2024-11-22

ラハイナレポート#41 — 再建フェーズに入ろうとしているラハイナ (2024年7月11日)



みなさま、おはようございます。
日本はジメジメした梅雨、そして暑い気温が続いているのでしょうか?
それとも梅雨明けしてジリジリした太陽が照り付けてるのでしょうか?

マウイは夏らしい気候になってきました。風が強く雨は少ない、そう、ちょうど去年の8月、火事が起きた時のようにフィールドの草も茶色っぽくなってきて、ついあの時のことを思い出す機会が増えてきました。

5月末から6月にかけて日本に帰国していたメンバー二人もマウイに戻ってきたので早速集まって今後のことを話し合いました。実際には納得のいかないことや、なぜそんなこと?と思うような政策もいろいろありましたがラハイナの街は着々と復興が進んでいるようにも見えます。
燃えてしまったエリアのクリーンアップは危険物を取り除き、その後瓦礫撤去、電気や水道の修理などをしてから更地にして、それから再建のための手続きが延々と続くと言われ、ちゃんと家が立つまでには何年もかかるのではないかと思われていました。が、水道管やメーターが破壊されていないエリアに関してはすでに更地にされ、短縮、単純化された手続きを済ませて家を建てるための基盤コンクリートの流し込みが始まったところも何軒かあるそうです。
どこかでドローン映像を見ましたが、火事の直後と比べると全ての瓦礫が取り除かれ、整頓され、それぞれの敷地が平になっていました。この地域は家を建てる許可が20件ほどすでにおりているそうです。

ミーティングでも話題に出たのですが、今まで電柱にかけられていた電線をこの機会に全て地下に埋めて欲しいという声は大きい中で、実現はまだまだ時間がかかるのではと思っていましたが、電気に関してはまだ私たちもよくわからないので調べてまたお知らせしようと思います。(ある程度調べたところ、とにかくできるだけ早く復旧させるために、たくさんの柱を新しく建てて復旧させたそうです)全てを地下に埋めるのはあまりに莫大なお金がかかり、不可能とされてしまったのかもしれません。チャンスは今しかないとは思ったのですが。

レポートでも何度も書いていますが、私たちが集まって支援をする最初のきっかけになったのは13年前の東北の震災でした。その時に現地で経験したこと、また被災者から聞いた思いなどは今回のラハイナに重なる部分がたくさんあります。一つ言えるのはこの悲惨な出来事でお金を儲けようとする人たちもいるということ。東北ではもしかすると土地よりも、ありったけのコンクリートを使うことでコンクリート、土木、建築の利潤は莫大だったでしょう。当時の県知事は防潮堤に対する反対に対して、自分の知事人生をかけて防潮堤を建てると宣言していたほどで、多くの懸念や反対を押し切り、他の復興よりも早い段階で防潮堤が進んでいたのを覚えています。そのため東北の海岸線はいまは要塞のようになってしまい仰々しい橋や道路もあちこちで見かけます。

ラハイナは土地自体が世界でも有数の人気で、誰もが喉から手が出るほど手に入れたい場所。特に開発業者にとってはこれは最大のチャンスとなり、家も家族も失って悲しみに打ちひしがれている時に土地まで手放さなくてはならない不安と戦わなくてはならない被災者もたくさんいます。火事が起きてすぐにその懸念は持ち上がり多くの人がそうならないように声をあげたり懇願書を出したり、土地を守る団体を作ったりしたおかげでできる限り住民がまた戻りやすいような街並み、リゾートではなく、ローカルが住む古き良きラハイナを取り戻す方向で復興は進んでいます。とはいえそれでなくても高かった物価、家賃などが火事をきっかけでさらに急ピッチで上がってしまい、生活自体がままならない人も大勢います。立派な仕事を夫婦共働きで勤めていてもとても家賃が払えきれず、家族5人で50万くらいの家賃を払いながら毎日お金の心配して生活するくらいならアメリカ本土で安い土地を買って平穏に暮らした方が楽かもしれないと、泣く泣く島を出て行くローカルも少なくありません。

そんな状況をできるだけ防ごうと、Lahaina Community Land Trustという団体も生まれました。そしていまだに被災者が困っている部分をカバーするリソースセンター Hawaii Community Lending と協力しあって土地を手放さずにすむよういろんな形で住民を援助しようと動いています。私も心から多くのローカルたちが涙ながらに島を出ていくことがないよう祈っています。

さて、前回お話ししたように、8月8日で一年。ひとつの区切りなのでその時点である程度寄付を募ることをストップしたいと思っております。ページをクローズするのはそれより少し後になるかもですが、目標金額にもWEBページ上ではもうちょっとの金額ですが、実際にはそれ以外の方法での寄付などもあり、すでに達成しております。本当にこんなにたくさんの支援をみなさんからいただけたこと、そして私たちを信頼して大事なお金を委ねていただいたこと、感謝しております、そしてそのお気持ちに応えられるよう私たちも時には議論を続けながら、曖昧な部分や「?」と思われることの一切ない明瞭会計、手数料や経費には一切寄付金を使わず、その部分は私たちスタッフでカバーすると決めて活動してきました。

今回の活動は敏腕(鬼)会計士のスタッフがいたからこそ成り立ちました。お金のことは全て彼女に任せっきりでいられたのが本当に心強く、またいつもいろんなことをチェックしてくれたり書類を作ってくれたり大助かりでした。というわけで現時点での会計報告も添付の写真と一緒に載せたいと思います。

残っている寄付金の大部分は、今月中にラハイナのパブリックスクールの先生方やスタッフ全員に支援と感謝の気持ちを込めてギフトカードを送ることになっています。学校への支援は以前から考えていました。先生方が子供達へのケアを地腹で行っていたり、また先生方ご自身も被災して遠くに引っ越しながら毎日通勤していたりと、精神的にも追い込まれてしまうことが多いと聞いていました。どんな形で支援できるか探っていたところに、ラハイナ教育委員会の副会長さんを通して、先生方だけでなくスタッフ全員に送ってもらいたいと話をされました。そこまでの人数カバーできるかと不安だったのですが、正確な人数を教えてもらい、また、先生方と同じようにカフェテリア・スタッフ、事務員、用務員、その他のスタッフもみんな本当に大変な思いをして子供たちができるだけ不安のない状態で学校に通えるよう努力してきたこと、そして一人一人の努力がなければ成り立たなかったこと、またスタッフへのケアが不足していていることなどを聞き、全員に贈れる余裕もあることもわかったのでそれを実行するために現在動いております。月末にパブリックスクールの従業員(先生方も含め)にメンタルヘルスケアパッケージが送られるという計画があるとのことで、その中にPray for Maui from Japan  から、みなさんの想いがぎっしり詰まったギフトカードをメッセージを添えて送ろうと思っております。

また、動物たちへの支援活動で頑張っている二つの組織にも1000ドルずつ送りました。
私たちの寄付集めは8月で締め切りますが、ぜひ引き続き支援金を送りたいという方にはどこに送るといいかなどのご相談はいつでもしていきたいと思っております。

本当に困っている人たちに直接お金を送る方法を考え、火事から3日後にはローカル3人で立ち上げたHelp Maui Rise という支援団体は今後も住民に直接お金を贈る独自のシステムをつかて平等に寄付金を送り続けています。これは特定の被災者に送られるわけではなくゴーファンドミー、或いはHelp Maui Rise に登録し支援をもらう資格があると認められたラハイナの住民全てに集まった寄付を平等に等分し、送金されるというシステムです。

全く知らない人たちからの善意でなんとか大変な時期を乗り切れたという被災者の方も多いのです。100ドル送っても100人に分けたら1ドルにしかならないかもしれない、でもそれを10万人の人がやったら被災者の人たちはかなりの金額を助けてもらえる。実際そのシステムで800,000ドル近いお金を住民の人に配ってきました。もしも団体ではなく住民の人に直接寄付をしたいという方がいればぜひこちらをご利用なさってみてください。
https://www.gofundme.com/f/helpmauirise

いつもほんとうにありがとうございます。

心からの感謝を込めて、
Pray for Maui from Japan スタッフ一同より

画像1: 会計報告
画像2: ハワイアンエレクトリックは電気の復旧に全力を尽くした。
画像3: ラハイナの住民が一番困っている問題、土地を手放さずに済むためにいろんな人が頑張ってくれている。
画像4: 火事で燃えてしまったカメハメハ3世小学校現在は仮設プレハブの学校で子どもたちは学んでいる。

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