなことを決めても住民からの証言や署名がたくさん集まりその決定が覆されることもしょっちゅうです。
何度もレポートでも書いていますが、住宅問題はいちばんの課題であり続けています。ホテルで、いつまでそこに滞在できるのかわからない不安や、落ち着かないストレスを感じながらあちこち移動させられるのはもう嫌だと自分でお金を払ってでも落ち着いて長期で住めるところを探す人も多く、少しずつではありますが、FEMA から支援を受けずに個人的に見つけたところに引っ越す家族も多いし、いろんなルールや手続きが大変で結果FEMA や赤十字の支援から外されることになる人も出てきたりしていました。
しかし支援が受けられない状態になった人でもその後Council of Native Hawaiian Advancement やMeo’sTANIF、Kakoo Haleakala に相談に行ったところ、親身になって相談に乗ってくれ、最終的に家が見つかったという家族も多いようです。FEMAで受け付けてもらえなかった家族や、FEMAでサポートしてもらいきれなかった部分の相談に乗ってくれるようで、とてもいい流れだと私は思っていますが、何よりこういった団体のインフォメーションや支援のための手続きなどを調べるだけでも被災者の方々は大変だろうなあと思ってしまいます。
また半年経ってやっとか、と言いたくはなりますが、最初政府があまり乗り気でなかった仮設住宅、タイニーハウスビレッジのようなものの建設も進み始めたように見えます。日本のユニクロの柳井社長も自社が所有しているゴルフコースだった土地の中に仮設住宅を50軒建てることに着工しました。そこにはゴルフコースの従業員の被災者が住むことになり、家具や電化製品なども備え付けられる予定。カフルイでもキングズ教会が中心となって建てられてきたタイニーハウスビレッジがここにきてかなり進んでいるように見えます。ほんとに家が必要な個人にタイニーハウスを作って寄付しているHui Homes も第2フェーズに入り、当初より大きいサイズのファミリーハウスを作ることを始めたり、オロワルの古いコンテナーをたくさん手に入れてそれを改造して住める状態にして寄付する活動をしている団体もいます。
自分の住むところが落ち着かないのは何よりストレスだと思います。そして家があっても火事の前から家賃、不動産の高騰は問題になっていましたが、今や、現実的でないような高騰ぶりで、被災していない住民にもその皺寄せはきています。条例では禁止されているものの、家を貸しているオーナーは被災者のために貸し出すと国から通常よりずっと高い金額をもらえることが多く、そのために借りている人の契約を打ち切ることも多かったり、一般的な一軒家は一月9000−10000ドルの家賃を支払われているようなところもあるようです。政府の支援があってこそ借りれるかもしれませんが、支援がなくなっても家賃が下がることがない場合は大問題です。
物価も家賃と同じようにどんどん上がっていて、止まることを知らないかのようです。円安もあって日本人観光客はコロナ収束後もあまり戻ってきた感じがありません。毎年来ていたリピーターさんたちも物価の高さ、宿の高さ、レンタカーの高さにハードルが高くなってしまったと口々に言っていますが、本当にその通りで、住民にとっても大きな不安要素です。今後どれだけ住宅問題が減っていくかがとりあえずはラハイナ復興のファーストステージだと思います。次に来るのが家や建物を新たに建てるフェーズ、これについては敷地内を更地にする動きは進んでいます。ただまだ水道や電気など回復だけでもかなり時間はかかりそうです。
ラハイナの住民たちが中心となり、住民の意見が反映される復興をということで本当に頑張って動いてくれています。ここ最近では短期のバケーションレンタルを少しずつフェードアウトしていく動きの条例や地域のゾーニングの決定など大事な議題がいくつかあり、その議題が却下されないよう住民の協力を求め、多くの人に証言や懇願書を送るよう声がかかっています。ラハイナの人たちはこの復興がこの先のハワイの行く末にも大きく関わっているという意識を持ち、ここで住民の思うような復興ができればそれがいい前例となり、他のハワイの各地でもムーブメントが起こるだろうし、反対にここで大資本や開発業者の思い通りになり、昔から住んでいた人たちが住めない場所になってしまったら他の場所もそれに続いていくだろうという危機感を持ち、本当に頑張って動いているように私には見えます。若いリーダーたちも生まれ、めんどくさい問題一つ一つに関わり、発言やアピールを繰り返してくれているのも頼もしいです。お金がなくて土地を売らなくてはならない人がラハイナに残れるように。また開発業者の手に渡って大きなリゾートが立ってしまわないようにとランドトラスト(そういう土地を買取、保全に努める)の団体も生まれました。本当に色々大変な作業ではありますが、やらなければラハイナが失われてしまう。自分のクリアナ(生まれてきた使命)はこれだからと頑張っている若者たちに拍手を送りたい思いです。
先日はビッグアイランドからわざわざ集めた寄付を届けにきてくださった方もありました。彼女は寄付を集めただけでなく、ファンドレイザーの際にリターンで自分の得意とするリーディングやヒーリングを提供、それに応えた多くの人のために、今ヒーリングセッションなど大忙しのようです。私たちが度肝を抜かれるくらいの金額を集めてくださいました。ほんとうにありがとうございました。彼女からもぜひ動物支援も!とリクエストがありました。火事のあと、ペットがいるから借りられる家が見つからない方も多く、HARF (ハワイアニマルレスキュー)ではペットにエモーショナルサポートの資格を付与する手続きを手伝ったり、ペット付きで借りられる家を探してくれる支援も始めているようです。またラハイナの被災者には無料でペットのデイケアをしてくれる団体もあります。そういうふうに困っている人に必要な支援をする新しい団体やサービスも流れに合わせて生まれてきています。ラハイナのお店やモールも続々と再スタートしているし、まだまだですが前進しているのを感じます。
まだまだいろんなところでラハイナのことを聞かれます。気にかけてくださってる方々の思いもお金と同様大きな支えになってます。いろんなことが起こっているのになかなか細かくアップできてませんが、これからもできるだけまめにアップしていこうと思います。
ところで私は数日前から日本にいるのですが、帰ってきて数日鎌倉の実家におりました。すぐ近くにある鎌倉の小さな本屋さん「海と本」では、「Dear Maui」のブックフェアをしてくださっています。「海と本」は、江ノ電長谷駅から数分、長谷観音の入り口にあるビルの3階にある小さな本屋さんですが、とっても素敵なセレクトされた本が並んでいるお店です。マウイブックフェアは、3月24日から4月14日までしてくださるそうで、なんと初日の24日は巨匠佐藤秀明さんがいらっしゃるそうです。4月14日に海と本に在廊します。14日お暇な方は鎌倉にいらして春の海や新緑の綺麗なお寺散歩を楽しみながらぜひ海と本に遊びにいらしてください。インフォメーションはこちらです。https://umi-to-hon.jp
ラハイナの話などなんでも聞いていただければお話ししたいと思っております。
また東京でも代々木上原の「CITY LIGHT BOOK」で4/19-24でブックフェアがあります。そちらでも写真や文章のコントリビューターの座談会などを企画しているようなので、興味がある方はぜひ https://littlegiftbooks.com/ をチェックしてみてください。
画像1: ラハイナの以前の姿 (C) Hideaki Sato
画像2: 火事の後のラハイナ
画像3: 再開したラハイナのショッピングセンター、Lahaina Cannery
画像4,5: Dear Maui と、Dear Maui から、ラハイナ浄土院の灯籠流し By 岩根愛
画像6: 鎌倉の小さな本屋さん「海と本」
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