2015-07-17

7月17日 Humbled by the Sea

 明日はマウイからモロカイまでのパドルレース。レースに出る直樹くんと原田さんはこぎはお休み。その分ガールズ達のシャトルをしてくれた。

 まず朝にポリネシアダンスフィトネスのクラスへ。オネエのインストラクタが教えてくれるのだがこの毛鬼がめちゃくちゃ踊りが上手い、そして面白い、フラやタヒチアンダンスの動きを基本にしたこのクラスどうやったらこんなにお尻が動くのかというような動きをさせられ、できない自分たちに大笑い。一緒に来た原田さんが結構楽しんでいたことにも大笑い・まさか本当に一緒にやってくれるとは思わなかった。バレリーナのキーちゃんはさすがに上手、みんなで大笑いしながら楽しめた。
最後に原田さんと一緒に写真を撮るときだけケオニの目が女性になっていたのにはさらに大笑い。
午前中最終的な準備で無線や何かあったときに知らせるサバイバルキットなどを買いに行き、マウイ神社で安全に完走できるようにお祈りし、ハイテックにもよるとみんなそこで色々買い物をしていた、最終チェックで帽子やらラッシュ、リーシュなど買い込んでいる。そして12時半にボールドウインで待ち合わせ。ダウンウインドの後はジムに行くことになっていたのでスケジュールが詰まってることもあり少し慌てていて、私も海に出てからみんなで色々説明しようと思っていたのだが、それが結果大失敗だった。
 あきちゃんは私のSIC12ftで怖いもの知らずなので果敢に行けるけどレベル的には他の二人ほどは漕いでいないのでとにかく彼女からは目を離さないように。
あまりこげない人には一番の難関はマリコベイを出るところ、急に風が吹いてきて横風に流され、霜の岩場に行ってしまう。でも必死に頑張ってなんとかクリア。
 カナちゃんは普段からサーフボードでレースにも出ているので乗り慣れている長めのサーフボードで。キーちゃんは原田さんが借りていたジミールイスのM14、これはマリコのダウンウインドにはとってもあっているという評判のボード。原田さんはこれでMaui2Molokaiのレースに出る。あきちゃんはキーちゃん達のスピードについていけないだろうから、ただ、漕がずに同じスピードで待っていたら意味ないから漕いで、ちょっと離れたらアップする気持ちで待ってて、また漕いで、を繰り返してねと言っておいたのだが、マリコからすこし沖に伸ばしたところでみんなで集まって、目標になるランドマークの数々や注意点、など話して出発しようと思っていたところ、あきちゃんを待っていることができず二人がどんどん先に行ってしまった。その上今日はオフ気味の風が吹いているので、二人は気づかないまま、どんどんダウンしておきにお気にと漕いで行く!
 ある程度離れてしまったら心配になって待ってるだろうと思って仕方なく、あきちゃんのそばから離れずに見ているが、どんどんさらに離れて二人の影が見えなくなってきた。これはまずい、と色々考えた末、あきちゃんが少しだけ慣れてきたので「とにかく終点はあの森の向こうだけど流されるから森の手前を目指して行ってちょうどいいくらいになるから頑張って一人でそこに向かって漕いで。必ず遠くにいても見てるし、二人を捕まえたらまた戻ってくるから」と言い残し、水平線の向こうに行ってしまってる二人を追いかけてチャーゴキ。この10分間くらいはいいグライドの練習になったかも笑 大声で叫んでも全く聞こえるはずもなく、後ろは見ているのか見ていないのか、パドルを振っても気づかない・最後は泣きそうになりながらこのままでは自分も元のところに戻れないんじゃないかと思いながら必死で漕がないでー!待ってて〜!と叫びながら追いかけた。普段と違う、ちょっとチャレンジングなコンディションに置かれると緊張で頭が真っ白になるときもあるし、言われたこともすっかり消えてしまうこともある。そんな状態なのかなと思いながらやっとの思いで追いついたときには思わず声を荒げてしまった。
「こんなに離れてしまって今自分たちがどこにいるかわかっているの?」
かなちゃんは普段あまり起ることのない私が怒ってるのを見て大事なのがわかったのだろう、そして多分カナちゃんなりに私と離れて不安な気持ちになりながらも自分がしっかりしないとなっちゃんまで不安になると気を張っていたのだろう。一瞬のうちに表情が崩れて泣きそうになっていた。かわいそうだとは思ったけど、何も指示を聞かずに先に先に行ってしまうので一番のNO.
でもダウンウインドをしていると遅い人を待ってることも本当に難しい。漕いでいればなんとか取れるバランスもあの海面で漕がずに立っているのは本当に難しいし、ましてアップインドは無理に近い。だから待ちたかってけど待てなかったんですという。私はかなり頭に血が上っていたので「本気で待とうと思ったら座ってでもそれでも流されるけど足を見ずに突っ込んででも待ってることはできる!」と言って、「とにかくここからではできるだけ岸に向かって横に漕いでやっと目的地に行けるくらいだから今からあきちゃんのところに戻ってくるからそれまで頑張って岸に向かって漕いでいて」と言い残し、今度はあきちゃんの元へ。はるか風上で降ってきているあきちゃんはさっきよりは乗れている。私も風上に登ろうとしてもなかなか登れずこてんこてんと沈。あきちゃんは一人になってからは本当に緊張してしっかりしなくちゃと頑張ってたらずっと上手に乗れたと言っていた。(人間火事場のバカ力は出るものなのだ)が、私を見た途端安心して沈、沈を繰り返す。笑
やっとの事で座って横に漕いできたキーちゃんとカナちゃんに追いつき、そこからはボールドウインまでみんなで漕ぐように声をかけて頑張った。岸へ岸へと漕いでいたけれどそれでも予定より少し流されていたので、ドライリーフが出ているところに近づきすぎてしまった。カナちゃんとキーちゃんはギリギリセーフでそこをクリア、あきちゃんはこのまま流されたらドライリーフに持って行かれると判断して、さらに風下側に回り込むことにした。
下ってる最中にもドライリーフに向かって崩れる波のうねりにバランスを崩す。もうヒヤヒヤ。リーフの部分を回り込み、ボールドウインビーチの風下あたりになんとか上陸できたときはもう私もホッとして力が抜ける思いだった。雄大な景色を見せて楽しんでもらうとか亀や綺麗な海のパッチを見せることは一切なく、写真もろくに取れずとにかく3人に怖い思いをさせないよう、不安にさせないようにとそのことだけで必死だった。

カナちゃんはわたしのことをよく知ってるし私の態度を見てことの重大さを理解し、泣きっぱなし。私も海で声を荒げてしまったことにすごく申し訳ない思いで、こころからあやまったけれど、多分彼女も私に言わんとしていたことはよくわかってくれていたと思う。キーちゃんもカナちゃんもこのコンディションで漕ぐだけの実力は十分すぎるほどある。でも判断力や出たことのない海でしっかり自分の安全を確保するまでの知識や経験はまだない。それなのに、私は海でスタートする前に話すつもりで、時間を気にしすぎてビーチでしっかり詳しい説明をしなかった。それは私の責任であって何もわかっていない彼女たちが悪いのではないのだ。
レッスンではもちろんだけど遊びでも誰かを連れて行くと言ったらそれはその人の安全や精神的な不安をカバーすることを請け負ったという意識を持っていなくてはならない。普段レッスンを基本マンツーマンでしか受けないのもそのため(知り合い同士とかレベルが全く同じ場合例外はあるけれど)ことにダウンウインドではそれがとっても大事になるはずなのに、そして自分の目でその人がどれだけ焦げる上手から出ないと連れて行かないと前から言っていたはずなのに、自分でそのルールを破ってしまった。それも私のミス。

結果オーライだったけれど、それでも普段なら細かくグライドのコツとか、景色の説明、大きな海の雄大さ、怖さ、ダイナミックさを感じてもらいながら一緒にダウンしてダウンウインドの素晴らしさを満喫してもらうところを、自分も必死、彼女たちも必死、下手したら恐怖心でダウンをやらなくなってしまうような最悪の状況に追い込む可能性もあったかもしれない。軽い気持ちでやってはいけない。漕げる人でも精神的に沖にいることに慣れていない人もいたり。(上手なサーファーでもパニックすることがある)風向きなどが理解できない人もいる。カラマはダウンウインドパドルの素晴らしさは自分が今までやってきたあらゆるスポーツで得た知識と経験を全て駆使し、それが生きていくスポーツだということだ、と言っていた。いろんなエレメントに神経を研ぎ澄ませ、手中し、いろんな危険を想定できる想像力を養うことも大事。私もそこが一番大事なのはわかっているにもかかわらず今回はカバーしきれてなかった。大いに反省させられ、謙虚にさせられたダウンウインドになった。とはいえ3人ともそれぞれ自分なりに多いにチャレンジし、楽しんでくれたとは思うので、結果オーライとしておこう。
みんなとのランを終えた後、頭を冷やすためにもう一本ショートダウンランをやりに出た。一本目よりさらに吹いていて久々にマウイらしいグライドができグイグイ進んでい苦。昔毎日のように漕いでいた頃は一人でいつもこんな感じで漕いでいた。何も考えずこぐことグライドを見つけることに意識を集中していくと、なんだか瞑想のような境地に入り、自然への感謝の気持ちでいっぱいになり、その後、いろんな今まで思い浮かばなかったアイデアや企画、書きたいと思う記事の内容などが浮かんでくることがあった。
まだまだ漕ぎは復活し始めたばかりでなかなか思うようには漕げないが、そのうちあの瞑想のような状態でこげるようになれるよう、頑張って腰を直そうと強く思った。
一本のランのおかげでスッキリ、そのままジムへ。みんなも一緒にリハビリクラスに参加してくれた。明日のレースを前に原田さんはしっかりストレッチ、ガールズもここ数日毎日頑張ってたので気持ちよさそうにストレッチしていた。
 帰り道福島ストアでダウンウインド帰りのジミーさんと遭遇。
プロトタイプの新しいM16のデザインを原田さんに説明してくれた。後で聞いたら原田さんはウインドサーフィンしていた頃、ジミールイスのカスタムボードに乗っていたとか。

明日はとうとうM2M、6人の日本人パドラーが出場する。みなさんがんばって!!




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