2024-11-22

ラハイナレポート#44 — スタッフのメッセージ (2024年9月21日)



マウイの火災から一年と一ヶ月、みなさんご無沙汰しています。お元気ですか?

「一年前の今日」という投稿がSNS に出てくると、当時ショック状態の中で起きたことや、いろんな人がいろんな形で必死に支援しようとしていた様子が思い出されます。こんなこともあった、ああ、あんなこともあったなあと薄れがちだった記憶が蘇ってくるので、忘れないようにそれらの写真をいつかまとめておこうと思います。本当にたくさんの人が世界中から何かできることはないかといろんな角度から動いていて、最悪の状況にありながら、ある意味物凄くポジティブなエネルギーにみなぎってる空気もありました。

被災者の方は今後の見通しもたたず、本当に大変だったと思います。最初の頃は避難所での暮らしで心身ともにすり減りながらの生活。その後も本当に見ているだけでも気が遠くなるほどの手続きやミーティングなどに追われ、続けられたこと自体、大変な苦労だったと想像します。一年がたち、外から見ると復興は進んでいるようにも見えます。実際バーンゾーンの個人の敷地からは全ての瓦礫撤去が終わり、すでに何軒もの家が建てられ始めています。その中にはコストをできるだけ抑えながら仕事が休みの日に自分たちの手で家を建てているような若いファミリーもいます。燃えてしまった家と全く同じものを建てるにはお金がかかりすぎたり、保険だけでは資金が足りないケースも多いようです。

火災直後、さまざまな団体で大きな額の寄付が集まりました。一方で大きな支援団体や政府などのへ寄付金は、被災者や本当に必要な手に直接届くだけではなく、運営や経費にもコストがかったり、不透明であったり、疑問に思う方も多いようです。実際に、あまりに多くの寄付が集まり、最終的には他の小さな非営利団体に寄付してるケースもありました。(それならば直接そちらに寄付が届いた方が良かったなあと思うこともしばしばありました)すごくいい活動をしてくれてる団体だからと言って、必ずしも優先的に支援のための寄付が届いてるというわけではないという印象もあります。

一年たって残っている団体、今でも本当に被災者を助けてくれている団体はやはり地元の元々住民の問題を支援してきた団体、そして火事の後に必要に迫られて生まれた団体が多い印象です。特に火事の後に出てきた様々な問題を解決するためにできた団体は、ハワイベースでない大きな団体だとハワイのやり方が理解できなかったり、臨機応変に対応することが難しい中で、支援対象からこぼれ落ちてしまったような、でも本当に困っている人たちのために熱意を持って動いていたり、今までのラハイナの良さを残せるような復興を目指して動いてくれているように思います。

それぞれの立場から賛成や反対の様々な意見もあるとは思いますが、何世代もラハイナで生活してきた家族の若者たちが中心になって作ったラハイナ・ストロングは若いエネルギーを大いに駆使して政府に懇願したり、ラハイナの現場の状況を多くの人に伝え、知ってもらおうとしたり、投票や証言が必要な時には声がけを行ったりと、いまだに活発に動いています。こういったラハイナを愛する若者たちがコミュニティーリーダーとして育ってきているのはとても心強いことです。

火事の直後から心配されていた問題は今でも復興の過程の大きな課題になっています。
1 住宅不足、家賃、不動産の高騰
2 開発業者や外からの不動産の買収
3 水の権利
4 貧困、ホームレス、ローカルの住民と観光ビジネスのバランス

どれも簡単に解決できる問題ではなく、火事以前から解決策が見つからず問題になっていたことばかりですが、この機会に真剣に考え直したり、より住民が関心を持って動くようになった気がします。そしてこれらの問題のために生まれた地元の団体は私が個人的に見てもすごく頑張っていたり、支援から外れてしまって困っている人たちにも目を向けて細かいケアを届けていると感謝したい団体が多いです。

これらの大きな問題以外にも、食事や食料の提供を今でも続けているところ、学校や子どもたちのサポート、(ラハイナから離れたところに一時的に住んでいてラハイナ地区の学校に通っている生徒たちも多くとても大変です)それから何よりメンタルヘルスのケアサポートはものすごく増えてきました。今までのストレスや不安、悲しみが一年たって体に影響を与えてきたのが目に見えてくるケースも多いようです。

このGoFundMeを通してみなさんからの思いや応援をたくさんいただき、それをできる限り直接本当に困っている人たち、特に他の支援でカバーできないような細かい部分や隙間を埋めるような支援ができるようにと私たちなりに考えて動いてきました。皆さんからのアドバイスやご提案もすごくありがたく、そのおかげで現場で何が必要とされているか、どんなことが起こっているか学び、動けたことも多かったように思います。

一年を区切りにこのGoFundMeのページはもう少ししたらクローズしますが、これっきりになるわけではなく、これからも何かできることがあれば動いていこうと思っていますし、必要であればみなさんにもお声がけさせてもらういただくかもしれません。基本的には個人レベルで見守り、できることがあればどんどん動こう、そんな形にシフトしていくと思います。

この1年間私たちが多くの人に必要な支援や心温まるギフトを贈ることができたのは皆さんからの寄付のおかげです。当初100万、200万でも集まれば、と思っていたのに最終的に3000万円近くご支援いただいたことになります。最終的な計算は最後のレポートで出しますが、(以下から少しプラスマイナスが出る予定です)現在のところ、下記のとおりです。

経費、郵送費、ガソリン代などの費用はメンバーがそれぞれカバーし、集まった寄付からは一切出さずに自分たちでできる範囲で動こうという方針でしたので、寄付は全てが被災者のために使われました。

GoFundMeへの寄付(手数料が引かれた金額):193,576.46ドル
GoFundMe以外で送られてきた寄付:      29,274.70ドル
合計:     222.851.16ドル

支出
支援団体への寄付  63,000ドル
被災者個人への寄付合計   143,7000ドル
最終的な支援        15,000ドル
火事直後のサポート     51,200ドル
子供達への支援        8,700ドル
引っ越し支援        37,000ドル
その他           31,800ドル
ドネーション以外の出費   880.94ドル
(募金箱やステッカープロジェクトコスト、薬プロジェクトコスト、資材など)

最終的に現在残っているのが15000ドル弱となり、これは銀行の口座を閉鎖する際に立ち上げた当初の計画通り、燃えてしまった3つのお寺に3等分して寄付させていただきます。

一年間、長文のレポートを読んでくださり、ありがとうございます。GoFundMeのページをクローズするまではここに載せておきますが、できる限り、GoFundMe 以外からも寄付をいただいた方々にも読んでいただきたく思っているので、連絡先がわかる方々には報告書としてお送りいたします。たくさんの方々からの寄付をまとめて送ってくださった代表の方などはお手数ですがみなさんに心からの感謝の気持ちとして報告レポートをシェアしていただければありがたいです。
本当にありがとうございます。この一年一緒に頑張ってきてくれたメンバーひとりひとりからのメッセージもここに載せさせていただきます。

感謝を込めて
岡崎友子


[スタッフから]

この1年間、皆さまからの大切な募金の管理&会計を担当させて頂き、プレッシャーながらも貴重な経験をさせて頂きました。

この大切な募金をどのように使うべきなのか、メンバーを始め被災者の方々や他の団体の方々とも話す中で、真の支援活動とはなんだろう、何が求められているのだろうか、等本当に色々と考えさせられました。大きな団体になると非営利団体とは言え人件費をはじめ様々な経費がかかるようですが、私達Pray for Maui from Japanは一切無駄な経費は使わず、寄せられた募金は全て被災者の方々の為に使うことが出来たと思います。募金の配布が全て終了したら最終の会計報告をアップしますので、少々お待ち下さい。

皆さまの温かいご支援&ご協力、本当にありがとうございました。ラハイナがいつか復興する日までどうか引き続きお見守り下さい。

Ayako



昨年のラハイナの火災では、近しい友人の多くが家を失ったり、被害を受けました。命を落としたり、怪我をされた人が知人の中にいなかったのは幸いでしたが、一夜にして全てのものを失ってしまった人達の気持ちを思うと、何かしてあげなければ!という思いでいっぱいでした。
被災者の方々の中には、命さえあれば、燃えてしまったモノはがんばって働いてまた買えばいい!と、とてもポジティブな方もいましたし、時に落ち込んで、ネガティブな気持ちになる方ももちろんいらっしゃいました。
被災してるホテルで華やかに着飾って楽しんでいるツーリストに混ざって、着の身着のままでブッフェの列に並ぶ悲しさを訴える方や、被災先のホテルの冷房が強烈で腹巻きが欲しい、日本製の常備薬や普段使っていた歯ブラシなどが欲しいとのお申し出などなど…。被災者の方々のご意見を直に聞けたので、すぐにサポートできたのはPFMならではの働きができたと思ってます。

PFMに寄付を下さった方々の
愛するマウイの復興や被災者の方々へのお気持ちも、私達の耳には届いていたので、動物を保護している団体に、子どものサポートや、学校の再建に役立てて欲しいなどのご要望も伺え、寄付先の選択に役立たせていただきました。

被災された方々と寄付を下さった方の間に立って働かせていただいたこの1年は、私たちにとっても大変充実した日々でした。ありがとうございました。

かな

2023年8月8日、あのマウイ山火事から1年が経ちました。
まさかの規模、身近な人々が被った多大な被害……。
被災された方々、マウイのために何をどうお手伝いができるのだろうかと思い始めた時に、このPray for Maui from Japanに関わらせてもらう事になりました。
これまでの1年を振り返り、寄付をいただいた方々、マウイへの想いを言葉を送ってくださった皆さんに感謝とありがとうございますの気持ちでいっぱいです。また、被災者の方々からも私達の方が勇気づけられたり、想像以上の厳しい現実を教えてもらえたことで、寄付のお届け先やその他の支援活動についても色々と考えさせてもらえた事を本当にありがたく思っています。
ここでの募金活動は目標達成とともに一旦締め切らせていただきますが、寄付を募らせたもらった当初からの「本当に必要な人、ところに、直にお届けしたい」というPray for Maui from Japanの信念を守り続け、皆さん一人一人のお力が、こんなにも大きく大切なものとなって被災された方々に届けられた事、改めて本当にありがとうございました。

そして、どうかこれからもマウイへの気持ちを持ち続けて見守っていってください。

TOMOKO(のなか)


たくさんの温かいご支援を本当にありがとうございました。

私はPray for Maui from Japan での友子さんのラハイナレポートの配信をお手伝いさせていただきました。ハワイの海と自然、人々が私の人生に与えてくれたギフトは本当に大きくて、日本にいて、マウイで一緒に動くことはできないけれど、自分にも何かできることはないだろうか。きっとこのレポートを読んでくださる多くの方と同じような想いだったのではないかと思います。

「自分ができること」を探していたのに、友子さん、チームの方々に、そしてどんどん広がり、深まるみなさんの支援の輪に、「力をいただくこと」ばかりでした。感謝でいっぱいです。

これからもみなさんと一緒にマウイを想い続けます。

温かいご支援、そしてこのような機会をいただき、本当にありがとうございました。

Nao


あの悲惨な火事から一年以上が経ちました。その影響は島のあちこちで直接的に、そして間接的にいろんな形ででているのを今でも感じます。当時の喪失間は想像を絶するものでしたが、政府の支援が始まる前にすでに心をゆり動かすような動きが起こっていました。マウイコミュニティーは一致団結してラハイナの被災者たちのためにすぐ動き始めました。外部からの支援を待つことなく、自分たちの船やジェットスキーを出したり、必要なもの、できることなんでもしようとみんなが動いていました。食料、水、日々の生活に必要な細かいものまでみんなが色々考えて集めている様子、一致団結している様子は本当に素晴らしかった。私たち家族はIT関係の仕事をしていますが、私たちにできることはなんだろうと考えました。多くの人がコンピューターを火事で失ったことを知り、現代社会でコンピューターなしの生活は考えられないので、古い、使ってないようなコンピューターを回収し、それを直したり、アップグレードして無料で必要な人たちに提供しました。それによって大事な書類を取り戻したり、保険会社と連絡を取ったり、多くの手続きを進めたりできるようになり、多くの人にライフラインを提供できたのだったらいいなと願っています。
そんな中、友子さんが私たちに連絡をくれ、日本語で読むことができるいろんな寄付先、信頼できる団体や寄付先のリストを乗せたウエブサイトページを早急に作って欲しいと頼まれました。いろんな人たちがやっていた支援活動ほど大きなものではないけれど、私たちの持っているスキルが支援として役立てられる機会を与えてくれたこと、コミュニティーに貢献できることが嬉しかったです。
今はゆっくりではありますが、着実に復興の兆しを見ることができます。お店がリオープンしたり、ビジネスが再開したり、ラハイナ現地では復興の工事が着々と進んでいます。とは言え完全の復活するまでにはまだまだ長い道のりです。1日1日ほんの少しずつ進展があり、まだまだゴールは見えないほど先にあり、たくさんのやることが目の前に山積みです。でもマウイコミュニティーを踏ん張り、諦めない根気は薄れることなく輝いています。
ボランティア、寄付をしてくださった方、支援をしてくださった方、一人ひとりに心から感謝します。皆さんの慈愛と寛大さはマウイにとって本当に大きな助けでした。想像を絶する困難や喪失の中で見知らぬ人から受ける親切や助けようと飛び込んできてくれる人たちの献身は被災者の人たちにとって大きな支えになったことでしょう。お金の寄付、物資を送ること、労働や時間の提供、どんなことであれ何かをしようとしてくださった方々の存在は被災者の人たちの励みや支えになったはずです。火事の後基盤を作ることができずに苦労していた人たちにとっては金銭面の援助は本当にありがたかっただろうし、知らない人がここまで寄付してくれたと言う事実は一人きりではないのだと心の支えになったと思います。
一人一人の勇気と踏ん張り、そして多くの人の良心が集まって悲惨な状況の中に光を灯してくれました。再び美しいラハイナを復興させる基盤を築く手助けをありがとう、皆さん一人一人の親切はこれから先何年も私たちは感謝し続けます。
オリバーとなおみより


キャプション
(上から)
画像1,2: 瓦礫の撤去が終了したラハイナ住宅地のエリアは、少しずつ建築も始まっている。
画像3: ラハイナで育った若者たちが自分の子供の世代、またさらに先までラハイナを守っていかなくてはと立ち上がり、いろんな分野で活躍している。
画像4: 被災者のメンタルヘルスに対するケアに関してはいろんなところがフォーカスしていて、無料で受けられるカウンセリングや他の治療がたくさんあるようでありがたい。とはいえ、メンタルヘルスで病んでしまう方も少なくありません。だからこそ、お互いが見守り合っていかなくてはならない。
画像5: Kakoo Mauiは火事以降にできた組織の一つで直後は最低限必要な物資の提供などから始まり、時間が経って変わっていくニーズ、ひとりひとり違う問題に親切に関わり、サポートしてきた。今でも物資がない人には物資のサポート、住むところを探すことからメンタルヘルスまでありとあらゆる必要とされる支援を行っている。
画像6: Kaiaulu Initiative はラハイナローカルが声をかけ水が豊かに合った土地から乾燥した場所に変わってしまったラハイナを元に戻そうとネイティブの木や植物を植えて育てるという活動 ボランティアが集まり週2回水やりや植樹を行っている
画像7: Pray for Maui from Japan のステッカーも全国各地でたくさん買っていただきました、ありがとうございます。

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