2009-07-02

7月1日 サバニレースの結果


沖縄で先週末50キロの距離を島から島へと渡るサバニレースが行われた。これは私も一度参加させてもらってとても感動し、けちょんけちょんにやられ、海と先代の技術や智慧に対して謙虚な気持ちがおおきくなった。すばらしい大会でまたいつか行きたいと心から思っているものなのだが、いくことは出来なかったけれど、どきどきしながら皆がんばれ、と応援していた。

石垣の何代にも続くうみんちゅうである仲田さんは普段からサバニに乗って漁をしている本物のうみんちゅう、うみじゅらというサバニでレースに出るのは今年で4回目だろうか。今年は古式サバニ(アウトリガーを使わず、また舵もエークだけを手でうごかす昔ながらのやり方だが、操るのは半端なく難しい)での挑戦だ。私が参加したときも舵取りはエークではなかったが、アウトリガーをつけていないサバニだったので、何度も何度もひっくり返る大変だった。古式はわずか2艇だけが何とか大変な思いをしてフィニッシュしていた気がする。
でもやはりいったんやり始めるとどんどんチャレンジ精神もわくし、昔ながらのやり方を受けついできたいという気持ちも大きくなるのだろう。そんな仲田さんの話を聞いていると本当に夢が広がるし、たくさんのサバニがあの八重山の美しい海を行き来していた時代の風景を思い浮かべることが出来る。
古式でのレースは予想通り大変だったらしい、舵とりを仲田さんがほとんど終始やっていたらしく体力的にも精神的にも大変だったろうと思う。でも練習の成果があって古式サバニのなかでは5位でフィニッシュしたそうだ。

そして本島でショップをやっている沖縄を代表するウインドサーファー島袋直人さん。彼のチームで一度参加させてもらったのだが、ほんとにレースだけでなく、離島ののんびりした雰囲気や、海の美しさなど本当にいい経験だった。彼も毎年どんどんのめりこんで行き。今年はなんと自分たちでサバニを作っての参加だ。
実際にサバニを作れる船大工は沖縄にほとんど残っていない。だからこそ彼らが造ろうとしたことだけでもまず大きな意義があり、かなり注目を浴びたらしい。実際乗ってみると重すぎて微風には弱かったが、いろいろ次なる目標や課題がはっきりした、とすでにやる気に燃えてる様子だった。

結局レースの順位なんてさして重要じゃないのだ。そこにたどり着くまでの過程(古式で挑戦するのか、自分にとってどんな意味があるのか、あるいは去年と比べてどういったところで成長したか、仲間との結束が固くなったかなど)そして本人たちにとって意味があればフィニッシュできなくても十分参加する価値がある。
サバニレースには日本に昔からあったすばらしい技術と智慧を復活させたいという誇りと情熱が感じられるのがすばらしい、参加している人たち一人一人が本当にすばらしい顔をしていて一緒にレースできてよかったと思わせてくれる。いやレースに出ていなくてもその場にいるだけで彼らの熱い気持ちに触れることで自分にも自然と熱い何かが生まれてくる。来年こそはまた現場に行ってあの興奮を味わいたいなあ。
写真は仲田さん率いる石垣の古式サバニ、うなじゅら

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