2012-10-30

10月29日 満月の夜


今日は満月。先月の満月から一ヶ月だというのに、めちゃくちゃ長く感じた。先月はまだ日本にいてちょうど台風が来ていたなあ。

昨日要領が悪くてカイトできずじまいだったので今日はカイト。お昼頃レインズにつくと波は小さいものの風は良い感じで吹いていたので迷わずストラップレスの練習。今からやっても11月にあるカイトの大会に間に合うわけではないのだが、いつかはやり始めないと一生うまくならない。思うように乗れないので嫌なのだが、やらなくてはうまくならない。
ありがたいことに波にパワーがないので何とかなるけど、ジャンプどころかちょっとした波越えも一苦労,でも普段だったらすぐ飽きてしまうようなコンディションでもあたおた、てけてけライディングでけっこうそれが面白い。どんなことでもそうだけどストラップレスもやり続けていればきっとどんどん楽になっていくのだろう、今はほんと嫌になるほど難しいけど。
どんどん風があがってきたので途中で板をチェンジ、どれくらい乗った感じが違うのかと思ったら、大違い!でもストラップレスに乗った後だと何でもできる気になっていつもよりきわどいところに当て込めた。
これは良いことかも。これからは波が大きすぎない限り、最初はストラップレスで乗ってからストラップをつけて乗ろう、そうすればもっと突っ込める気がする。
それがわかっただけでも今日は大収穫。
そんなことを考えながら道具をしまっていたらフキパの向こう側に虹がかかった。虹ってなぜこんなにも魔法みたいに私たちの心を希望と優しさでいっぱいにしてくれるのだろう。しばらくゲートにもたれかかりながら虹を眺めていた。

夜は映画『Chasing Marvericks』を観に行った。
これは実在のサーファー、ジェイ・モリアリティーの話で、とても良かった、マーベリックスのサーファー達も本人の役でたくさんで出ていたしマーベリックスのライディングの映像もとても迫力があった。
ジェイは16歳のときに初めてマーベリックスに入り、そのときにとんでもない大きな波にテイクオフしてひどいワイプアウトをしたのだが、その時の写真が雑誌の表紙を飾り、一躍有名になった。

私もその表紙を見たときの衝撃は今でも覚えているし、ビッグウエイブサーファーのメンタリティーにとても興味のある私としては彼自身にもすごく興味があっていつも記事を気にして読んでいた。

彼は大波に乗ることに取り憑かれて,パドルボードや潜り、それ以外のいろんなトレーニングを熱心に続け、又ロングでもショートでも何でも乗った。いつもとてもポジティブでカッコやどう見られるかより実際やることに一生懸命だったように見えた。決して恵まれた環境で育ったわけではないらしいが、心からやりたいと思い、努力を続ければどんなことでも達成できる、その証明みたいな人だった気がする。
彼は16歳のときにマベリックスで乗ってから6年後の22歳の時モルジブで潜っているときに亡くなった。これからだっていうときに!とっても悲しいニュースだった。わたしはつい彼を日本の佐久間洋之介君と重ねてしまう。二人ともビッグウエイブでどんなチャージを見せてくれるのかとっても楽しみだったから。


映画を見た後、自分がいかに時間と一つ一つのこの瞬間を大事にしていないか、そしてやりたいことに対して努力を仕切れていないかすごく感じてしまった。若い頃はこれ以上努力はできないというところまでやりきってる潔さを自分で感じることが多かった。だから大会で負けても、何かに失敗しても悔しさを感じなかった(これ以上やれることはなかったと思えばあきらめもつく)
でも最近何に対してもそこまで純粋に入れ込んでない気がする、勉強でも仕事でももちろん海でもやはり地道に一生懸命やれば必ずやそれだけの結果が出てくる、それが大会とか目立つ形でとは限らないけれど。
明日はもうちょっと自分をプッシュしてみよう、そしてこれが良いと思う練習をもっと地道に続けよう、だってほんとにいつ死んでしまうかわからないのだ、この一瞬一瞬を大切にそして感謝して、できる限り充実させなければもったいない。楽しい事をして過ごさなくては!
楽しむといえば、おとといの波が大きな日、ジョーズでは空気の入った巨大なホットドッグで波に乗ろうと何人かが大いに楽しんでいたようだ。これはイアン・ウオルシュ。結構風もあって面もきれいでなくてハードそう、この波でこんなもの乗ろうとするのが楽しいこと、なんていうこの人たちの余裕がうらやましい。他にもいくつも浮き袋を用意していて試していたらしい。私はとりあえずこんな波どれだけのサポートがあっても出たくないな。

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