2012-12-11

12月11日  再び11日


毎月11日が来ると,ああ,また11日,あれから一年5ヶ月,一年6ヶ月と振り返ってしまう.今日で震災から1年9ヶ月。この一ヶ月で被災地に何か進展はあったのだろうか?復興は続いているのだろうか?ついつい考えてしまう。自分が何もできないふがいなさばかり感じる。全く影響を受けていない私ですらこれだけ気分が落ちるのだから実際にそこに住み,すべての矛盾と向き合わされている人たちは本当にどんな思いでこの2年近くを過ごして来たのだろうと悲しい気持ちになる。

地震が起こった直後、東北の人たちの我慢強さと忍耐力,そして優しさは至る所で取り上げられていた。怒りや不満をできるだけ口にしないように,どちらかというとジョーク西て笑い飛ばそうとしている人が多く,芯の強さを感じたものだった。この2年近くずっとその印象はかわっていない。そんな彼らですらこの選挙を前に,なにか言わずにはいられないき持ちになるようで、Facebookなどで友人達の気持ちや様子を読んでは応援したり,一緒に憤慨したり,悲しんだりしている。でもできることはほんとうにすくない。

佐々木るりさんのことはマウイでの『内部被爆を生きぬく』の上映会で知った,ものすごいエネルギーと行動力。彼女こそ,母の強さ,子供のためには決していっさいの妥協もしない母の強さをひしひしと感じる,日本じゅうの母親、女性が今回の政治には今までとは桁違いの関心を持っていると思う。子供のためにどんなことでもできる母親の強さを甘く見てはいけない,そしてそれが今回大きなパワーになっている気がする。

いろんな問題がこの選挙に関わっている.原発問題が一番大きな問題だと思っていたけれど,もっと大きな問題がある.それは憲法改正だ。憲法を改正し,私たち個人の人権に規制がかかるようになってしまえば,いいたいことが言えず,政治に文句を言おうとしても押さえられ,戦争にまで発展しかねない,この憲法改正に関してはなんだかほんとにもやもやする気持ちの悪さを感じずにはいられない,第2次世界大戦前に少しずつ,しかしどんどん軍国主義化していった日本,国民が誰もいいたいことを言えなくなっていった様子の始まりに似ているんじゃないかという気がするのだ。
法律学者のたきもとしげこ先生がここににわかりやすく説明しているのでリンクしたいと思う。
一番基本的な人間としての権利,そしてその延長に,福島を始め東北の被災地の人たちの人権もある.彼らをむげにして他の地域の国民が幸せになんてなれないし,忘れてはいけないと心から思う。そしてそれは彼らの問題ではなく,私たち一人一人の問題なのだ.たまたま福島だっただけで、政府が一部の国民を置き去りにしていいと思っている(こういうところも戦争を思わせる)ことが間違っている訳で,他の原発でも,他の問題でも政治を行っている人たちの考えが変わらない限り,同じことが繰り返される可能性があると思うのだ。

今度の選挙はずいぶん違うと思う,今までと違う意識を持って選挙に臨んでいる人が多いと思うし,私もその一人。だからこそ,少し時間をかけてでもどこに票を入れるか勉強して、自分が住みたいと思うような国の政治をイメージしていきたいと思う。
90代のおじいさん,一般の社会人の女性、福島の被災者のおじさん、その他多くの今まで政治に関わったことのない人たちが立候補しているのは,このままではどうしようもない,何かをせずにはいられないという気持ちからだったと思う,決して自分が政治をやりたいと思って立候補したのなく,どうしてもかえていかなくてはならないという使命感から立候補したのだと思う。大変な勇気と行動力だと思う,相手はプロ級のプロ,お金も大きなバックアップもある,その中で個人で負け戦に見える戦いを挑む人たちがいるのだからせめて自分の一票には責任を持ちたいと思う。

個人的にはまたやって来た11日に、いまいちどより正直に,そして良心を忘れず,すべての人に公平でいられる自分を心がけたい。結局は私たち一人一人がそれを実践すれば政治だって良心主体で動くはずなのだから。
たくさんの勇気ある心ある人たちにエールを送ると同時に自分が住みたいと心から思う国を思い浮かべようと思う。

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