2011-06-13

6月12日 帰路

昨日の晩はどのテントでも入って寝てていいよといわれていたので誰もいない大きなテントの端っこにもぐりこんで「ここなら人もそうこないだろう」と寝ていたのだが、朝起きてみたらなんと巨大なテントの中にびっちりひとが並んで寝ていた。足の踏み場もないくらいで昨日すばらしい演奏を夜空のもとできかせてくれたKAZZさんは寝るスペースがなく私の荷物に頭を乗っけて入り口のところの狭い隙間に細く体が伸びた状態で寝ていた。こんなに人が入ってきているのにそれにまったく気づかないくらい深く眠っていたのか!みんなをおこさないようにそうっとテントを出て気持ちの良い朝の空気をすいながら坂を降り、昨日のお祭り会場へ。もうすでに数人の人が起きて片付けをはじめていた。
アレだけの賑わいだったからものすごい片付けのようだったけどそれでもみんなで一緒にやると10時前にしっかり終了。その後途中で追分温泉に寄った。あまりにいいお湯で、もう天国に行ってしまった気分。私は1週間ほどまともに体を洗ってないので(一応ほぼ毎日ペットボトルの水やウエットティッシュ、そしてドラム缶風呂を使用して可能な限り清潔にする努力はしていたが)もうごしごし3,4回体中洗いシャンプーも3回目で泡が出るほど。だからお風呂から出てきたらなんだか色が白くなったて体重が軽くなった気分。周りの森も川も最高の雰囲気、しばしのあいだ一人で川に足をつけてお散歩。敷地内にはオーナーの趣味なのか古いクラシックカー(かなりぼろぼろのものも)が沢山会って、それがまたノスタルジックな温泉の雰囲気にぴったり。今は避難所にもなっていて、こんな状況なので世紀の営業はしていないらしいけど、この温泉を気に入った真司さんたちは鎌倉とどけ隊のプロジェクトのひとつにこの温泉の復活もリストに上げている。普段出される料理もすばらしいらしく、私もまた営業し始めたら母や母の友達のこういうところが大好きな仲間たちを連れて遊びに来たいと思う。
気仙沼から本吉の仲間と一緒にここまで来て、帰りは麻心の真司さんの車に図々しくも乗らせてもらい、コレで家の前まで車で帰ることになってすごくラッキー。そのうえ真司さんや一緒に乗っていた一平君の話をゆっくり聞くこともできて最高のドライブだった。職業柄(?)面白い人に会うと興味深々で我慢できずに質問攻めにしてしまうわたしだが、いろいろ面白い話を聞かせてもらい、また見かけによらず日本について、地球について、そして私たちの未来について大真面目に考えている二人にたくさんのインスピレーションをもらえた。


帰り道、すばらしいお祭りができたことで高揚した気持ちと、2回東北に来たけれど、たくさんやり残したまま一抜けしてしまうような気持ちが交互に私を襲ってきた。私はこうやってあの大変な状況からすっと逃げ出せる日常と平和な空間がある。だけど被災した人たち、そしてボランティアとしてむこうに住み込んで仕事している人たちには逃げ場はない、毎日起きるとあの瓦礫を目の前にし、入れない海を眺めて暮らしているのだ。なんだか申し訳ない気持ちと何にも役に立てなかったような無力感に襲われる。
いや、でもそれでもやらなかったよりはましなのだ、自己満足かもしれないが、何もしない、問題意識を持たないよりは実際の状況を知ることで何かしたいという気持ちになること、そしてさらに祈ること、よりよい状況に変わっていくことを願うことでほんのちょっとは力になれてるかもしれない。そう思うしかない。」
いくら頑張ってもそれが形に表れるほどの大きさの被害ではないのだ。
とはいえ私の周りで頑張ってる人たちの様子をみて、私も頑張ろう、彼らの頑張りを無駄にしないようにしよう、と思い、何かしら動こうとするのだから、私が動くことで、またさらにに私の周りの人が祈ったり動いたりするのかもしれない。
小さな力や思いが生むうねりを信じていくしかない。
私にとって今回の東北への旅はこれからの自分が進みたい方向に対して大きな影響を与えたと思う、方向が変わったというわけではなく、今までなんとなくこういうふうに進みたいと思っていた方向がもっとはっきりしたといえばいいだろうか。草が生えてわかりにくかったトレイルが、砂刈を除去し、草を刈ってきれいにくっきり見えるトレイルに変化した、って感じかな。どちらにしても素敵な経験、大きな学びにあふれ、同じような気持ちを持った同志が沢山増えた旅だった。
寝不足と日々の労働でくったくたのはずだけど心は沢山の栄養を与えてもらってさらに元気に心の筋肉をつけて戻ってきた感じ。いいぞいいぞ。

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