2020-12-03

12月2日 BIG Wednesday Peahi Day


(Peahi is ON! カイレニーのチューブ。もう何本乗ったか数え切れないくらいチューブに入っていた。)
何回かすでに小さめのが割れてはいたけれど、先日の水曜日はマウイにはありえないほどの風のない予報(だったけど結果的には吹いてきたけど笑)そして波も良い方角からのロングインターバルだったので期待は大。ペアヒを狙っているサーファー達は数日前からジェットの点検、ギアの準備、心の準備などをし始め。SNSもそろそろこんな波が来るという期待でみんなペアヒの波をアップしたりしていた。

このサイズだと私には乗れる場所はほとんどない。でもやはりドキドキして3時半頃から目が覚めて風やブイのチェックをしていたが、サウスや混んでる小さめの波でやるよりはすごい人たちのアクションを見に行こうと朝からペアヒに向かった。

途中、ビッグウエイバーのタカさんから私が狙うアウターリーフが思ったより大きくなってないという連絡が来た。

「せいぜい4〜6ftくらいです」Taka

「またまたー、たかさんの4〜6ftは信用ならないから、絶対今日は私には大きすぎるからやめときます」と返事はしたものの確かにハーバーも小さいらしく、あまりタウン側はサイズがないのかもしれないとちょっと気になったが、後でたかさんから「最高だった、セットで10ftくらいの来てた。久々にストークした!」とメッセージが入ってたので、あー行かなくてよかったー!と変な安心。だってたかさんが喜ぶようなサイズだったら私は逃げ回ってるだけだから。

(サーファーよりボートの方が多いんじゃないかと思うくらいの数!)

そんなわけで朝からペアヒへ見学に。ペアヒの近所に引っ越したアートの家に車を置かせてもらう一緒にシャトルに乗ってクリフサイドまで。もうペアヒに行くダートロードは運転しないほうがいい、たくさんの車がスタックしていたし、もちろんローカルの4WDのトラックなどはたくさんきてたけど、私の運転スキルでスタックさせてみんなに迷惑かけるよりはペアヒに住んでるローカルにお金落としてジーブに乗って行ったほうがずっと気楽だし、往復20ドルなんて一日中見ていられる世界一のショーのチケットだと思えば安いものだ。

すでにメインの崖っぷちも私がいつも陣取る木陰の場所も取られていて混んでいたので、(メインのところは観光客やサーフィンしないけど面白半分で来る人も多く、音楽流したり、大声で関係ないこと話したり、お祭り気分なのはいいけどちょっと私の気分とは違うのでしらけることが多い)アートを連れてさらに奥の方へ。波がウエストでチューブを巻きやすい時にはこっちの方がよく全体が見えていいんだよと行ってた部をかき分けて行くと、そこにはすでに二人のカメラマンが。

さすが、わかってらっしゃると思ったら、ペアヒを一番最初から撮影し続けている、エリックエイダー、そして昔からの仲間のエリオットだった。まあ二人だったら邪魔しなければいいかなとそこにいさせてもらう。二人は暗いうちから来て、茂っていた草むらを刈り取り、伸びてた枝や写真の邪魔になるものを切り、鋸や釜まで持って来てそこにスペースを作っていた。草が茂っていてよく見えないけどそのすぐ先は崖で草の合間から海が透けて見えるので要注意。

朝一番は何人かがトウインしていたけど私たちが陣取った頃からパドルサーファーが増えてトウインは遠慮していなくなった。パドルサーファーは約30名ほど、かなりいる。そしてセットが入るとかなり大きい。それにウエストよりのうねりなのでショルダーから乗るにはめちゃくちゃスティープナドロップを決めてすぐチューブというとっても難しそうな波。


そんな中ダントツに数を乗っていたのはカイレニー。そしてすごい波を決めていたのはカイレニーとビリーケンパー、だいたいセットの一番いい波と次の波は彼らが前後して乗っていた。

乗っていたサーファーをチェックしメモしておいたけれど。誰だかはっきりしない人を入れても約10人くらいしか乗っていなくて後の人は一本も乗れずに終わったと思う。30名の世界のトップが巻かれたら一巻の終わりというシリアスな波で競り合うのだから本当に自信とスキルがないとなかなか乗れないのだろう。

はっきり言ってカイレニーショーに何人かのスペシャルゲストが登場って感じだった。

他に目立ったのはスタンドアップで乗っていたゼインシュワイツアーあの板を発って漕ぎながら大きなセットを乗り越えて言ったり、めちゃくちゃスティーブなドロップを決め、膝を曲げまくりながらドライブターンを決めてチューブに入っていこうとするガッツはすごかった。

彼はその後風が上がってきたときにほんのちょっとウイングフォイルもトライしてた。私なんてそれがどれだけ難しいかよくわかるからもう怖くてまともに見てられなかった。

(オアフのイーライ・オルソン)

オアフからわざわざきていたネイサンフローレンス、イーライ・オルソンもいいライディングを見せていた。若手で はここ数年マウイに住んでビッグウエイブを追求しているアダム・アミンとラモン・ロードも頑張って乗っていた。

そして去年のペアヒの大会でひどいワイプアウトをし脳震盪を起こして以来ずっと調子が悪く、脳の検査続きで、無理ができなかったアルビー・レイヤーも復活。まだまだ彼としては50%くらいだったと思うけど、それでも彼独特のインサイドポジションからのチューブメイクは遠くから見ていてもすぐにアルビーだとわかるスタイル健在。何よりずっと辛い時期を送っていた彼がペアヒに戻ってこれたのが本当に嬉しい。

前半チャージしていたのはイギリスのヘルマン、トム・ロウ、グーフィーフッターの彼はバックサイドでガンガンドロップしていた。そしてペアヒではじょうれん、ハワイ島のトーレイメイすたも何本がいいのを乗りチューブもメイク。

イアンウオルシュももちろんいいのを乗っていた。

そのうち風が少し上がってくると、もともと難しいテイクオフがさらにほとんど不可能な状態に。そしてお昼前にはウインドサーファーやカイトサーファーも登場し始めた。

午後はパドルサーファーが引き上げ、(あるいは道具を変え)ウインド、カイト、そしてトウインセッション、人数が多いわけではないけれど、風が弱く、同じ並みにみんなが乗ろうと狙うので本当に難しそうだった。

そんな中で目立ったのはやはりここでもカイレニー、ウイングフォイルで出てくるのを待っていたけど、結局風が弱すぎると判断したのだろう、トウインで出てきて弟のリッジやその彼女アニーを引っ張ったり、みんなの乗る波にさらに奥から乗ってきてゴープロの棒を手にフォローキャム。本当に余裕ありまくりでリラックス、ファンウエイブのように乗っていた。

ウインドサーフィンではペアヒでそして多分どこででも世界で一番うまいと思う、マリシオブラウンが風もないのに上手にいいところにポジショニングし、すごいエアリアルを決めていた。

ウインド界のヘルマン、ジェイソンポラコウも健在、風が弱いけどウインドのトウインのやり方をマスターしたと言っていた通り、ジェットで引っ張ってもらって波に乗ってからは波のパワーでリッピング。カイレニーやマリシオと一緒に一本の波に乗りクリスクロスしながらメイクしたりしていた。(見てるだけでもドキドキする)

そしてカイトサーフィンのジェシー、この弱い風はカイトにはかなり厳しいけれど彼は世界一のスキルとガッツでかなり攻めたライディングをし、チューブに入ろうと果敢にトライしていた。カイトサーファーならこれだけ風が弱く波に合わせて乗ったり、巻かれないようにプルアウトするタイミングを計るのがどれだけテクニカルかわかるはず。本当に感動するパフォーマンスだった。そしてもう一人のカイトはオリビア。彼女も勇敢なことではもう有名で、随分前からペアヒにボーイフレンドのパトリと一緒に来ている。でもこのコンディションの中でちゃんと落ち着いていろんな判断をしながらトップのウインドサーファーやトウインサーファーの中で波を勝ち取り、いいライディングをしたのは素晴らしいと思う。ますます尊敬した。

(20歳か21歳のスカイラー、すごい波乗っていたねと言ったら、トウインはパドルと違って楽だから、まだまだパドルでは全然ダメだった、とめちゃくちゃ謙虚)


トウインはやはりスピードも違うし、沖から乗りつないでこれるので他のものよりは楽なのだろう。早朝にはスカイラーがいい波に乗っていたし、午後にはアニーとアンドレアも大きなセットを掴んで乗っていた。そして若手のジェイクとザックのSchettewi兄弟もウインドとトウインで波に乗っていた。

(ローティーンの末恐ろしいBAbyことスティーブロバーソン)ズームで見ると嬉しそうに顔が笑っている。)

そしてトウインでは何と言ってもロバーソンブラザースの末っ子、ベイビーというあだ名のスティーブロバーソンがすごかった。彼は2年前にお誕生日プレゼントに当院でピアヒで乗ることをねだり、たまたまその場にいた私は彼が乗った初めての波を見ることができた。当時彼は多分9歳か10歳、そして去年の誕生日には初めてパドルでペアヒに挑戦。チャージして撒かれ、2wave hold downを経験した時は本人以上に周りの大人が寒気はしたはずだ。彼は7歳くらいの時に既にホノルアで大きなチューブに乗った動画がインターネットで話題になり、小さい頃から大きな波をチャージする天性のものを持っていた。今年の夏も久しぶりにブレイクしたマーラエアのチューブ(彼が乗るとダブルオーバーヘッドに見える)で超特急のようなスピードライディングを見せていたし、今回のピアヒでもさすがにパドルでは乗っていなかったと思うけれど、トウインではかなりの本数乗っていたし、そのいくつかは大人にとっても巨大サイズのチューブだった。

そして全く腰が引けてない。もっともっとでかいの行きたいという感じだ。これからが本当に楽しみ。そしてここ数年でペアヒでのステータスを勝ち取った17歳のタイ・シンプソン・カネもトウインでは素晴らしい波に乗っていた。


(この子も多分子供)
他にも何人か小柄なキッズっぽい子が乗っていた。カイ、コナー、ゼイン達が子供の頃から切磋琢磨して伸びていったように、今10代前半のキッズの中には本当にたくさんの可能性を持った子達がいるのでこれからその世代がどんどんペアヒに出てくるようになるんだろうな。

この日の翌日はほんの少しサイズダウンし、予想通り、たくさんの若手やキッズが出てきたそうだ。レディースもペイジ、スカイラー、イジー、アニーなど無理をせず、自分の乗りたいコンディションをしっかり選んでチャージしていたようだ。

まだまだこれからどんどんペアヒサイズの波が来そうな予感。今年はいい波づくしの冬になるのかもしれない。何より怪我のない冬にしたい、誰も怪我せず、自分も怪我せず、体のコンディションを整えながら、海と向き合いたいとすごい人たちのパフォーマンスで大いに刺激を受けて、早く次の日になって自分も海に出たいと夜は興奮気味で眠れなかった。

人間は自然には決して勝てない、でもこのものすごいパワーを持つ自然に向き合い、どれだけの力が出せるか、ペアヒで乗る人達を見ると、人間のすごさも実感する。

Mahalo ke akua.



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