2024-01-13

ラハイナレポート #16 9月13日 Sea of Red

 ラハイナレポート#16 — Sea of Red


みなさん、こんにちは。昨日がちょうどマウイでは火事から一ヶ月という区切りでした。ラハイナに近い場所で海に入ることができるウクメハメビーチでは12時に、そしてキヘイでは8時にパドルアウトが行われ、キヘイの方はその後も終日いろんなイベントが開催されました。

まだまだ家があったところに入れない方もいらっしゃるし、復興作業に追われてパドルアウトどころではない方も少なくないと思いますが、それでも島中からそして違う島からも集まった人たちが海にパドルアウトし、一つになって祈りを捧げました。かなりの人が集まるだろうとは思っていましたが、その予想以上に大勢の人がパドルアウトしてくる様子に、早目に海に出ていた私は岸から押し寄せてくる赤いうねり(ラハイナへの想いを込めて多くの人が赤いものを身につけていました)に圧倒される想いでした。そしてそれだけたくさんの人がいるにも関わらず、クムの人が祈りを捧げる声も歌も聞こえるほど静まり、皆で祈りを捧げ、水をすくい上げ花を捧げてもなお、多くの人がビーチに戻る気になれずその場にい続けていました。
パドルアウトは、ハワイの、特にサーフカルチャーにおいて伝統的な儀式で、亡くなった方の人生、命を讃えるもので、悲しみを乗り越えて一つになるとても前向きな気持ちになれるものだと思います。海には何千人もいたのに、クムの祈りや歌が始まると彼の声が聞こえるほど静まり返り、その後声を上げ水をたたき、ボードをドラムのようにして鳴り響かせる音は、地球の奥底から響いてくるかのようなパワフルなものでした。

さて、皆さんからいただいた寄付も次々と役立てさせていただいています。わたしたちPray for Maui from Japanが皆さんからの寄付金を一番最初に使わせていただいたのは、家が全焼してしまったマウイ在住の日本人の方々へお見舞金を送ることでした。あまりに急なことだったのでほとんど荷物をパッキングすることもなく家を出た方ばかりで、本当に住む家も着替えもない状態の皆さんにはいくら物資や食事が支給されても何かと現金が必要なことが多いと思ったからです。本当にちょっとした時でも必要な時に現金がないのは、金銭的にだけでなく精神的にもものすごく負担になると思います。焼け石に水かもしれませんが、それでも自分たちが考えていた当初の金額よりも少し多めに送ることができました。アメリカ政府が送った金額よりも多いです笑。みなさんのおかげです。

大変な思いをしてらっしゃる方々なので写真を撮ったり、名前を出すことは控えさせていただきますが、お礼をいただき、掲載をご了承いただいた方々のメッセージの一部をここに載せさせていただきます。もちろんメッセージの載せていない方々からも本当に助かる、実はやはり現金が一番ありがたいとおっしゃっる声がほとんどでした。保険会社、不動産会社などからの支援金はこれから色々支給されるとは思いますが、いろんな制約があったりもするので、どんなことにでも自由に使えるお金は早くに役立つと思います。

「日本の支援していただいた皆様に本当に感謝いたします。封筒を開けてPray for Maui from Japanを目にした時、感情が溢れ出てきて涙が止まりませんでした。 みなさまの気持ちが大きな支えになります。本当にありがとうございました。 この思いは決して忘れません。」(Cさん)

「本当にたくさんの心に響く温かい応援を有り難う御座います。 皆さんのご支援のおかげで、今週の9/16の土曜日から、upcountry farmers market に復帰できるようになりました。心から感謝致します。 ビーガンラーメンをマウイの方々にも食べて頂き、皆様からの応援のお気持ちを分かち合えたらと思います。 本当に有り難うございました。」(Alohana Vegan ramen 浅川さん)

これからも被災者のニーズを常にリサーチしながら素晴らしい仕事、活動をしてる地元の小さな支援団体や、一番大事だと思える部分に寄付や支援をしていきます。それも一つ一つレポートと会計報告でお知らせいたします。続いていくつかの取り組みをご紹介します。

一ヶ月経った今でも毎日被災者の方々に食事を提供しているChef Hui。シェフたちの中には自分のお店や仕事場がなくなった方もたくさんいます。そんな中、被災者の方々に高級ホテルさながらの美味しい料理を何百食も提供し、その食材もローカル農家や漁師たちがたくさん寄付しています。

ウエストサイドの若きリーダーのゼイン・シュワイツアーやその仲間たちは、キッズたちのために、そしてみんなが助け合い、協力し合うコミュニティーづくりのために、日曜日に子どもたちが海のスポーツを楽しみながら安全について学ぶオーシャンアカデミーをスタートさせました。

日本でも各地でチャリティーの支援やイベントが開催されています。まさかこんなにもいろんな仲間が動いてくれるとは思ってもいなかったし、ハワイの中でもこれだけの仲間がいろんな形で活動をしているのを見ると、世の中悪いことばかりじゃないと本当に安心できる想いです。

仲間で、二人のお子さんを持つ日本人の友人がFacebookに投稿していた文章が、まさに私の今感じていることそのままだったのでシェアさせてもらいます。

『今週ボランティア先で出会ったみんな』

70代であろうとっても華奢なご婦人は、
驚くべきパワーで動き回る。
80歳のご主人がそろそろ引き上げようかと、
疲れた様子で声をかけてくると
「私はまだ終わりじゃないわよ〜」
と豪快に言って笑ってる。

オアフから救援物資を運んできてくれて、
時間が許す限りボランティアも参加して下さった日本人の男性。
日本から旅行ついでで、
オアフからマウイに足を伸ばして来てくれた日本からの女性。
そんな同郷の心意気が嬉しくジーン

英語のやりとりも、iPadでのチェックインも、
たどたどしてしまう私に「大丈夫、問題ない!」と
声をかけてくれるロコの兄ちゃん。
手渡す食料品を袋に詰めながら、受け取る人の気持ちになって
これとこれって関連付けて詰めてあげられたら、
もっといいよねーと繊細な優しさを教えてくれたお友達。

フロリダから仕事として参加で動き回ってくれる若い子たち。
女の子はアロハが好きと話してくれて、
男の子はおばさんにはぎっくり腰級な
重い荷物をさっと持ってくれたり
彼らの加入してるオーガナゼーションの
ことを楽しそうに教えてくれて

持ち場が違って少ししか話せなかった
日本人のお友達も
美味しい差し入れあるよと
教えてくれたり
何回も会っているアンクルは
調子はどうだい?
ちゃんと水飲みながらやれよーと
声をかけてくれて

ちょっと話しただけの人も
そろそろ子供のお迎えに行かないとだろ
後は任せて、さあ行きな、
と声をかけてくれたり

本当にみんな物凄い温かでナイスで
どんなに元気をもらったことか
きっとマウイもそんなみんなの力で
少しづつ元気を取り戻せる
そう信じれる
元気の元を振りまいていてくれる
み〜んな、ありがとう

おそらく、被災した方々もボランティアに走り回ってる人も、悲惨な出来事ではあるけれど、そのシルバーライニングとして彼女が感じているのと同じことを感じていると思います。そしてそれは日本からのたくさんの寄付が集まってることからも感じています。なかなかレポートを書けていませんが、書く内容はたくさんあるので時間を見つけて頑張ってお伝えしたいと思います。


画像1-4: パドルアウトの赤いうねり。
画像5,6,7: 毎日被災者の方々に食事を提供しているChef Hui。
画像8,9: ゼイン・シュワイツアーと仲間たちのオーシャンアカデミー







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