みなさん、こんにちは。
明けましておめでとうございます、、とお祝いのご挨拶がしにくいほど2024年は大変な災害や事故から始まりました。
マウイの火事も本当に悲惨な出来事でしたが、能登半島の地震のことを思うと本当に心が痛みます。そのうえこの時期の北陸は豪雪地帯。避難できてからもまだ寒さという大きな問題から逃げられません。
マウイで地震のニュースを聞いた頃には(朝起きたらネットのニュースなどでやっていました)すでにたくさんの仲間が動き始めていました。大体が東北震災の時にも動いていた、山岳ガイドやアウトドアを仕事にしてる仲間。体力もあり、臨機応変に動けて、キャンプ生活、野外で動くことを得意とする連中が多く、本当に心強いし、やっぱりやってくれてるね!と感謝の気持ちでいっぱいです。
多分彼らも私と同様東北や熊本などでの経験から、どんなふうに状況が変化しているか、必要な物足りないものの需要の変わり方なども予想できると思うし、すぐにはむやみに現地に行ってさらに混乱させるより現地にいる人からの情報を得て、現地で必要だけど手に入らないものを遠くで集めてそれを整理して運び込む、などいろいろネットワークを作っています。
何より嬉しいのは山や海の仲間の友達ネットワークがこういう時にとても役に立つこと。普段はサーファーやスノーボーダーは波や雪ばっかり追いかけて当てにならないいい加減なイメージがありますが、こういうときの結束や行動力は誇らしく思います。そしてそういった前線で動くメンバーに寄り添い、たくさんの物資をハブに届けてくれる人が本当にたくさんいることも聞こえてきます。集まりすぎるくらいだそうです。さすが日本、遠いマウイまでたくさんの寄付や思いを届けてくれる優しいお国柄だからきっと大丈夫、と思えます。そして実際物資などが予想以上にもどこでも集まっているというのを聞いてホッとしています。
マウイは大丈夫!とはとてもいえませんが、こっちは私たちができるだけ動きますので、どうぞ、身近に困っている方、あるいは被災した方がいたら、あるいは被災地の応援に動いてらっしゃる方がいたらそういう方をぜひサポートしてあげてください。
私たちも金額自体もほんとに助かりましたが、身も知らない人たちからたくさんのお金や想いが届けられたことが希望に繋がり元気をもらえました。能登半島の人たちにも大変な状況ではあるけれど自分は一人じゃない、支えようとしてくれてる人がたくさんいて全国から物資を届けにきてくれてるというのを感じ、それが励みになってくれればいいなと心から願っています。
マウイですが、チャリティーイベント目白押しだったクリスマスが終わり、少し落ち着きを取り戻した感があります。いまだに課題は多く、それらを話し合うミーティンが週に何度もあったり、関わっている人は本当に大変だと思います。復興のコミュニティのメンバーなど自分の仕事以外にそれらをこなさなくてはならず、本当にお疲れ様と感謝の気持ちでいっぱいです。
そしてひとつ、またひとつと物資の配給センターや食事の炊き出しが閉鎖されつつあります。
物質的な部分ではもはやそこまで不足しているということはないのだと思います。ただ一番大きな問題はそのまま残っています住宅不足の問題、そしてラハイナの街が復興するために絶対に必要な有毒廃棄物の処理問題。(前回のレポートでお伝えしたオロワルビーチの山川にある場所は最終的な廃棄場所にはならない、と市長は断言しました。が、一時的に置かれる期間がどれくらいなのか、数ヶ月なのか、何年間なのかはわからないし、一時的でも安全に帆飼いする方法でないと大変なことになりかねません。)
(この原稿を書いた直後にコナストームが来て雨が降ったのですが、すでにオロワルのサイトから大量の工事中の土や石ころが雨と共に流れ、それは道路を超えて海にまで流れていってしまっています。たった1日の雨でそんなことが起こるのですから、住民の懸念、反対は正しかったと証明されたと思いますし、証明されただけでなく、大至急これ以上土砂が流れて珊瑚礁を殺さないようにしないと。これが有害物質を含んだ灰だったらと思うと恐ろしいことです)
住宅に関してもいろいろ話し合いは進められていますが大きな進展はありません。仮設住宅を作りたくないという政策はわからないでもないですが、少しでも落ち着ける場所を提供するためには会ってもいいのではないかと思うし、実際政府の援助はないものの、タイニーハウス、トレーラービレッジ的な光景も目にすることが増えました。
わざわざ日本から有名な建築家、坂茂先生もいらして仮設住宅のモジュールを作って使い終わった後も資材が土に戻りゴミが残らないサステイナブルで頑丈で安く作れるものを提示しましたがその後進展はありません。自分の土地に一時的に被災者が住めるタイニーハウスを何軒も立てようとしたローカルは近くにあるゲート付きの高級住宅地の住民からの反対を受け訴えられそのプランもストップしたままです。
この二つは金額の面でも政治的にも私たちのような微々たり力ではどうにもならない問題ですが、だからこそラハイナの住民の方が望むような政策がとられるよう常に見守り、必要があれば一緒に声を上げていかなくてはならないと思います。
ありがたいことに火事から5ヶ月経ったいまでも色んな方からの寄付が届き続けています。そしてきっとこれからも色んなタイミングでお金が必要になることが出てくるでしょう。完全の復興を終えるなんて遠い先のことで、途方に暮れる思いではありますが、被災者の方々は心から復興したと思えるような状況になるまで共にマラソンを走り続ける気持ちで寄り添っていけたらと思っています。そういう意味でも「寄付が遅くなってしまったけど」という方がいらっしゃいますが、反対に時間差で送ってくださることもありがたいのです。
能登半島もそうだと思いますが直後はみんな注目して心配してくれるけどその後復興には長い時間がかかるけれど、そこに住んでいない限り最初の気持ちは薄れがちです。そんな中で少しずつでも長く支援したり、ずっと気にかけてくれる人たちというのはとてもありがたいし、支えになると思います。
2024年、この先世界のどこで何が起こるかわからないけれど、どこで何が起こっても、もう人ごとにせず、できることをできる範囲で支援したり、祈ったり、そんなやり方で世界が繋がっていけばいいなと思います。
画像1: 愛知のイベントなどでハワイの各島から集まった方々を中心にマウイのために寄付を集めてくれ、わざわざマウイまで持ってきてくれました。ビッグアイランドのパワフルな女性たちに感謝。
画像2: ここのところ雨も多いけれど虹もあちこちで目にする。虹を見るだけでなんだか、大丈夫、きっと全てがうまくいく、という気持ちにさせてもらえる。
画像3: 街のはずれに建てられているタイニーハウス。政府の支援があればもっとスピーディーにたくさん建てられるはずだけどそれほど進んでいないようにも見える。住宅問題は本当に深刻で、完璧な解決策はなかなか見つからず。
画像4: 住民からの多くの反対を受け現在工事を進めているオロワルは有毒廃棄物の最終的な保管場所にはならないと政府は宣言。
画像5: 現在工事が行われている地域、山に降る雨が海に流れ込む地形の途中に有毒物質が埋められることになる。
画像6: 多くのミーティングにあらゆる年齢、バックグラウンドを持つ住民が真剣な眼差しで参加している。
No comments:
Post a Comment