(photo by Danny)
田舎暮らしのことをスローライフとよく呼ぶけれど、本当に田舎で自給自足を目指している人なら誰でもこの暮らしのどこがスローなんだ!というはず。There is nothing slow about country life. やることが次から次へと、大忙し。でも好きだから楽しいし、手をかければかけるほど健康に、すくすく育つ。
(馬と鶏を塀の中に閉じ込めておくわけにいかないので馬たちに食べられないよう畑を塀の中に入れた。それまではいつも馬と鶏との戦いだった)
私の住んでいるところはかなり田舎で(不便ではないので全然田舎に住んでいるという意識はないのだが)ジャングルのようなところを抜けてくるからみんなほんとにこの道でいいのかと心配になるらしい。携帯の電波も届かない。
でもマウイに来始めた頃からずっとこのエリアに住んでいて、ここ以外にはあまり住みたくないと思っていた。数年ワイルクちょっと小高いところにも住んでいたけど、家は立派で景色も良く、普通だったらそっちをみんな選ぶと思うのだが、やはり住宅地で鬱蒼とした緑はなく、畑もできず、近くのイワオ渓谷で自生の果物をとったりすることが楽しみになっていた。それはそれで良かったけどハイクに戻ってきたら、ああ、自分にはやっぱりこれがあっていると実感し、朝起きた時からこれやろうあれやろうと外に出るのがワクワクする気持ちになる。ここに済ませてくれている大家さんのまりちゃんには心から感謝。だってコロナで家から出られない時期にも家にいるだけでも散歩できるし、自然の大きな空間があるから全く閉塞感がなかったもの。
トイレの芳香剤も季節によって変化。ジンジャーの花が一番好きな香り、これからがシーズン。
とうわけで普段は畑をやってても途中で日本に帰ったりで伸び放題になったり雑草畑になってたりしたのだが、今年は半年以上続いているので野菜は玉ねぎとニンニク以外は全て買わずに済んでいるし、余ったものはソースにしたり保存できるよう色々工夫してとにかく貧乏性なので無駄にしたくないから色々作っている。
バジルがたくさんある時はペストにして冷凍。バジルじゃなくても人参の葉っぱ、パセリ、ルッコラ、ケールなんでもオーケーだから有り余って食べきれない時に作っておけば、ピザ、パスタ、トースト、炒め物の隠し味など何にでも使える。
バナナも腐る前に冷凍したりバナナブレッドにしたり、秋はパッションフルーツ、冬から春にかけてはレモンとオレンジ、そして初夏にライチー、今はグアバの季節がスタート。
そしてたまにおすそ分けでもらうマンゴーが最高。そんなわけで果物は私にとって買うものではなくとったりもらったりするもの。
普段より時間があるので雑草や食べられるものを調べ、調味料も色々乾燥させて作ったりしている。シャンプー、リンス、歯磨き粉、ローションも手作りで周りにあるものを材料に作っているし、きゅうりと思ってまりちゃんが楽しみに育てていたのが実はヘチマだったという笑い話のおかげで、ヘチマが手に入りそうなので念願のヘチマ石鹸(何回か買って、自分で作りたいと思っていた)ももうすぐトライできそうだ。
(ノニジュース、熟成させるのに半年くらいかかる、三つくらいのみからこれくらいしかジュースが取れない)
癌になってしまった友人のために新しいのにジュースのバッチも仕込んだ。もちろんこれは癌だけでなくいろんなことに効くらしく、私も美味しくないけど1日スプーン一杯飲んでいるし、マウイに住む癌だった友人も副作用が辛くなくなると言っていた。子供を授かったのはノニのおかげと言ってるのに信者も友人の中に入るし、とにかくハワイでは昔からの万能薬なのだ。
グアバはどの果物よりもすぐ腐ってしまうのでジャムやソースにして保存、そうすればヨーグルトにかけたり、スムージーに入れたりできるし、実はポークソテーやドレッシングの隠し味にもいいのだ。
最近サワーサップも巨大などがたくさん取れるようになり、まりちゃんがくれたけど、かなり濃厚な食感と味なのでたくさん食べれない、スムージーに入れて消化しているけどアイスクリームにしたらいいのではと思うので今度はアイスクリームに挑戦しようと思っている。
グアバの次はスターアップルシーズンかな?スターアップルもたくさんは食べれないので、これは輪切りにしてドライフルーツにすると甘みも出るし、見た目もおしゃれなのでこれまた楽しみ。
野菜は今がピーク、水菜、ルッコラ、インゲンはおすそ分けしないと食べきれない。そしてサラダ菜関連少々、三つ葉、
パパイヤは食べた後のタネを勿体無くて捨てられず土に埋めると全て芽がでるくらい強いので苗ばかり増えてしまっているが、檻の外から出した途端に馬にやられるので、対策を考案中。檻でなくても兵をして馬さえ入ってこなければ鶏は食べないと思うので兵で囲ったエリアにパパイヤとドラゴンフルーツを植えようと思っている。
(コンポースト基地、1ヶ月くらいでふわふわになってくる)
育ちすぎる木をたくさん切り落としたものを焚き火してできた灰とこれまた有り余るほど毎日出てくる馬の糞、そして枯れ葉、そこに引っこ抜いた雑草やキノコ栽培で使い終わった藁、料理ででた野菜のカスを混ぜ込んでコンポーストもたくさん作って第一号はすでに土として活用中。栄養ありすぎてそのままでは使えないくらい、ミミズだらけのふかふかのコンポーストが出来上がる。
(庭にいくらでもある糞を拾ってコンポーストに入れる)
これも普段だと途中で日本に帰ったりして、根っこがたくさん生えてそのまま土に還っていってたけど今年は畑に活用できている。
鶏の糞も見つけては拾い、大きなバケツに水と一緒に入れて発酵させ、肥料にしている。これがまたすごいパワフル。
畑にもお金はかかっていない、買った土は一袋、それ以外がコンポーストとそこらへんの土を混ぜ、石灰などを入れて整えた。
苗も買ったのは10ドル分くらい、あとは伸びきったもののタネを使ったり、冷凍庫に入っていた昔のタネ、それから食べたものから出たタネを使って育てている。
(photo by Danny2年前は簡単なフェイスだけで作ってたけどやっと育ったと思ったころ、馬が首を伸ばして、塀も壊して全て食べ散らかして終了、めっちゃ頭にきたけど馬のやることだからしょうがない)
ねぎ、ニラ、根菜は食べかすを植えてまた育ててるし、シソなんてもらった時点で既に20年近く続いている生命力の強い品種で、私がもらったものもすでに3、4回循環していて、また今タネをつけている。大量の紫蘇の葉は食べきれないけどもったいないので色々調べてシソ味噌、シソドレッシング、そしてシソジュースに。シソジュースが思いの外美味しかったのでこれからはいくらたくさん育ってもそれを作ればいいやと嬉しくなった。
塀の周りにツルのある野菜をと思ってさやいんげんを育てようとしたら失敗。現在はゴーヤの種を物色中。
鶏たちの卵も夏はあまり産まないのか、1日1−3個くらいしか見つからないが、私はそんなに卵は食べないのでケーキ屋料理に使う程度にあれば十分。バナナブレッドをたくさん焼く時にバナナと卵を買わずに済むのはありがたい。
ちょっと多めに卵があるときは煮卵を作っておくと何もない時にちょっとしたおかず、おやつになる。
去年収穫して乾燥させたハワイアンペッパー(沖縄の唐辛子と同じ)はあまりに辛くて、料理に使うのはほんの1ミリ足らずで十分なのでまだまだたくさん残っている。
今年はクースを作ろうかな?
そんなわけで今うちの冷蔵庫と冷凍庫は保存してるものでいっぱい。
塩ねぎダレ、シソ味噌、シソドレ、シソジュース、グアバソース、レモンバター、パッションソース、バジルソース、きのこスープストック、冷凍バナナ、イチゴ、パパイヤ、パッション、マンゴ、サワーサップ、アボカド、焙煎前のコーヒー豆、オールスパイス、ピンクペッパー、オレガノ、パセリ、本棚にはノニジュースの瓶詰めが並んでいるし、なんだか魔女の部屋みたいになってきた。
部屋の反対側の壁にはプラごみと貝殻とビーチグラスと流木が入った箱が積んであるし、そっちも色々作りたいのになかなか時間がないくらい。(誰かにプレゼントをしたい、しなくちゃというときに慌てて作るくらい)
来週は一回どれくらい買い物に行かずに(でも食事は豊かに美味しくをキープして)生活できるか試してみようと思う。お金がなくても自然を利用する知識と時間と創造性を駆使することで十分いい生活ができると思うし、そのチャレンジが楽しくてたまらないのが現状。
旅はできないし、日本にも帰れない、みんなにも会えないし、イベントやツアー、キッズキャンプもできないし、今年からグッと力を入れようと思っていたトラッシュ2トレジャーも途中でストップ状態(各地で仲間が頑張ってくれてはいるので心強いけど)
でもピンチこそがチャンスだと思うし、コロナが収束してからもこういったことは役に立つし、よりシンプルに質素に、でも心は豊かになる生活に近づける気がするので色々チャレンジしていこうと思う。
やることいくらでもあって時間も体も足りない。でも充実してます。
ちなみに
バナナブレッドや収穫したもので作るレシピを
ウエブサイトに出しているのでよかったら試してみてください。どれも簡単ですぐできるものばかりでオススメ!
田舎暮らし満喫中です。