2020-12-12

12月11日 Water Risk Management and Safety(長文です)

 

(ビッグウエイブで友人を失った後に仲間同士でもっと安全面について話し合い、お互いを守ろうではないかと始まったのがBWRAGの活動。波がいい時期の12月にもかかわらず、毎年トップサーファーや若手のヤングガンたちが集まり、真剣に話し合い、多くを学ぶ。ここで学んでおいたおかげで何をすべきか知っていたことで人を助けることができた、仲間の怪我に迅速に行動できたという人は多い。残念ながら今年はコロナの影響でオンラインコースのみ。でも2万円くらいでものすごい量のインフォメーションとクラスを受けることができる)

ここのところ続けざまに周りで怪我や事故が相次いている。そしてその一つ一つが全く違う。

例えばよく問題になる、サーファーとサップのトラブルや衝突、あるいはマナーの問題での怪我などであれば大体の状況はわかるし、トラブルを避けることはできる(だから私は混んでるところにはいかないし、前乗りは絶対にしない。下手したら誰かが前乗りしてきたら譲ってしまうことが多いくらい(人にもよるけど、お互いよくわかってる人なら平気だしでもそういう人は私の波に乗ってくることは滅多にない笑)

でも今回の事故や怪我についてちょっとだけ考えてみたいと思う。

まずはもう一ヶ月以上経ったけど11月初めに自分自身が軽いぎっくり腰をやってしまった。

(波にテイクオフした瞬間にぎくっとやってこれはやばいとできる限りインサイドまで飛距離を伸ばして岸に戻ったが、その途中でアートが写真を撮ってくれていた。ヤバイヤバイと腰に手を当てて情けない顔をしながら乗っている笑)

これはもう完全に疲れが溜まっているのに休まなかったせい。いつも10月に結構やる。なぜかというと日本から帰ったばかりであまり海に入ってなくて体ができてないのに気持ちだけ先走って、早く冬のために体を作らなくちゃ、マウイにいなかった分を取り戻さなくっちゃと焦って練習しまくり、反対に疲れている体でやって変なところで転んだり、もともと弱い腰をグキッとやってしまう。だいたい膝か腰。今回なんてすでに予感まであってジムでリハビリトレーニングを始めたり、整体の先生のところに行ったりまでしたくらい、だから自分でも休まなくてはいけないとわかったいたのに休めなかった。で、小さな板で出て、バランス取るのに足腰を使って披露したところで必死に波に乗るためにパンピングしながら漕いでぐき!やった途端これはやばいと思って、そのまままっすぐビーチに戻り、もうすでにこげなかったのでレイダウンでパドルしてゆっくり戻ってきた。そしてすぐ先生のところに行き、そのまま安静。まあだいたい容量は何度もやってるのでわかっていたし、しっかり治すことが大事なのもわかっていたので2週間近く我慢してからゆっくり復活そしてそれからはリハビリ運動も欠かさずやっている。これ以上冬に怪我して波を逃したくないから。そんなわけで私の場合は誰かに助けてもらうこともなく帰ってきて自分で動けたから気をつけなさいよという警告だと思えばいいと思っている。

(チアリーダーのように海でいつも大声でみんなに歓声を上げて盛り上げるアニー、上達してきたからこその怪我だったかも?でももうすでに復帰して前より慎重に乗っている)

次に怪我したのはいつも海にいるアニー。私よりちょっと後に始めたくらいのレベルでこの夏は毎日サイスに通ってかなりガンガン攻めていたと聞いている、確かに上手くなってテイクオフもラディカルになっていた。たまたま波が大きなひにあたらしいフォイルが届き、早速試したところ、出るスピードも違うし乗った感じも違うのでスピードが出すぎて転んだのかもしれない、とにかくすピードが出る上に、ブレードも薄くシャープで端っこにグリット肉をえぐるような形のデザインがついてるので危ない。結局足のふくらはぎあたりをかなり深く切ってしまい。海にいたデイブカラマ、ライフガードのドノバン、高校のスポーツコーチをして救急治療などに詳しい(そして海の上でも最低限の救急用具をウエストポーチに入れている)クリスが大急ぎでそこにパドルしていき、5、6人のごついメンズがガッチリ囲んでビーチまで運び、そこからもライフガードのドノバンが車を運転して病院に連れて行ってくれた。このトラブルでは新しい道具を試す時は普段より少しメローなコンディションで、自分も少し抑え気味に乗ることに注意したほうがいいということを学んだ。でも怪我して筋骨隆々のメンズに囲まれて助けられ、アニーはなんだか嬉しそうだったとも言える笑 (もちろんその時だけで海には入れない期間が一ヶ月あったので落ち込んではいたが)

(ボールドウインビーチのライフガードでフォイルではマウイのトップクラスのライダーであるドノヴァン)

さて次の怪我はアニーをレスキューしたドノバン自身。彼はプローンフォイラーで、マウイでは元も上手くてスピーディーなライディングをする一人。一番奥からものすごいスピードでラディカルなラインどり、ターンもワイプアウトギリギリのところをものすごいスピードで攻めてくるからかっこいいし、誰からも好かれているライダーの一人。その上ライフガードなのでみんなからの信頼されている。さてその日はかなり波が大きく、久々に休みが取れたドノバンはフォイルビーチに来てガンガンリッピング。一人だけスピードが違うので沖の方から乗って来てもそれが彼だということがすぐわかる。その日は結構k¥攻めていたのでエアリアルをしよとしてたのか結構ワイプアウトも多かった。怪我をする直前の波はセットの波に奥から乗って来て、その波にトミーというこれまた結構イケイケで大きなセットに必ず乗るおじさんが乗ろうとしていた。遠くにいるから大丈夫だろうと思ったのだろうか、でもドノバンはものすごいスピードなのでトミーが波に乗ろうとする頃にはトミーのすぐ横まで来ていて。もうちょっとで照明衝突しそうになっていた。私は目の前で見ていて、思わず叫んでしまったくらい。その時は誰も怪我しなかったが、その次の波でドノバンは波を乗りつなぎ、フルスピードでワイプアウトした時にいたが飛んだのか、フォイルで顔に怪我をした。ラッキーにも目にぶつからなかったけれど目の周りを切り裂いたように鼻の横から目の下そしてこめかみの近くまでざっくりだったらしい。この時もまたデイブカラマや数人のごついメンズがしっかり支えてビーチまで連れて行き、本人がライフガードで絶対に自分で病院まで行けるから運転させてくれというので自分で病院に行ったそうだ。トップレベルの人でも怪我をするときはするましてプッシュしていたら、人よりスピードがあるぶん危険。疲れてる時も危険だけど、ノリに乗ってる時もちょっと冷静さが足りないことはないかと振り返ることも大事なのかもしれない。

さて、今月に入って3回目の怪我が一番シリアスだった。怪我をしたのは65歳の年配のフォイルビギナー。マウイには頻繁に来る人で私も知ってる人ではあったが、それほど上手ではなく、彼自身もそれを自覚していたのだろう、アウトサイドではなくインサイドの人がいないところで一人で練習していた。その日は波は大きかったが、インサイドならせいぜい方くらいしか割れないから。とはいえ、ニューヨークから来たばかりで、ころなのせいでしばらく来ていなかったから海は久しぶり。体も鈍っていたかもしれない。彼がサップフォイイルでワイパウトしたとき何人かは岸に帰ってくる途中だった。バッキーは頭にいたがぶつかる時にすごい音がしたのを聞いて彼が倒れたことに気がついた。。自分はかなり遠くにいたので。大声を出して、より近くにいた人に叫び、すぐその人のところに行くよう声をかけた。一番近かったのはプロウインドサーファーでビッグウエイバーのサラ、見ていた人が言うには、マッハ100のものすごい勢いでパドルしていったらしい。そして彼の板を通り過ぎてパンピングしていったカリフォルニアから来ているボブという人も急いでパドルしていった。二人はうつ伏せになっていた体を一旦ひっくり返し意識のない重い大きな体を板の上に乗せたけれど、水を飲んでいそうだ他のでもう一度横にして水を履かせたところ、かなりの泡と水が出たらしい、。バッキーがたどり着いた頃にはビーチからもサップボードなどで近づいて来てくれた人が数人。そしてフィジーのタバルアでセイフティーボートマンをしているフィッシュもいた。大勢があちこちで叫び声をあげていて、何が起こったのかと思ったらそんな状況だった。ビーチに連れてくるまでにショアブレイクで苦戦したものの、海からアップルウオッチを使って911(救急車の要請の電話)に電話もし、ビーチについた頃には救急車も警察も到着していた。

顔は真っ青で意識もなく少なくとも数分は息をしていなかったこと、そして肺に水が入ったであろうことなどもあって、かなり危険な状態に見えたし、みんなこのまま彼が死んでしまうのではないかと思っていた。イヤーな気分だった。このビーチではほとんどの人が知り合いでみんな顔見知りなのにこの人が誰だけ誰も知らなかった(私はみんなの邪魔をしたくなかったので遠くにいたから顔は見ていない)救急車が出発した後今度は警察とこれが誰なのか、もし家族がいれば連絡できる人はいないかなどが必要になった・私たちが数人でどの車が彼の車かを探し当て、鍵の場所もわかり(あまりにわかりやすいところだったので最初に見たところにバッチリあった)みんなで確認しあいながらドアを開けてショーツの中の電話とお財布を見つけ、免許証を見て。自分の知ってる人だとわかった。そして彼が普段一人でニューヨークから来ていること、私の仲良い友人が彼と仲良しであることからその友人に連絡した。嫌なニュースを突然言わなくてはならないのも辛いことだった。彼女は今度は家族に連絡をし、病院とも連絡を取り状況を聞いた。最終的にその日の夕方までには彼は脳のスキャンもし、呼吸も普通になり。酸素のバランスも平常に戻ったという連絡が来た。まだまだ脳の様子はしばらく見ていかないとダメだし、トラックにぶつかったような気分ではあるらしいけどジョーダンデマと数日で海に入りたいというくらいにまで回復したというニュースは関わった誰もが本当にホッとした。

彼の場合ビギナーで、体力もあまりなかったのでついてすぐ(といっても二日後だけれど)海に入るのは良くなかったのかもしれない。でも沖には出ていないし(これがもし沖で起こっていたら、確実に岸に着くまでに手遅れになっていた、本当にラッキー)人にぶつからないところでやっていた。インパクトベストとヘルメットをつけていればこんなことにはならなかったかもしれない。(私も最初はずっとロングジョンのウエットスーツとヘルメット、そしてインアパクトベストをつけていたし、今でも波が大きい時や風が強い時ラフな海面や沖で乗るような時はインパクトベストをつけている、そしてヘルメットもまだ持っていていざとなったらつけようと思ってる。)フォイルは危険と言われているけれど(そしてもちろん危険なので他のスポーツ以上に気をつける点が多くなるけれど)今回はいたが頭に当たっての話で、それがサップやサーフィンであっても同じ状況が起こり得る。レスキューに関して言えば、周りの人たちの動きはこれ以上はないというほど素晴らしかった。サラやフィッシュがレスキューのトレーニングを受けていたことで何をすべきが知っていたことが大きいし、周りにいた全ての人が迅速に動き協力したことで本当にミニマムな時間で助けられた。これからもWatch each other それぞれがお互いの様子を観察したりちょっとでも何か変だなと思ったら止まってチェックし大丈夫か聞いたりすることを心がけようと今回の事故の後みんなで話し合った。

そして私個人に関して言えば、周りの仲間が怪我をした時、自分がレスキューやCPRのやり方がわからないために死んでしまったらそれこそ一生それを忘れられないだろうし、海に入る以上、できるかできないかは別として、できる限りの努力をしてお互いの安全を守ることはする責任があると思うので、躊躇していたBigWave Risk Assesment Groupのコースを申し込み、またそれとは別に今はそのコースはオンラインでしか受けられないので、実際に実践を兼ねて教えてもらえるCPRの資格を取るコースをビッグウエイブサーファーであり、BWRAGのインストラクターでもあるアンドレアが早速やってくれるというので申し込んだ。

ビッグウエイブに乗らなくても今回のように小さな波で意識を失ってしまうことだってあるし、そういう時には一分一秒が大事になってくる。今回のことがきっかけでもっと真面目に取り組まなくてはと実感し、受けようと決意できたのはいいことだったかもしれない。

それにしてもKAAにやってくる仲間の協力体制、コミュニケーションは素晴らしい。自分に何かあってもここならみんなができるだけのことをして助けようとしてくれると安心できる。

そしてダウンウインドもするし、今回のような使い方もできるのでアップルウオッチもお金貯めて買おうかなあと考えている。水の中ではいまいち操作がしにくい(水滴がついていてスクリーンがうまく動かない)といっていたけれど、Shiriを使って音声で電話したらしいし自分一人の時も簡単に911に電話できる方法があるらしい。一瞬で意識がなくならない限り、怪我しても電話はできるかもしれない。そしてダウンウインドで途中で風がなくなった時一人だけどこかにいってしまったとかトラブったとかの場合には本当に便利だし、GPSでどこにいるかも調べられる。

KAAビーチでの怪我について考えている矢先に、今度はホノルアでサメのアタックがあった。朝早い時間に普段から毎日サーフィンしているマウイ在住の57歳の男性のサーフボードのかじり取られた後はものすごく大きな口であることを示している。しばらくはその人の状態も安定したとニュースに出ていたが、残念ながらその夜息を引き取ったらしい。その日のホノルアは波も最高で、レディースプロの大会が開催されることになっていた。本当に何が起こるか、わからないし、誰にでも起こる。ビギナーでも中級クラスでもプロでも怪我をするときはするし、事故もある。でもできるだけの努力とリサーチで避けられることは避けていくことが大事なんじゃないかな。

ちょっと長くなってしまったけれど、Ride for tomorrow明日もまた乗れるように乗る。無理をせず休むときは休む、なんとなく悪い予感や変な感覚があるときはその直感を信じてやめておく。乗りたい波でも他の人も乗ろうとしてたら譲ってぶつからないようにする。自分の方が優先だからといって無理をして近づいたりは決してしない。

危険を察知することも実力のうち、安全に長く海とか変わっていくためにしっかり学んでいきたい。数日前シャークアタックでホノルアベイで亡くなったサーファーの方とその家族と友人に心からお悔やみを申し上げます。

2 comments:

  1. 那覇の高橋です。事故・けがを避けるための所作を身に着けるのは本当に重要だと思います。先月沖縄北部の過疎地へ仲間とSUPトリップへ行った際に仲間がフィンでふくらばぎをざっくり。サメの被害が出ている地域だったので速攻二人で彼を板に乗せて浜まで曳航しました。が、過疎地で救急車が来るまで1.5時間!やむなくレスキューヘリを呼びました。一応救急の心得があったので止血帯を作って圧迫止血し出血は止まっていましたがヘリが来るまでの30分が長かったです。怪我しない乗り方、怪我した場合の処置のシュミレーションは新しい場所で乗る場合はこれから必ず心がけるつもりです。

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    1. コメントありがとうございます。いくら気をつけていても気をつけ過ぎるということはないけれど、それでも起こってしまうことはありますよね。だからこそ普段できる準備や勉強はしておかなくてはいけないのだな、と私も実感しました。次のブログ(これまた長いですが)CPRのコースでいろんなことを聞いてとても役立ったので書きましたのでよかったらまたみてください。長い文を読んでくださってありがとうございます。

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