2024-01-12

ラハイナレポート#7 8月21日

 ラハイナ報告書#7


皆さん、おはようございます。

今朝は雨の音で目覚めました。あんなに「雨さん降ってください」と祈っていたものの、今となると複雑な想い。というのはラハイナの火事で燃えたエリアはそれでなくても有毒物質がたくさん出ていて、そこにいるとすぐ体の具合が悪くなったり、後々病気になる可能性があるほど危険な状態。もちろん燃えた瓦礫の灰だけでもとんでもない量。そして悲しいことに亡くなった方々の灰や身元の確認の鍵となる小さなものたちが流されてしまう可能性があるからです。有毒なものがどんどん海に流れていったら(もうすでに流れているのは承知ですが)今度は海がさらに死んでいく。
どうか、まだ燻っているアップカントリー方面には雨を、そしてラハイナ方面には大雨を降らせないでください、と心から祈っております。(雨に気がついてすぐ雨マップを見てみましたが今の所降っているのは私のいる普段から雨の多いエリアでラハイナの方では降ってないようでした。)

毎日毎日どんどん状況も変わり、やるべきことも変わっていきます。確かに疲れもありますが、周りで同じように頑張ってるみんなと連絡しあっていると元気をもらえます。一人じゃ何もできないけど、同じ気持ちで動く仲間が大勢いると、その人数分、力が倍増する以上に大きなパワーになってると思います。そして、それぞれが自分の得意分野で自分のできることを最大限に活かし、自分が大事にしていることに向けて、力と心を向けて動いてくれています。それでも全然足りませんが、全体を見ると私たちだけでは全く無力なので自分たちのカバーできる小さな隙間、Niche (ニッチ)と言える部分は「日本」ということ。日本人、日系人、日本文化に優先順位を当てながらも、けっしてそこに限定することなく、臨機応変に本当に必要なところに行動とハートと資金の支援を送れたらと思っています。

今日アメリカ大統領がマウイにきます。そのための準備なのか、それとも実際にやっとさまざまなプロセスが終わって実行できる状態になったのか、今日昨日と初めて軍の飛行機を見たと思ったら、それからは次々と何機もの軍の飛行機がマウイにやってくるのを見ました。
被災地の方も完全に政府がテイクオーバーという形でいろいろ規制も出てきたようですが、物資を配るハブなどこの10日間で民間が頑張って設置してくれたところをそのまま利用していくようです。本当に今まで通りのアロハに満ちた形で運営できるのか、ちょっと心配もしています。
ハワイにはハワイのやり方がある、それは政治にも言えること、というのがマウイの住民の多くの気持ちのようです。
政府の方でもまさか、こんなひどい火災で政府自体も対応できずにいるような時に、これだけのマウイ島民そしてモロカイ島をはじめ、ネイバーアイランド(近隣の島々)からたくさんの個人所有の船や飛行機でとても整理しきれないほどの物資が集まるとは、そしてこれだけの人が支援に動いてどんどん被災者の救済が進んでいくとは思っていなかったようです。これこそアロハが根付いているハワイだからこそ。そしてこのアロハはきっと世界中にあるはずなのに、人と人とのコミュニケーションが減ってくるとだんだん薄れてしまうことだから、コミュニティーの大切さを実感しました。何事も人ごとにしない、頭ではわかっていても魂で理解し、身についてないと行動に移せない時もあります。これこそ、勉強より大切な子供達に伝える教育のバックボーンなのではないかと思うのです。

さて餓死する心配はなくなり、物資もある程度生死に関わる状態での不足は無くなりました。これからの大問題は家をなくされた人がどこに住むかです。それでなくても住宅不足が大問題のマウイ。平均の不動産の売買価格が一軒1億以上の相場で、家賃もとんでもない高さ。それが払えずメインランド(アメリカ本土)に引っ越すことを余儀なくされる昔からいるハワイアンの人たちもたくさんいるのです。ラハイナに住んでいた人たちが島を出ることなく、元の暮らしに戻れるように。ラハイナの土地が大資本に買い取られたり、開発され、単なるリゾート地になってしまわないようしっかりみんなでサポートし、古い歴史をもち、住民が仲良く気軽に大家族で暮らしながら釣りや波乗りや散歩を楽しむ昔ながらのラハイナ。ツーリストもそののんびりした古き良きラハイナを訪れ、ハワイの歴史や文化に触れ、アロハを感じて過ごすことができる場所として復活してほしいと心から願っています。

残念ながら火災が起きて数日後からすでに被災者の元にメインランドからの不動産から土地を売らないかという電話が来たり、大変だろうから法律的なプロセスを請け負いますよという勧誘も多いのです。まだ家族が見つかってないのに!と嘆く人もいます。そんな時に自分たちがラハイナから追い出されないよういろいろ手を打たなければならない。そんなことを最初から予想して動いてくれている人たちもいます。
震災の時も仮設住宅のプランができる前に実は防潮堤の建設プランが出てきてたとかいう場所もあったと聞いています。それと同じ、もしくはそれ以上に問題なのは、マウイの土地自体が世界中が欲しいと思うほどの価値があるということです。どうか皆さんもラハイナが大きな開発(支援という名のしがらみ絡んだ大投資)に負けないよう、見守り一緒に昔ながらのラハイナが取り戻せるよう応援していてください。

先日ハワイアンのリーダーたちが集まってそんなこと全てに対する政府宛の声明を出しました。それは大きくニュースでも取り上げられ、政府の方も少し態度を改めないと、と思ったのでしょう。ずっと不透明にしていたみんなが気になっていた情報などを少しずつ明らかにしています。
すでに大資本が忍び寄りつつあり、支援と投資の区別がつかないことが起きようともしています。こんな非常事態なので今まであった建物を建てる際の条件とか規制を取っ払ってしまってどんどん立てようとかいう意見も出ていたりするようですが、そんなことをしてハワイレアやカアナパリのような大きなリゾートがバンバン建てられ、昔ながらの文化も歴史も消え、住民の住む場所ではなくなってしまう恐れだってあるんです。
Keep the Lahaina land in Lahaina hands (ラハイナの土地をラハイナの住民の手から離さないようにしよう)という言葉がよく使われます。
どうか一緒に見守り、大事な時には一緒に声をあげていただければと思います。

不安もたくさんあるけど心温まる出来事もたくさん、そっちに普段はフォーカスすることで自分がネガティブなスパイラルに陥らないようにしています。

友人の娘さんたち二人で一生懸命作ってくれたチャリティーランチ。(物価が高くてランチでも15ドルくらいしちゃうマウイなのにたったの5ドルで大福付きですよ!中身も7、8種類のおかずそれも全て美味しい丁寧に作られたものばかり)一つ一つ手書きのイラストがついたものをいただきました。まだ小学生だと思うんですが、ロウレンとジュナちゃんが自分たちのできることを考えて作ってくれたと思うと涙を流しながら美味しくいただきました。

生死に関わる状況を乗り切れた次は、子供たちのケア。学校が始まったけどラハイナの子供たちが通える学校がありません、転校を勧められ、遠くの学校に通いはじめた子もいます。その時に辛い思いをしないよう、学校で必要なグッズのセットを用意してる人や場所もたくさんあります。バックパックの中にノートや文房具、水筒などぜんぶセットにして。
そしてママさんとベイビーに特化したハブもできました。ここに行けばミルクからおむつ、ゆりかご、ベイビー・シャンプー、乳母車などなんでも揃います。
そして子供たちが無邪気に遊べるように、体を動かせるように、被災地に赴いてデイケアを公園などで行ったり、おもちゃやいろんな遊びを楽しめるトレーラーやブースを設置するグループもいます。

なくなってしまったサーフボードやスケートボードのかわりをできるだけ早く子供たちに届けたい、と好きなことをやれることがいかに心のヒーリングになるかをわかってる若者たちが一生懸命寄付されたたくさんの古いスケートボードやサーフボードをきれいに磨いたり、修理しています。どこに行ってもみんな笑顔でグッドバイブ。よし、私も私ができることを頑張るぞと元気をもらえます。

日本からの応援もそうです、私たちはこんな形で支援できますとか、こんなことをしてお金集めたので寄付しますなどいろんなアイデアをメッセージでいただきます。素晴らしいアイデアは私たちの参考にもなってます。本当にありがとうございます。

今日は大統領がこの小さな島にやってくるということでその準備とセキュリティーで大童のようです。たくさんの軍の応援団、大統領のためだけにきたのではないことを願ってます。

引き続き、まだ見つかっていない人はたくさんいます。どうか大事な人が見つからない、なくなってしまった人たちが少しでも心の平安を手に入れることができますように。

画像1,2: @boards4buddies 寄付されたサーフボードやスケートボードをきれいにしたり、板がなくなってしまった子供たちに届ける活動
画像3: ナピリパークにたくさんの子供のためのおもちゃのハブや遊び場が設置され無邪気な笑い声にあふれました。
画像4: オアフでのメモリアルパドルアウト
画像5: マウイ、ハワイの素晴らしさはこういうところ
「手助けできることをなんでもやっている、そんな人たち一人一人を思い浮かべてください。THAT’S MAUI それがマウイ。愛する人を亡くしてしまった方たちへ。止まらず、そのまま進んでください。あなたには助け、祈り、サポートがあることを忘れないで。手助けしている方たちへ。止まらず、そのまま進んでください。でも、あなた自身のことを大切にすることも忘れないで。私たちにはあなたが必要です。私たちがついてますから。島にいない方たちへ。あなたのサポートは届いています。そしてあなたが思っている以上に、私たちは感謝しています。」

画像6: 2人の小さい女の子が自分たちに出来ること、とお弁当を作って販売し寄付金にしていました。
画像7: マウイ島だけでなく隣の島々からも新鮮な野菜、そして魚まで届けられています。

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