マウイの山火事から今日でちょうど一年です。あの日は40年近くこの風の島に住んでいる私ですらあまり経験した覚えがないほどの強い風が吹いていました。ラハイナ側は普段それほど風が強いわけではないのですが、その日は普段強い北側以上に強いそして異様な風の状態で海の上に竜巻が見えたりすることさえあったようです。
そんな中でのブラッシュファイアー。夏には結構あちこちでブラッシュファイヤーがあるので、それほど気にしていなかったのですが、翌朝起きたら、ホラー映画のような状況になっており、マウイ中がパニック状態になっていました。
あれから一年。早いようで、いろんな出来事を思い出すと、どれだけこの一年にいろんな変化があったか、延々と続く復興への努力と被災者の方たちの苦難の大きさにあらためてなんとも言葉にできない思いが溢れてきます。
この数日マウイ全体でいろんな記念イベント、弔いの儀式などが開催されています。被災した方も、被災しなかったけれど影響を受けた住民たちも、そして遠くから支援や祈りを送ってくださった方々も、みんなそれぞれが自分の思いを振り返る日になると思います。
火事の一ヶ月後にマウイでも大きなパドルアウトがありました。あの時はまだ被災していた人たちは自分たちのことで精一杯でパドルアウトどころじゃなかったという人も大勢でした。でも被災していなかった私たちもなんとなく、あの時はみんなで一つになるようなことが必要だったように思います。あの時に感じたエネルギーは忘れ難いし、これだけの人の想いが一つになればマウイはきっと大丈夫と思えたことも思い出します。
一年たった今日のパドルアウトはどんなものになるのか、大勢の人がアロハの気持ちと亡くなられた方への祈りを捧げる素晴らしいものになることを祈ります。と同時に被災者の人がメディアや外部の人たちに振り回されずに思い通りのGrieving ができますように、皆さん違う場所に住むようになり、近所付き合いも途絶えていた人たちとも再会し、集まって一緒に抱き合える時間になりますようにと祈っています。
私は今回はパドルアウトには参加せず自分なりに海で祈ろうと思っています。なぜなのかわからないけれど、それが今の自分にあってるような気がしたからです。十一ヶ月前には私の内側にも支えが必要でした。必死に役に立とうと動いてるけどそれが本当にこれでいいのかと自分を問い直すこともありました。そんな中で多くの人が同じような思いでマウイのことを思ってることを共有できたパドルアウトはとてもありがたかったし、多くの人のアロハが一つになるとどれだけのパワーになるか実感できました。
今は一人でもみんなとでもいろんなことができることがわかるし、いくらやっても十分ということはないけど、やらないよりはいいこともよくわかるし、まだまだこれからラハイナや被災者の方が完全に復活するまでには長い長いプロセスがあることも理解し、その中で自分が関われることにはできるだけ関わっていこうという気持ちもあります。そんな気持ちを一人で落ち着いて再確認しながら海で祈ろうと思います。
今回のラハイナへの支援、応援はゴーファンドミーの寄付とそれを通しての支援の中心メンバーは4人、それにオンラインや投稿のサポートなどで2人加わっていますが、それ以外に本当にたくさんの人がいろんな形で支援を続けてくれています。
何人かの人だけ紹介するのは他にも支援してくれた人がいるのに特別扱いになってしまうかなと思ってはいたのですが、いくつかの例として、今後何かあった時、ああいうことやってた人もいたな、あれなら私もできるかな、と参考にしてただければ嬉しいなと思うのでいくつか紹介させていただきます。
火事の直後、あまりに情報が多すぎて被災者の方々がそれでなくても大変なのにいろんなことが整理しきれない、そんな状態の中いろんな情報の中から役に立ちそうなものを選び、日本語の訳までつけて発信してくださってた方がいます。マウイ在住(元は新聞記者という噂も聞きました)でガイド業などをやってらした方ですが、途中からはメーリングリストではなく、メンバー限定のフェイスブックページに切り替え、今でも本当に精力的に情報をアップしてくれています。
https://www.facebook.com/groups/1287658325278272
このゴーファンドミーページがクローズしてからも、是非ラハイナの状況を知りたいという方はこちらのページのメンバーとして参加をリクエストしてください。詳しいニュースを知ることができるでしょう。
自らのゴーファンドミーを立ち上げ、自分の周りの人たちに声がけしたり、お返しをつける形で寄付を募り、集まったお金を私たちに託してくれた方も数人います。個人であれだけのお金を集めるなんてすごいなあと思ったけれど、本人たちもとてもびっくりしていたようでした。それぞれが気になっている部分への支援などにできるだけよりそう形でその寄付は使わせていただきました。
自分の得意分野で動いてくださった方は本当にたくさんいます。料理教室、ライブ、ステッカーやTシャツデザイン、イベント(小さな仲間内でのイベントから街全体でのフェスまで)、お店で支援グッズを売ったり、支援コーナーを作ったりという方もたくさんいらっしゃいました。この一年ずっと通してやってくださり、ちょこちょこ何度も寄付を送ってくださった方も。
ある方は13年前の東北支援からずっと続けているくるみボタンのヘアゴムの販売。1つ500円なのにこの13年作り続け、いろんなところにもの寄付をしているのです。継続は力なり、塵も積もれば山となる、そんな中で今回はラハイナにもその売り上げを寄付してくださいました。きっとラハイナが落ち着いても彼女はどこか必要なところにくるみボタンを作り続けてサポートして行ってくれることでしょう。
本の編集をしていた方はこれまでのコネクションを使ってマウイ、ハワイに縁の深い方々に声をかけマウイ本を作ってくれました。Dear Maui というこの本は長い間マウイにいる私でも知らなかったような内容も含まれていたり本当にみなさんのマウイへの愛情が込められた素晴らしい本で、火事に関係なく、長くみなさんに読んでいただきたい本として出来上がりました。この本の売り上げは全て支援金として送られるそうで本当に素晴らしい支援の形があるなあと感動しました。他にもいろいろありますが、こういった素晴らしいアイデアは今後またどこかで支援が必要な時に私もいろいろ参考にさせてもらえるぞ、と思っております。
この一年間いろんなことを学ばせていただき、またたくさんのアロハと愛に満ちた経験をさせていただきました。私たちがみなさんから受け取ったポジティブなエネルギーをラハイナにしっかり送り届けると同時に、今後もラハイナだけでなく、いろんなところに広がるように生きていきたい。ハワイのいちばんの財産は根本に根付くアロハの精神、これを大事にしていこうと8月8日の今日、こころから思います。
この一年間皆さんからのご支援、本当にありがとうございます。
画像1: ラハイナのためのパドルアウト昨年の9月8日に行われたもの。今日8月8日も一年の区切りに開催された。
画像2:支援Tシャツはたくさんあったけれどどこよりも最初にラハイナユースのスポーツを支えるためのシャツがハイテックサーフショップで作られたその時のデザイン。毎日売り切れてるほど多くの人が買ってくれた。
画像3: 宮崎青島で開催された支援イベントの際に置かれた募金箱、募金した人がそれぞれ一枚一枚の葉っぱを貼っていく仕組み、燃えてしまったバニアントリーがまた再生するイメージで作られたそう。
画像4: このヘアゴムを作り続けて支援してくださってる方はすでに東北震災以来のお付き合い。
画像5: 火災の前のラハイナ。
画像6: 火災直後のラハイナ。
画像7,8,9: 子供たちが希望をくれました。
画像10: マウイ支援の思いが色とりどりに。
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