2024-01-13

ラハイナレポート#20 9月28日 ラハイナルナ高校 校歌の合唱

 ラハイナレポート#20 —ラハイナルナ高校 校歌の合唱

みなさん、おはようございます。

毎週毎週いろんなことが次々に起きているマウイですが、それは一歩一歩復興へと前進しているとも言えると思います。災害が起こってしまった後、初期のショック状態、生死に関わる時期が過ぎた頃、政治的な介入や、支援の条件や環境の違いをきっかけに集落や元々結束が強かったコミュニティが分断されてしまうという話は残念ながら耳にすることが少なくありません。そういうことがラハイナでも起きたら嫌だなあと心配していますが、きっと小さなレベルではあるのでしょうけれど、今のところ、ラハイナの住民が一つになって復興して行かなければという気持ちで団結して前進しているように感じます。

9月21日の発表でグリーン州知事はウエストサイドの子供達のために燃えてしまった小学校の代わりの仮設小学校をラハイナの北側にある私有地を借り、そこに作ることを発表しました。軍とエンジニアチームが大至急教室やその他の施設を使えるように建設する予定です。また、10月8日にウエストサイドを観光客へも解放することに関しては賛否両論ありますが、被災者が心配しているような赤十字の援助でホテルで生活している被災者が観光客のためにホテルを追い出され、住むところがなくなるということは決してないことを約束すると発表しました。移動を強いられる可能性はあるけれど、必ず被災者が住むところに困らないよう対応するそうです。(が、実際の被災者から聞くとなかなか住むところが見つからない、期限が来たら出なくてはならないと心配が多いように聞こえるのも確かです)

23日にラハイナにより近い、ラウニポコビーチパークがオープンしました。ラウニポコビーチパークはウエストサイドからもノースショアから多くの人が来る人気のビーチパーク。シャワーも日陰もあり、バーベキュー台もあるし、赤ちゃんでも安心して水につかれるような壁に囲まれて守られた浅い水辺もある上、いつでも乗れる程度の波が割れてるから、家族みんなが楽しめる場所でもあります。子供の時にここでサーフィンを覚え、自分の子供にもここで波に乗ることを教えたという人も多いでしょう。駐車場もあるので行きやすいこのビーチがオープンしたのはとても喜ばしいことです。ただラハイナから数キロしか離れていないので水質がちょっと心配。あれだけの船が沈み、街全体が燃えて有害物質が空気に混じっていたりするくらいですから、海の水質も心配ではあります。

また、個人的にもそしてラハイナの住民やマウイの人たち誰に聞いてもポジティブな反応が見えるのは、ラハイナ復興のためのアドバイザーチームを市長が作成したことです。そしてその人選がとても素晴らしい。多くの人から尊敬されているラハイナ住民であり、それぞれが違う分野でリーダーとして常に精力的にコミュニティーのために動いている人たちなので、みんなが信用してるし、彼らが言うことなら納得するのではと思えるのです。今後週一回市長とミーティングをしながら復興についてのアドバイス、住民からの直接意見を伝える役割を果たしていきます。

ラハイナアドバイザリーチームのメンバーは以下の通りです


■アーチー・カレパ
8世代にわたってラハイナに住み続けているハワイアンファミリー。2012年にはハワイウオーターマンの名士に選ばれ、ホクレア号のメンバー、マウイオーシャンレスキューのリーダーでもあり、ビッグウエイブサーファー、ウオーターマン、ライフガードとしてハワイ中に知られる人物です。

■カリコ・ストーナー
ハイアットリゾートのハワイ文化アドバイザーであり、プウククイ水源のオペレーションの監督そしてハワイ語の学校に子供を通わせている親でもあります。

■キム・ボール 
ビッグアイランドで生まれ育ち、マウイで最も大きなサーフショップ ハイテックの創始者であり社長。1980年以来ラハイナルナ高校のレスリングのコーチを務めています。

■ローリー・デガマ
ラハイナにあったノカオイデリのオーナーであり、ラハイナルナ高校のPTA会長、2代にわたってラハイナでHop WOストアとベイカリーを経営していました。

■リック・ナヴァ
アメリカの退役軍人でありラハイナに起点をおくMSI Mauiのオーナーであり社長、またマウイ西部タックスペイヤー団体の委員会、マウイ商工会議所、ラハイナロータリークラブのメンバーだった人物。

5人のうち4人はラハイナルナ高校の卒業であり、3人は火事で家もなくしてしまったラハイナの住民です。

すでにラハイナとカフルイにおいて2回住民のミーティングが開かれ、27日にはどんな復興を望むか、住民の証言の場が設けられ、多数の住民が集まり思いを訴えました。

マウイ市長は彼らと共に話し合いながら住民の気持ちに寄り添った復興をいろんな角度から進めていくと発表し、復興だけにフォーカスする部署を設け、その復興局の長にジョサイア・ニシダ氏を任命しました。

できる限り透明な政治、住民の意見を聞きながらの復興を進めようとしている市長にも好感が持てるし、住民の代表として非常に適していると思われる5名のチームには大きな期待がかかっています。

ラハイナへの支援は世界中から絶え間なく続いています。

例えば、通っていた生徒の多くが全てを失い、学校自体が燃えてしまったので家があっても通う学校がなくなってしまったラハイナルナ高校の生徒たちへのサポートもほんとにすばらしいものばかり。

まずハワイ大学は2024年のラハイナルナ卒業生に対して学費免除を申し出ました。ラハイナルナ高校のスポーツへの寄付金が325,000ドルほど集まり、これは生徒たちの遠征費や部活動の運営費に使われます。
他にもハワイ出身のフットボールプレイヤー、フィラデルフィア・イーグルスのマーカス・マリオッタからはフットボールチーム全員にお揃いのナイキの赤いスパイクシューズが送られました。
ナイキは男女のバスケットボールチームにシューズと器具を寄付、元プロ野球選手のシェイン・ビクトリーノは野球とソフトボールのスパイクシューズと器具を寄付。カパルアリゾートのゴルフマーケッティング担当のマーク・ロルフィングは男女のチームにゴルフの道具を寄付、ヤング・ブラザーズは選手や学校がスポーツ器具などを一時的にキヘイに保管できるように4つのコンテナを寄付。ハワイアン空港、パゴタホテル、エンタープライズレンタカー、Zippy’sはハワイ州内での大会遠征におけるラハイナルナのフライト、レンタカー、宿泊、食事などを支援することになりました。

30日にはラハイナルナ・フットボールチームの今シーズンオープニング戦、ボールドウイン高校との試合があります。辛いことが多かったこの夏ラハイナの住民たちは、この試合をある意味復興の一つのステップのように感じていて、多くの人が楽しみにしています。おそらく今までにないほどの観客でフィールドが埋め尽くされラハイナルナの素晴らしい校歌の合唱が響くことでしょう。

画像1-6: ラハイナルナ高校の学生たち。
画像7: ラハイナ住民のミーティング。



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