2010-07-20

7月18日 Naish Maliko Paddle Race

(photo by andrew mcgarry さてわたしはどれでしょう?)

今日はマリコレース。久しぶりにトモも私も朝のんびり過ごした。(今頃カラマはウオームアップで2回くらいハーバーまでダウンウインドしてるんじゃない、など冗談を言いながら、以前に彼はレース前に朝ダウンしてチェックしていた事実があるのだ)

でも時間をもてあまし、早めに出てハイクでここ数年飲んでいなかったレッドブルを買い会場に向かった。カイトやウインドの大会に良く出ていたころはヒート前にこ れを飲むとカフェインのせいでなのか、一気にアドレナリンが出る感じでがんばれる気になったが、体には悪そうなのでやめたのだ。今回も結局半分くらいしか 口にしなかったけどそれでもなんだかギンギンの気分になってきた。

(da boyz)
マウイの住人達はみんなとにかく風が吹いて欲しいのだが、典型的コンテストウエザーというか、いつもより雨が多く、風がない。反対に風がないところで普段 練習している人、パドル力に自信があるひとはうれしそう。私は板も小さいし、風がないときなんてやらないし、この間一回だけやったら本気で途中でやめよう かと思ったほどつらかったので、とにかく神様に風よ吹かせてくださいと祈りたい気持ちだった。

新しいスポーツの素晴らしいところは、コンペテイテイブではありながらもみんながとってもフレンドリーで、大会で新しい仲間と知り合ったり情報を交換し合 うことをとっても楽しんでいること。私もそれが一番の目的、いろんなところから来たスタンドアップ好きの人たちと話をしてとっても楽しい待ち時間だった。驚くべきことはボード。去年は14ftのボードを持っていれば、スゴーイ、いいなあといわれるほどでF-16やほかのアンリミテッドボードをもってるのは ごく少数のシリアスレーサー、モロカイクロッシングをやる人だけだった。プロのトモでさえ、12ftのプロダクションボード、ナッシュから14ftを貸し てもらった永松君はラッキーだねーなんて言ってたのに、今年は14ftは、誰もが持ってるボード、そしてビーチにはf16がずらりと並んでいて一般ライダーでも普通に持っている。12ftな んて、「ふーん、大変だね、がんばって」同情されるほど。なかにはあえて12ftのプロトタイプで出ようというトップレーサー達や小柄のキッズ達で早い連中もいたが。とにかくウエイブボードの変わり方もすごいけどレースボードも日々進化しているというかんじ。

今回のスタートは全員一斉スタートではなく、湾内からクラスごとにスタート。まずレイダウンパドルボードクラス、そしてアンリミテッド、14ft、そして 私のでる12ftクラスと3分ごとにずらしてスタート。これは私にとってはありがたい、上手な人たちの邪魔することもないし、大勢のなか混乱に巻き込れずにすむと思ったから。ただ一番遅いスタートで、さらに遅い私はフィニッシュもかなり上位の人たちから送れてビリのびりになってしまうからみ んながフィニッシュラインで待っててくれるのだろうか、あまりに遅いと恥ずかしいなあ、とそんなことを考えていた。

それぞれのクラスがスタート、私たちのバンになったがもうすでにラインはいっぱい、私は3列目くらいにいたが、みんなに押されて端っこにいた私たちは岩の 方にごつんごつんと当たりそうになるわ、大変。スタート同時に前にいた女性が沈、、巻き込まれないように何とかやり過ごし、カラマに教わった早いストロー クで自分の狙っていたコースに抜け出そうと必死でパドル。何人も抜かしたが目の前にひとりの男性がいて、私が右に行こうとすると彼も右にいき、私が左に行 こうとすると彼も左に行ってブロックしているようにさえ見える、こんなところでブロックなんて下ってこれから先いくらでも広い海が続いているのだからまっ たく意味がないのだが、彼もブロックする気はなくただふらついていただけなのかもしれない。
先週のモロカイまでのレースで優勝したコナーやいまやレースボードメーカーのKING、DINGKINGのマークたちも新しいチャレンジなのか、アンリミテッドではなくこのクラスで出ていたが、私が湾の外にでることにはもう見えないくらい下まで行っていた。
それでもめげずに私は自分が信じるコース、沖へ沖へとレグを延ばし、ほかのみんながどんどんインサイドを下っているので差が開いているように見えたが、それでも がんばって沖に漕いだ。同じコースを取っていたのはミッキーエスキモー、彼は結構早いライダーなので近くにいたのが励みになった、が、沖まで出てグライドさせるよ うになったらテクニックに長けている彼は一気に距離を伸ばし先に行ってしまった。
(photo by Andrew Mcgarry トップレーサーたちとくれベルと確実にフォームが違うのがよくわかる、反省)
風がないのでなかなかグライドしなかったが、それでもできそうなものを決して逃すまいと海面のシェイプに神経を集中させて乗れそうなときに一気にショートパドル。疲れていやになったときにはとにかく、この3倍以上長いモロカイクロッシングに出る人たち、中でも義手ででる人胸から下が麻痺しているにもかかわらず出場する人のことを思い出して、自分にハッパをかけた。もともと私は大会などで緊張したりすることがないし、結構本番に強い方で、実力以上の成果を上げることが多いのだが、今日もいつもよりいい感じで乗れている気がした。何人かのパドラーを追い越し、後ろから追い越されることはなかった(といっても一番後ろからスタートしたからだけど)3分前にでた14ftクラスの人たちも何人も抜かした。いつもは一緒にやってる面々が早いこともあり、抜かすどころか先にスタートさせてもらっても、半分も行かないうちにみんな点のように消えていってしまうくらい先に行ってしまう。私はおみそ、半人前の存在でいつも一人だけ遅れているので人を抜かす経験は初めてだったかも。

カフルイハーバーに入る入り口あたりになって気合を入れなおしたが、それでもやっぱりハーバー内はつらかった。絶対ペースを落とさずに漕ぎ続けようと決めていたけどどんどん流されて何とかフィニッシュラインのブイに引っかかる形で到着、そのころにはビーチからのものすごい歓声が聞こえてきた。応援してくれているといううれしさもあったけれど、鼻水だらけでつかれきった顔でフィニッシュするところをみんなに見られるのは恥ずかしいなあ、鼻水が乾いてほっぺたにこびりついてるんじゃないか、なんてことを考えながらフィニッシュ。おもわず「OH my god!」と叫んですわりこんでしまった。だってほんとにこんなにつらい思いをしたの久々だったんだもの。
とりあえずタイムなどうであれ、これ以上はがんばれないというだけがんばったという達成感があったからそれだけで十分だった、最高の気分でフィニッシュできた。

メンズはカラマが優勝。弱い風は彼の得意分野ではないのでそれでも勝てたことは彼もうれしかっただろう。誰よりも練習し、努力していたのはみんなの認めるところ、だからこそ彼が勝ったことを周りがみんな喜んでいた。
トモと永松君も大健闘、トップ3には入っていないけど去年とはレベルや道具も変わってきていて競争が激しいし、その中であれだけがんばればまんぞくなんじゃないだろうか。トモは今年も私の友人デビンと結構競っていたらしく(彼女はレデイースクラス2位をジェニーと競り合ってスタートからフィニッシュまでバトルしどうしだったらしい)最後にはレデイース二人に勝てて「よかったー」と笑っていた。道具でハンデがあったものの、よくがんばっていた。彼の場合来週のモロカイクロッシングが本番、こっちもがんばってもらわないと。
驚いたことに私は12ftクラスで優勝だった。2位のアナマリーとは7分という差をつけて、メンズをあわせてもこのクラスでは10位、みんなも驚いてたと思うけど本人が一番驚いた。レデイース全体でもアンリミテッドクラスの8人、そして14ftクラスでは一人私より早いタイムがいるだけで、10番目だった。いつも半人前扱いの私にしては十分だ。よく一緒に練習してくれる(遅い私を辛抱強くビーチで待っていてくれ足り差がつき過ぎないようにボードを取り替えて私の遅い板に乗ってくれる)デビンやランデイー、そのほかの仲間が心から喜んでくれていたのがうれしかった。そしてわざわざ見に来てくれたチームジャパン応援団もありがとう。

ボードが遅いことは言い訳にならない、何しろ上位の女の子達が私の板に乗っても簡単に私なんて追い抜かしていくことは明らかだから。何しろレデイーストップのアンドレアなんてビッグボーイズの中でも総合で10位に入ってしまっている!(フィニッシュ前のアンドレア、後ろからごついおにいちゃんが必死にあって追いかけている)とんでもない早さだ。まだまだ上のレベルの人たちは雲の上の存在だけれど、今回の目標だった自分の精神との戦いに勝てた、そんな気持ちで大会を終えることができた。けっきょくはけっかでなくぷろせすがだいじ

カラマが表彰式のコメントで言っていた。「4年前第一回のこのレースのとき僕達はみんなで、この大会は記念すべき大会だよね、何しろきっとこの先どんどんこのスポーツが大きくなっていき、大きな大会になるだろうから、と話していた。今振り返ってまさにそれが起こっているのを感じる、世界中から多くのレーサーが集まりとてもいい雰囲気でレースを楽しむ、風が願っていたほどには吹いてくれなかったとはいえみんなが心から楽しめるこのコンデイションがマウイにあり、このレースがあることを本当に心から感謝している。」
スタンドアップを始めたおかげで知り合えて多くの人たち、ものすごいビッグウエイブサーファーは60代のレジェンドパドラーたち、そしてこの先どこまでいけるのか可能性無限大のスーパーキッズ達、みんなが一緒に競り合い、そして親しくなれるってなんて素敵なんだろう。スタンドアップやってよかった、そしてマウイのたくさんの素晴らしい先輩達がいてラッキーだな、としみじみ思った。What a great day !

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