1月後半からずっと波が続き、ノースショアでも信じられないくらいいいパイプが永遠に続くかのように割れていたと聞きましたが、マウイも小さめのペアヒが5日ほど続き、その間にはクリーンなコンディション風あり、ウインドやカイトコンディション、トウインコンディション、そしてペアヒちゃんレンジャーコンディション(小さめに割れて人がいないか少ないか、とはいえ小さめでも割れれば15フィートくらいでウエストスウエルだからボコッとチューブになってりもしていましたが)
7年前に来て衝撃的なライディングとアロハなバイブレーションでみんなと仲良くなって帰っていったサムさんが久々にマウイ登場、今回もペアヒを狙いながらいろんな話や行動でアロハや波乗り道を教えてくれました。そして同行した宮崎の子もちゃんこと小森たかしくんもピアヒチャレンジ。最初の日はビュービューの風の中トウインもいてとても乗れる気がしないといっていたけど(でも安全に出て帰って来ただけでもすごい)結局その後メロー(?)な日に出て貸切ペアヒを堪能。その話と写真はそのうちレポートしたいと思います。
ずいぶん前の話ですが、11月に開催されたピアヒビッグウエイブチャレンジの時の解説があまりに面白いと評判でした、何が面白いって、ビッグウエイブや巻かれた時の表現が的確でありながらユニークで笑いを誘う、そして大波に乗れなくても雰囲気が伝わるものが多かったから、英語なのでなかなかわかりにくとは思ったけど、ちょっと会話の中で活用したり、どこかでそのフレーズを聞いた時に、おーそういう意味かとわかったら面白いんじゃないかと思ってリストアップしてみました。
普段から面白いフレーズをよくいうデイブ・カラマ、仏頂面しているようで実はめちゃくちゃユーモアのセンスがある人で、ピアヒの解説で多くの人が面白いと言ってました。
というわけで書いた原稿そのままここにアップします。
Peahi Challenge side story Big Wave Terminoligy
ピアヒチャンレンジで出てきたビッグウエイブの英語表現
サーフィンにはいつの時代にもサーファーにしかわからない表現やSurf Lingo(サーフィン用語)と言うものが存在してきた。
ビッグウエイブサーフィンだからこそ、その表現はさらにビビッドになるのか、ピアヒの波を知り尽くし、自分も生と死にこの場所で直面してきたデイブカラマだからこそなのか、大会のアナウンスがあまりに面白いと評判だったので、その表現力を紹介したい。
ニューカマーの紹介
(15歳タイシンプソンカネのチャージ)
”There are some new blood out there, very new blood, and Jaws is hungry”
今回は新しいメンバー(blood)がいる、めちゃくちゃフレッシュな。そしてジョーズはその血に飢えている。
(fresh bloodの他にもfresh meat もよく使う)
ラインナップでの心境について
”There are butterflies ,well not just butterflies , they are like bald eagles in your guts. “
心臓に蝶が羽をバタバタさせてる(ドキドキするときの表現)はず、いや、単なる蝶じゃない、白頭鷲(最も大きな鷲)が体の中でバタバタしてる感じだろう
“ you might not see in the screen , but there are swarm of butterflies attacking those guys right now”
テレビのスクリーンには映らないかもだけど、蝶々の大群が押し寄せてラインナップの選手たちを襲っているよ。
Maui Glass is common term here which means anything under 20 knots of wind.
マウイグラスとはここでよく使われる言葉だけど、強風が吹くマウイでは20ノット以下の風ならそれはマウイグラスと呼ばれてグラッシーなうちに入るんだ。
第一ヒート最初に波に乗ったツイイギーとその次の波のチューブに乗ったラッセルについて
”twiggy's butterfly got ripped in Half”
トウイギーは一発乗って胸の中のバタフライを半分に引きちぎる事ができたね。(これで一息落ち着けたという意味)
"and Russel Bierke just crushed the butterflies "
ラッセルもバタフライを手で握りつぶした。
3人連続で巻かれているのを見た後
”Jaws is an equal opportunity abuser"”
ジョーズでは誰もが公平に暴力を振るわれる機会を与えられる” (equal opportunityとは差別化をなくすための社会について語る時よく使われる言葉)
躊躇を見せた後巻かれた選手について
”you are already on A tour bus, you might as well go"もうツアーバスに乗っちゃったんだから行くしかないでしょう。
ひどいワイプアウトをしたサーファーを見て
”Mike Tyson said , you have a plan until you get punched in the mouth"
マイクタイソンの言葉だけど、「誰だっていいプランを持って向かってくる。でも一発口にパンチ食らったらプランはどっかに吹っ飛ぶ。」
ヒート終了間近に
“It's time to empty the tank”
燃料タンクを使いきる時間がきた。(持ってる全てのエネルギーを使い切って最後の力をふりしぼれ)
Jamie Mitchell の真っ逆さまのワイプアウトについて
”Pass up go-go and straight to jail”
細かい手続きなしでまっすぐ監獄行きだ。
ガンボードの良し悪しについて話しているとき
”It's not the skis, its the skier, it's not the arrow, it's the indian”
滑る時に大事なのは板の性能よりそれに乗るひと、矢ではなく矢をいる人。大事なのは道具よりその人の技量。
”threading the needle “
針でチクチク縫っていくように危ないセクションを何度も切り抜けてメイクする。
大きなチューブを抜けてきたイーライ・オルソンに対して
”He got shampooed, actually more like car washed ”
チューブでシャンプーして出てきた、(ちょっと水がかかるようなチューブから出てきた時よく使う言い方)いや、どちらかといったらカーウオッシュって感じだな。
ワイプアウトでものすごい水圧をくらった選手に対して
”He got firehosed"
消火ホース並みの勢いの水圧で吹っ飛ばされた。
Albeeのワイプアウトについて
”He just paid full retail , maybe 10% extra”
pay the price( ツケを払わされる、痛い思いをするというような意味)
今のは割引なしのフルプライス払わされたね、いや1割り増しだね”
波に叩きつけられるように巻かれたのを見て
”He is getting hatched “
斧で叩き割られた
テイクオフしようとしながらドロップしなかった選手について
”A little window shopping there"
(買わずに見るだけの)ウインドショッピングだったね。
波を綺麗にメイクし、チャネルまで乗りつないだ時
”He got every morsel off the bone" 骨についたひとかけらの肉も残らず平らげた。
チューブの中の白い泡を見て
“ it wasn't a foam ball(通常チューブの中の白いスープのことをこう呼ぶ), it was igloo!
フォームボールというよりはイグルー(エスキモーの住む白い氷の家)だ。
波質に会うボード選びについて
”you don't use fork to eat Poi"
ポイ(ハワイのパワーフード)を食べるのにフォークは使わないだろ?
後ろから巨大なスープに飲み込まれたフェリシティーを見て
”She just got heavy gravel truck dumped on her”
重い砂利を積んだトラックが彼女の上に積み荷をおとした
セットの波に乗るべきか見逃すべきかについて
”One side is knife edge cliff and the other side is big avalanche coming at you , you are playing with fire being on the lip so its better go no matter what”
リップにいるのは火遊びのようなもので危険、片側はナイフのように切り立った崖っぷち、反対側には巨大な雪崩が自分に向かってきてる、どっちも危ないなら行っちゃったほうがいい。
なかなか大きすぎてイメージがわかないピアヒの波ですが、こんな表現の数々で少しはイメージが湧いたでしょうか?