2013-03-05

3月5日 What a great day! part 1


昨日の夜ぎりぎりで出来上がってきたボード、おかげで宗豊君は今日海に出ることができる。『前回の波は大きくても良くない波だったけど今回は良さそうだね』と言いながら多忙を極める中頑張って仕上げてくれたショーンの優しさは私にも響いたけど宗豊君が一番感じているに違いない。

宗豊君とタカさんは6時半にピアヒで待ち合わせ、車で向かっている私に「大きくはないし、風も上がってきそうだけど今は出られそうだから出る」と連絡をくれた。私が着いた時二人はワックスを塗込んでいるところだった。ピアヒに出るのは4度目のタカさんはもっと大きい日にも出ているからか、落ち着いていた、宗豊君も落ち着いていたが、表情に緊張感がある、まあ当たり前だ。緊張してなかったらそっちの方がおかしい。パタゴニアから出ているビッグウエイブベストをウエットの下に着込んでいく。パドリングがしやすいようにお腹の部分だけ浮力体がついていないデザイン。巻かれても脱げないように裾のところに穴かいくつもついていて股をくぐらせてひもで縛ることもできるようになっている。
崖の下まで私もついて行ってショアブレイクを越えるところを見守った。ジョーズの波よりこっちの方がヤバい、とみんなが言うだけあったほんとに見ていても怖い。でも二人ともちゃんとタイミングを見計らってすんなり越えて行った。
(ジョーズの岸辺には太いストリンガー入りのボードの残骸、そしてブランクスのかけらがあちこちに打ち上げられてい手、ブランクスの墓場みたいな雰囲気があった)
なかなか割れないが、彼らにとってこんなに完璧な初ジョーズもないだろう、何しろ自分たち二人以外に誰もいないのだから。ここのところ強風が吹き荒れていること、ジョーズブレイクには今ひとつサイズが足りないと見て、ほとんどのローカルはエピックコンディションが予想されるホノルアにいくだろうと私も予想していた.ビンゴ!という感じ。
セットがなかなか来ないので反対にじっくり落ち着いて様子を見極めることもできただろうし、人がいない分完全に波に集中できただろう。多分宗豊君が望んでいた最初のトライでの理想だったのではないかな。もちろん風がなければずっといいのだがそうすれば人が多かっただろうし。


何回か波のピークでテイクオフしトライしてからこれだという波に宗豊君がテイクオフ。風が強くボードの下から吹き上げて板を吹っ飛ばしそうになるように見えるし、めりめりとわれる波を背にとにかくがんがん漕がなくては追いついて行かないので見ていてもドキドキする、が、完璧なタイミングでパーフェクトポジションでテイクオフし、かなりのロングライドを完璧に決め、スープに飲み込まれることなくチャンネルまで乗り継いだ。
私もほっとしたとたん、感動が胸にわきあがったけど、多分横で見ていたタカさんもそしてたまたまクリフに見に来ていた人たちもみんな歓声を上げていたんじゃないかな。隣のお兄ちゃんがiPhoneで撮った写真を見せてくれた.私もとっていたんだけどドキドキしすぎて写真に集中できず、ズームができていなくてライディングがごま粒にしか見えない。残念だ.ほんとにいいライディングだったのに。
その後いいカメラをもってるhiroさん達登場。残念ながら風がどんどん上がってきてテイクオフはさらに難しくなり、宗豊君がごり押しでかっこいいテイクオフをしたがノーズが引っかかってワイプアウト(ノーズが食い込んだはずなのに風が強くてボードがひらひら飛んでいた)その後2本スープで巻かれただけでかなりインサイドまで来ていてびっくり。ジョーズの波恐るべし。
その後ちょっとチャンネルで座って肩をぐるぐるまわしていたので巻かれたインパクトで痛めたのかなとちょっと心配になったがまたラインナップに戻ったので一安心、ただやはりちょっとしてからもう終了という感じでチャンネルでタカさんを見守っていた。タカさんもどうしても一本乗ってから上がりたいのだろうが、そして何度もチャレンジするのだが、風が強すぎてぎりぎりのめりめりのところでテイクオフしていても板が風で横になってしまっているように見えた。こんな中でテイクオフしようとするだけでも私にはすごいとしか言いようがない。結局2時間半くらいはいっていたのだろうか二人でパドルしながら戻ってきた。

でもまだまだ安心はできないのだ。何しろジョーズの波より怖いとみんなが言うショアブレイクを抜けて戻って来なくてはならない。タカさんは恐ろしいスープが後ろに迫り引き波に後ろに引きずられながらも直進、いったん決めたライクしかないという感じでスープッともにビーチに乗り上げ無事帰還。胸とよくンはその後何度かセットを見ながら見逃し、最終的にばっちりのタイミングを見計らって戻ってこれた。
帰って来た彼らの表情はこれ以上はないといういい顔だった。ビッグジョーズではないし、完璧なコンディションではなかったかもしれない、でも今必要な経験、そしてこのサイズで巻かれた時どうなのか、このサイズの波のときのショアブレイクでどうなのか、それを今度サイズアップしたときの判断に使うことができるだろうし、いろんなことを吸収したはず。

宗豊君の嬉しそうな顔が朝出る前のときの緊張した(でもやるぞという決意の感じられる)表情とあまりに対照的なので面白かった。自分が入ったわけではないのでそれがどれだけすごい感覚なのかはわからない.でも自分がその5分の一の波にはいるときにでも感じるものを考えれば、ここで今日乗ったことがどれだけその人にインパクトを与える経験かは想像できる。そんな彼らの大事な朝をシェアさせてもらえて感謝している。
(わざわざ下まで降りてきて一緒に写真をとらえてくれと頼んできたフランス人の少年、宗豊くんは慣れてるかもしれないが、サンデーサーファー、タカさんが初めて一緒に写真を撮ってくださいと頼まれた記念のショット)
タカさんはその後今からなら半日仕事できる、と仕事場へ向かった。その気持ちの切り替えのすごさに宗豊君はびっくりしていた。

さて、二人からたくさんインスピレーションをもらった私はちょうどいい時間なのでそのままレインズへ。午後の話はまた別に書こうと思う。

1 comment:

  1. 岡崎様

    はじめまして。

    千葉県銚子の君ヶ浜をホームにしている内田というものです。

    偶然見つけたこのページに、あまりに感動してコメントを書かさせて頂きました。

    胸が熱くなる内容です。

    岡崎さんの文章を読むと力が湧いてきます!!

    今後も執筆活動頑張って下さい。

    誠にありがとうございました。

    内田博貴

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