2009-06-15

6月14日 サバニから見る海のむこう

今日もノースは波なし、サウスはバンバン波が入っているらしい。私の調子は日に日に良くなっているとはいえ当分海はお預け。
でも痛みがひどかったころはベッドに寝たまたうとうとする時間が多かったけれどそれほど痛みもないので眠くもなく、結構仕事ややろうと思ってできていなかったことなどをする時間がある。

八重山ではカーチベーが吹き始めたという便りが何人かから届いた。今が一年で一番すばらしい季節、急にすべての色が鮮やかになり、夏至南風(カーチベー)と呼ばれるさわやかでステデイーな風が南から強く吹くのだが、それがカイトには理想的なコンデイションを生む。これで沖縄の人たちは本格的な夏の訪れを知るのだ。
私もぜひこの時期にまた八重山にいたかったなあと思いながら鮮やかな色が美しい八重山の景色を思い浮かべた。
2年前沖縄本島のウインドサーファー島袋直人さんが誘ってくれたおかげでサバニレースに一緒に出るチャンスがあった。あれほどサバイバルなことをしたのも珍しいというくらい過酷(自分たちの準備や練習不足、また道具になれていないなどが理由だが)だったが、、結果的には最後の最後で座礁し、フィニッシュできなかったのだが、ハードなだけにやりがいがあったし、全力を尽くして皆で力を振り絞ったあの感覚は忘れられない。
私などはちょっと出させてもらっただけであれだけ夢中になったのだから直人さんが取り付かれたように夢中になる気持ちもよくわかる。彼は毎年出ているけれど、今年はとうとう仲間と一緒に自分たちで船を作り上げたらしい。初めて浮かべた様子をメールで送ってきてくれた。でもこれはすごいことだ、サバニを作れる船大工の人がどんどん減り、石垣でももう一人しか残っていないという今、これがきっかけで若い糸満のうみんちゅうの人なんかも刺激を受けているらしい。昔から残っているいいものは出来る限り受け継いでいければいいなあ、と思う。

この時代便利なものはいくらでもある、でもあえて昔の道具を使ってみることで昔の人たちがいかに海の知識やそういった単純な船や道具の扱いに長けていたかを身にしみて感じ、その技術を自分も身につけたいという気持ちにさせられる。それは本来持っている人間としてのポテンシャルを引き出すという大切な行為でもあると私は思うのだ。
今年はでられそうにないけど、そんな気持ちで今年も日本中から多くのサバニファンが集まるであろうサバニレース、心から皆を応援したいと思う。

そしていつかまたああいった昔から使われていた舟で自分たちの力や知識を駆使して大海原に漕ぎ出すことを夢見て。

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