2017-09-03

9月3日 テッドカップ


 全員集合写真
エリートクラスファイナリスト

高校生のタカくん、エリートクラスファイナリスト、これからが楽しみ。

サップサーフィンの裏全日本とも呼ばれているほど評価の高いテッドカップが無事開催された。台風のど真ん中、主催者側は胃がキリキリする思いだったと思う。が、結果的にこれ以上はないという判断で最高の大会が行われ、おそらくきた人たち全員が心も体も充足感たっぷりだったのではないだろうか?少なくとも会場にいた一人一人の表情からはそう見えた。

鎌倉から一緒に乗せていってくれたハイサーフの面々、普段の地元の仲間と一緒に来れたのも嬉しかった。
二日間の予定が初日は大嵐の予定のため夜のパーティーのみとなり、ビギナーズクラスなどはキャンセル。日曜1日で全てを終わらせるプラン。
今までになかったほどのチャレンジングでエキサイティングな波で、全てのクラスで感動を呼ぶチャージやハイパフォーマンスがノンストップで繰り広げられ一日中、海から目を話すことができなかった。

レベルで言えば全日本以上のメンバーが集まっているのではとまで言われるこの大会だけれど、絶対に勝ってやるという闘志より(もちろんそういう気持ちを持っていただろうしそれも大事だけれど)サップサーフィンが好きで仕方ない、仕事をしながら家族に気を使いながらなんとか時間をやりくりし、イメトレをし続け、インターネットで上手な人のビデオを見て研究したり、道具の研究をしたりもする。海に行ける時間をなんとかやりくりし、無駄にしないようどんなコンディションでも喜んで練習する。この大会に参加した選手のほとんどそんなアマチュアの選手たち、そして誰のためでもなく、ただただ波が好きで海に魅せられ取り憑かれた自分、ずっと地道に練習し続けて来た結果、成果を出そうとやって来ていて、その純粋な情熱が一人一人から感じられ、それに何よりも感動した。そしてなかなか会えない仲間たちとの再会、そして新しい、でも同じ気持ちを共有し、情熱を分かち合える新しい仲間との嬉しい出会い。
京都からの前川さん、息子さんの手書きのグラフィックで頑張れって書いてある。

11歳の小学生から65歳の最年長まで年齢もバックグラウンドも、そして大会に出る目的や目標もみんな違うけれど、その場にいて、波に挑戦する気持ちはみんな一緒。だから自分以外の人のチャージや眼を見張るようなパフォーマンスにもライバル意識を燃やすというよりは、一緒に喜び、讃える様子があちこちに見られた。

一人一人が興味深いストーリーや出るまでの経過があったと思うし、、たくさんの人のことを書きたいのだけれど、、

例えばたろへいさんこと、藤沢に住んでいる藤島さん、40代以上のマスタークラス、そしてオープンクラストロングボードスタイルの3種目にエントリー、もともとマラソンや長距離のさっぷれーすにも出るタフな選手ではあるけれど、1種目でさえ勝ち上がっていくとヒートをこなすのにクタクタになるのに、3種目とかヒートアップし続け2エリアで進められてるヒートで右の海面でのオープンクラスが終わったらすぐに走って左の海面のマスターズクラスに出る、というような状態。それもオーバーヘッドのハードな波で巻かれながらのパフォーマンス。もうヘロヘロだよと言いながらも大活躍。最終的にはマスターズで2位。でもサップのあらゆるスタイルや楽しみ方を実践している彼はとてもかっこよく見えました。

レディースクラス、総勢16名くらいいたのではないだろうか?それだけでも層が厚いのを感じて嬉しい。
練習熱心なことでは全国的に有名、ウインド時代からの友人、ちづちゃん、バハも常連。今回は第2位。
朝早くのクローズアウトに近い波を見て、自分がこれを乗りこなせるのだろうかと不安にならなかったレディースはいなかったと思う。それでも少し波が落ち着いてくると、ヒート前にみんな海に出て練習を始め、本番はものすごい巻かれ方をしてもひるまず、果敢な挑戦を見せ、見ている方も思わず手を握りしめるほど。
今回優勝したせんちゃんこと永井千尋さんはその中でも勢いとスピードでダントツだった。せんちゃんは2年連続で一回戦負けの悔しさを味わい、去年一年本当にサーフィンとサップを頑張り続けてきた。同じ店とメンバーたちはそのことを知っているからみんなで大声で応援し自分のことのように一喜一憂してその仲間意識も一緒に頑張ってきたからこそだろう。
2年間悔しさを糧にずっとずっと努力してきた彼女、それが成績として報われた瞬間だったし、努力していた人が勝つとみんなが嬉しい。
他のレディースたちもみんなそうだと思う、本当に上がってくるみんなに心から思い切り拍手を送った。

グランドマスターズファイナリスト
グランドマスターズ、こんな波の中頑張りすぎたら心臓大丈夫なのか?なんてからかわれていたこのクラスの選手たちだが、彼らのチャージを見てからもからかう人は一人もいなかったでしょう。石垣からはるばるやってきた最年長の津村さんを始め、いつもは裏方メーカー側の伊佐さん、他にも多くの熱い親父、(オジイ?)たちが感動させるツッコミを見せてくれ、個人的には最も感動したかも?特に優勝した『』さんの決勝ヒートの後半で見せたリッピングには度肝を抜かれました。どう見てもグランドマスターズの動きではなかったし上がってきた様子はど真っ黒な肌にギョロとした目が嬉しそうだった。意外なことに『」さんもマスターズでロングボードっぽい板で優勝した飯沼さんもいい波で知られるわけではない新潟からの参加。なぜ2部門も新潟からの優勝者が出たのか?とても不思議だったが、それだけ熱い気持ちで頑張っていればどこにいても上達し、上手くなれるという証明がされた気がしました。
マスターズファイナリスト
新潟だけでなく北は東北、南は南西諸島までそれぞれのエリアから仲間と一緒に遠征に来ている様子も楽しそうでした。

キッズの活躍も目立った。とてもキッズやジュニアとは思えない落ち着きぶりとチャージ。中でも旭君は、エリートクラスでも決勝まで上がり、高校生でノーマークだった井上たか選手と並んで、世界のトップクラスで戦う、ベーンと堀越リキプロと一緒に戦いながら全く遜色なかった。この経験に大きな自信とモチベーションをもらえたはず。

若手はみんなヒートを一つ上がるたびに上達している、そんな感じ急成長したように見えた。

ロングボードクラス。実は今まであまりロングボードクラスのヒートを見たことがなかった。だけど今回のヒートはかっこよくて、自分も少しロングボードを練習したいと思った。ロングボードらしいライディング、そしてこんな波の中ノーズライディングを決めたり、彼らには彼らのプライドがあり、スタイルをバッチリだしていたのがかっこよかったなあ。

オープンクラスの細井誠さんの優勝も感慨深かった。
ウインドサーフィン時代(20年前?)から知っているけど決して器用とは言えないバンちゃんだが週末はどんなコンディションでも海で練習していたらしい。どんな人にでも努力を続けさえいれば神様は必ずいつかご褒美をくれる。なんだか彼の前にだけいいセットがポンとやってくるようにも見えて今回は完全に流れが彼の見方をしていた。そういう日が来るから、努力した甲斐があり、負けた人も励みになる。
努力してきた自分が一番嬉しかったのだろう、表彰台で思わず泣いてしまった50に近い小さなおじちゃんバンちゃんをみんなもからかいながらジワーと目が潤んできたに違いない。

もちろん負けることは悔しいけれど、この大会では人と競うというより波と向き合い、その波と向き合う気持ちをみんなで共有した同志としてのつながりが感じられたように思う。そして本来波乗りってそういうもんじゃないのかなと改めて感じました。
大会は素晴らしい、でも結果ばかりにこだわってしまうとそこまで頑張ってきたのか、それとも努力してなくても買って満足しちゃうのかって疑問が残る、でも大会のために全力を尽くすこと、そして同じように頑張ってきた仲間と出会い、再会し、みんな全国でそれぞれ頑張り波を楽しみ、海から学び勇気をもらって生きているのだと感じることでまた家に帰って頑張れるのなら大会ほど素晴らしいものはない。
ウインドの頃から私はどんな世界大会より御前崎の真冬に行われる全日本が好きだった。なぜなら本当に純粋にウインドが好きでたまらない仲間が全国から集まり、鼻水垂らしながら顔真っ赤にしながらも真剣にそして素晴らしい表情で切磋琢磨し合うから。そのエネルギーと同じものをテッドカップでも感じ、改めてこういった大会の素晴らしさを実感した。

書き出せばいくらでもいろんな人のドラマが書ける。参加した人、そしてスタッフやカメラマン一人一人の情熱が一緒になるとこんなにもポジティブで素晴らしいエネルギーに満ちるんだと改めて思った。そんな場を大変な思いをしてでもライダーが喜ぶものをと頑張って開催してくれたテッドの潤くん、テッドさん、そしてテッドファミリーの皆さん、ありがとう!!

大事な海を共有できる仲間、サップから与えられたそんな宝物をずっとずっと大事に、そして成績よりもそこにいきつこうとする過程での経験と学びに重きをおいてこれからも海と付き合っていきたいなと思えた一日。感動をくださった一人一人に心からありがとうと伝えたい。



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