ウインドの歴史の中で最も古くから続いている大会というアロハクラシック。私が出ていた時代でもこの大会に勝つことがウエイブの選手にとっては一番の名誉であり、目標だったと思う。
それはだいたいこの大会の時に誰もが震えるような大きな波が来たりする中でどれだけのパフォーマンスが出せるかの勝負であり、人との戦いでもありながら、自分との戦いでもあり、自然と真っ向から向き合う大会でもあるから。
そんな中で今年も本当に感動的なドラマがたくさん生まれ、息を飲むシーン、涙が出そうなシチュエーションもたくさんあった。そしてファイナル近くになるとどのヒートもみんなが思わず拍手してしまうようなライディングが次々に出て来て、はるか沖にいる選手たちの気迫と緊張と強い思いがひしひしと伝わってくるようだった。
とにかく、ウインドって本当に素晴らしいスポーツ、そう感じさせてくれた選手一人一人の健闘に心から感謝する気持ちでいっぱい。
もちろん親友のもおちゃんにたいするえこひいきはあり、笑彼女に優勝してほしいという気持ちはあるけれど、レディースの中だけでもそれぞれの思いや努力や姿勢を振り返って、みんなを応援したくなる。
20年間双子のどちらかがPWAのウエイブランキングの一位をキープして来たというモレノツインズ。その驚くべきダントツの強さが今年はサラキタに破られ、とうとうニューワールドチャンピオンが生まれた。
男の人よりでっかくてごつい体だけど中身は少女のように純粋で可愛いサラキタ。みんなに慕われ、いつでも自然体。顔や仕草は彼女の人柄の良さが滲み出る様子でその彼女が涙ながらに今までずっとチャンピオンになるために頑張って来たことをスピーチすると私たちまでもう涙が溢れて来た。
もう一つ私にとってびっくりなのは嬉しいことでもあるのだが、男女の賞金が同じであること、ま、実は私ももおちゃんもそれってかなり女子はラッキーじゃない?って思ってる、やはりメンズとレディースのレベルは段違いだし、層の厚さも違う。ランキングレディース3位になるには全ての大会をある程度いい成績とってればなれそうな感じだけど(っていうと失礼だけど)メンズは絶対にありえない、誰がトップになってもおかしくない争いの中切磋琢磨して、アロハのような大会では命をかけて度肝の抜くパフォーマンスを繰り広げる。それで同じ100万がもらえるのはかなり女子はラッキー。だからこそ、どんどん頑張って世界に挑戦して欲しいな。
(ユースにも出てるけどすでにプロとして世界の大会すべて参戦している石井タカラ選手19歳これからまだまだ上に行ける)
ユースは日本チームが大活躍、もうユースで3年くらい前から戦い続けているたくまやタカラそしてアメリカのジェイク、みんなプロクラスでも十分通用する選手となり、来年がタカラとジェイクはユースから卒業。ユースクラスのヒートのレベルの高さには本当にびっくりしたし、マストサイズの波で技を仕掛けているのを見てこれからのウインドの未来が明るいのを実感した。
(ユースクラスは優勝したけどプロメンズでも大健闘、彼はすごく頭で考えながら乗っているという気がする。タカラと一緒にどんどん上を見て頑張って行って欲しい)
(ユースクラスでこのサイズの波に360をメイクとか、ユースのレベルも上がったなあと感動)
娘のスモモもいろんなプロ選手に、サーフィンしてるの見たよ!うまいねと褒められていた。
そしてマストサイズの波の中に道具を持ちながら、後ろを何度も振り向きながら、本当にちっちゃな子も出て行っていた。多分10歳くらいなんじゃないだろうか。ヒートが始まるまで出るのを迷っていたのかもしれない、ギリギリになってから出て行って、なんとかセットの合間にアウトにでれた。見ているだけで彼の恐怖心がこっちにも伝わってくるくらいだったど彼は頑張ってアウトに出た。もちろんユースのトップ選手には勝てなかったけどきっとアウトに出て無事にヒートを終えてビーチに戻ってきただけで彼の達成感は大きかったに違いない。それぞれ自分の限界は目標は違う。でもそれをプッシュしている様子はどんな選手でもかっこいいし、心に訴えてくる。このちびっこ、ショアブレイクでさえ自分の身長より大きいくらいの子がアウトの大きな波に向かって行った様子は私にとってはワールドチャンピオンのマストハイでのゴイターより印象に残っている。こういう子が来年はまたものすごく成長してくるんだろうなと思うとワクワクしてくる。
ユースのヒートの動画はこちら
メンズの優勝は誰が勝ってもおかしくなかったけれど、今年はアントワンに流れが来ていたようで、セミファイナルあたりから彼にいい波が来て、その波を完璧にアグレッシブにメイクするアントワンはアンタッチャブルな感じであった。
ファイナルで見せたビッグセットにかけたエアリアルの大きさがおかで見ていた全員が歓声をあげてそれがエコーするような感じ。素晴らしかった。あんなに風のない中、カイレニーとかミールジュバンは多分小さな板にしすぎたのか波に乗せることすらできずに沈んでいるような中アントワンのスピードは圧巻だった、そして決めるときにはしっかり決めるところが強みのバーントもどうしてここぞというときにこれが出せるのかと思うようなキメのライディング、プロフェッショナルとはこういうものだと見せてくれた。
いつも優勝候補だし素晴らしいライディングを見せてくれたリーバイ、残念だったけど美人の奥さんと結婚したばかりの新婚さん。おめでとう!
(選手みんなに声をかけ寄付を募り、セイフティークルーにお礼のプレゼント、とってもいいことだと思う。本当に彼らがいなかったら3倍くらいの道具が壊れ、怪我をした人も大勢いただろう。セイフティークルーがいちばんの影の立役者かも)
今回はアマチュアメンズのクラスがなくなり、出ることを楽しみに練習を続けていた人たちが大会に出られず可哀想だなと思ったけれど、どの大会よりも長く続いているこの大会がこれからもプロだけでなく、一般セイラーにも喜ばれ大事にされる大会であり続けてくれますように。そして世界中のトップライダー達が毎年来て感動するライディングを見せ続けてくれますように!
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