みなさん、こんにちは。
あっという間に1月も終わりに近づいてきてしまいました。マウイ島でもいろんなことが起こっておりますが、能登半島の災害の方はどうなのでしょうか?土地の隆起が多く、道路などが使えないと本当に大変だとおもいます。その上この寒さですから、被害を受けた方も支援をする方も本当に大変だろうなあといつも皆さんが少しでも楽になれるようハワイからお祈りしています。さてこちらの状況としては住宅問題は相変わらず。知事が一度短期のバケーションレンタルと禁止してロングタームに切り替えさせるのを1月半ばに行うと宣言しましたが、それを3月になりそうだと変更しました。大変な作業ではあるだろうし、なかなか簡単にはいかないのはわかりますが、知事の発表を喜んでいた人たちはかなりガックリさせられ、この先結局なにも変わらないのではという気持ちになってきています。単純に細かいことを考えないから言えるのかもしれませんが、個人的には東北の震災の時のように1年か2年だけ住める仮設住宅のタイニーハウスをたくさん建て自分の土地に戻れるようになるまで、あるいは家が立つまでそこに住めればいいのになあと思うのですが、政府的にはあまりそのプランは押したくないようでなかなか進みません。とは言ってもいろんなところで少しずつタイニーハウス的なものを見かけるようになっているし、少しずつ土地のある人に支援団体がタイニーハウスを寄付したりもしているようです。
住宅問題を解決して欲しいとカアナパリ地域にテントを張ってデモンストレーションしている団体も、もうすでに二ヶ月近くそれが続いていて、疲れを見せています。なんとかいい方法が見つかるといいのですが、今でもホテルからホテルへと渡り歩く生活を続けている被災者の方もいます。
またペット同伴を嫌がる賃貸が多く、ペットがいるために借りるところが見つからない人も多いようです。Humaine Society というマウイで一番大きなアニマルシェルターは保護した動物を入れるスペースの2倍以上の動物を収容している状態でキャパを大幅に超えており、保護犬を引き取れなくても一時的に預かってくれるフォスターファミリーでもいいからと大募集をかけています。餌代などかかる費用は全部出してでもやって欲しいと島の人たちに訴えているほどで、その中にはラハイナの被災者でどうしても動物が一緒だと住めるところがなく、泣く泣く、お別れした人も多いとのことでした。
1月20日にはHOʻŪLU LAHAINA UNITY GATHERING が行われました。このイベントはユニティーウオークというみんなが一つになって、一緒に傷を癒やし、ラハイナ復興のために前進するために一緒に歩くマーチ、それと同時にラウニポコパークで開催され、数多くの家族みんなが楽しめるアクティビティ、いろんな島々の人たちマウイの人たちの交流の場を提供し、火事で被災した人たちにとっては傷を癒やしリカバリーをうながし、コミュニティーが一つにまとまり被災した人たちへのサポートを示すことが今回の目的でした。ラハイナのコミュニティーリーダーであり、また世界的なウオーターマン、そしてホクレアでも重要な役割を持つアーチー・カレパの声がけで多くの人とサポートが集まりました。
「ハワイ全体が一つとなって頑張っていかなくてはならない。わたしたちはラハイナを正しい形で復興させる機会を前にしているのだ。これをむげにしてはならないし、ラハイナが正しいハワイの将来のモデルケースになるよう、力を尽くさなくてはならない。ラハイナは私たち住民が道を切り開いて復興していくけれど、それには他のエリアのみんなの応援が必要だ」
環太平洋を回る5年がかりの航海をしていたホクレア号はこのラハイナの火事が起こった時、リーダーのナイノア・トンプソンが途中で中断を決定し、ハワイに戻ってきました。
「このまま航海を続けるわけにはいかない。ホクレアは一度故郷に戻る。ラハイナにはホクレアが必要だし、家族が苦しんでいるときに遠くにいるのはハワイのしきたりとしてありえない。そばに行って支えなくては。」
サンディエゴからオアフに戻ってきたホクレアと共に今回このユニティーギャザリングのため、ラハイナを支えるために4艇の古代カヌーが全てやってきて、沖に停泊しました。また第一回の航海、に歴史的ホクレアの航海のクルーメンバー、76年に航海した長老メンバーなどもサポートするために参加していました。
「私たちは2017年の航海以来一緒に公開してなかったけどアーチーを応援するため、そしてみんなで一つになるという目的をサポートするためにきたんだ。」76年の第一回クルーメンバーのジョンクルーサさんは話していました。
いろんな大切なことを引き継ぎ、繋いでいくことそのことをみなさん大事にしているからです。
ラハイナのリーダー、アーチー・カレパはラハイナの復興、この嵐を乗り切るにはホクレアの持つ光が必要だとポリネシア航海協会のナイノア・トンプソンに訴え、それにナイノアは応えラハイナにすべてのカヌーが姿を見せたのです。
何千という人がラハイナを象徴する赤を身につけマーチしている様子は海から見るとラハイナの土地が赤くなったかのようでした。朝到着したホクレア号たちは夕方にはまた帰路につきました。しかし彼らの存在はラハイナの住民にとって大きなサポートを感じさせたと思うし、ラハイナには多くのホクレアクルーが住んでいるのです。コアメンバーであるスネーク・アヒ、そしてこの集まりの声がけをしたラハイナのコミュニティーリーダーのアーチーは長い間ホクレア号のセイフティーのトップとして関わっています。また現役の若手クルーカラ・タナカもラハイナ、それも全て燃えてしまった地区で生まれ育ち、何世代もそこで生活してきました。今回のオアフからマウイまでのレグは彼女がキャプテンに選ばれ、ここまでの航海を指揮したのだそうです。
ラハイナルナ高校に通っているアーチー・カレパの娘さんはこう言ってました。
「カヌーの上では現実からから逃げ出すことができ、ラハイナで起こっているいろんな大変なことから離れることができる。そして落ち込んでいる私の心を持ち上げてくれるんです」
このイベントの間、停泊していたカヌーの周りでは何頭もの鯨が囲み、ブリーチングし、それはこのラハイナを一緒に支えようとしてくれてるようにも見えた。ホクレアはハワイの歴史、文化、伝統、そして誇りを象徴し、また世界の平和、環境を守る、地球上のすべての人々が海で繋がっていることを伝えるために航海をしています。ホクレアが航海を中断したとき、彼らがラハイナをどうやって助けるっていうんだ?という人もいましたが、ハワイアンの考えではオハナの一員が苦しんでいる時のそばにいてあげる、支えようとすることこそが一番大事なことであることは、災害後ハワイアンがものすごい勢いで後先考えないほど支援を開始したことからもよくわかります。
Aloha とは見返りや損得を顧みず与えること、与え続け何もなくなりまで与えつづえることだと言います。
ホクレア号やハワイアンの心を一つにしようとするマーチが与えてくれた惜しみないアロハはきっといろんな形でラハイナの人たちの心を支えてくれるとおもいます。
HOKULEAの航海に興味のある方はこちらのリンクにこれまでの公開の様子がアップされています。
https://www.hawaiinewsnow.com/news/hokulea-voyage/
また日本語で書かれたFB ページ、ホクレアクルーもありますのチェックしてみてください。観光のイメージのハワイとはまた違うハワイの文化や伝統、価値観について知ることができるとおもいます。
画像1: ラハイナのコミュニティーリーダー、アーチー・カレパ。
画像2-5: Unity March での一コマ、ハワイアンリーダーたちのスピーチや祈り、フラなどいろんな催しが一日中続き、ランチもChef Huiから提供された。
画像6: コミュニティーを代表するラハイナの復興コミッティーメンバー
画像7: Humaine Society というマウイで一番大きなアニマルシェルターは保護した動物を入れるスペースの2倍以上の動物を収容している状態でキャパを大幅に超え、一時的に預かってくれるフォスターファミリーを募集している。
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