40年以上生きていて本当にたくさんの素晴らしい人から大事な事を学び、インスピレーションを与えてきてもらった。私にとって人との繋がりは何にもかえがたい財産。
今でも日々いろんな人からインスピレーションをもらっているけれど、今日はダスティン・バーカについてちょっとだけ書きたいと思う。
彼がカウアイ島の市長選挙に立候補したからだ。
彼はカウアイ出身のサーファー、アンディー・アイアンズ、ブルース・アイアンズなどと同世代でカウアイのサーファーらしい、ヘビーで掘れる波を得意とする選手だった。ASPツアーをまわっていたころもあるトップ中のトップクラス。
でもまわってみたけれど自分が求めていたような満足感は得られず、その後はハワイ中心に活動しながらMMA(mix martial arts) ファイティングでもデビューした。
そんな彼が今戦っているのは大会でもなく、マーシャルアーツでもなく世界を十次郎と、そしてハワイをすでに自分たちの思うように動かそうと土地には農薬をばらまき政治家には大金をばらまいている大企業たちだ。
モンサントを筆頭にラウンドアップを何千エイカーもの土地にまき、それが雨に流されて川に流れ、付近の子供達の健康に障害がでてきたりしている。またGMO作物の試験場としてハワイの島々の土地を使いまだどんな悪影響が出るかはっきり研究もされていないものがどんどん作られている。
モンサントはあまりに大きなモンスターで巨大な額のお金がありとあらゆるところに支払われているため、心の中では反対したくても口に出せない人も多い。今のカウアイの市長もそんな感じかもしれない。ダスティンはそんななか数年前からいろんなところでカウアイのそんな状況を知ってもらおうと頑張ってきた、そしてここ1、2年サーファー達の間でもGMO反対のマーチが起こったり、メッセージを訴えたりするようになってきた。
2012年のサーファーズポールのパーティーでは素晴らしい功績のあったサーファーとしてダスティン・バーカのここ数年のハワイを守るため、GMO反対、モンサント排斥の運動が評価されAngent of change アワードが授与された。
このパーティーで方をもらいたいと前から思っていたけど残念ながらプロサーファーとしてもらえなかったけど、この賞はそれ以上に嬉しい、名誉あるものだ、と素晴らしいスピーチが印象に残っている。
3年前くらいだろうかパイプラインマスターズのライブカメラの前でビーチをNO GMOのバナーをもって一人で何度も横切り、多くの人の関心を引こうとしていた彼だが、今や、モンサントの反対運動のマーチには何千人もの人が集まる。去年カウアイではGMOにはラベルを付けないと行けないという法律が通過し、ハワイ島もそれに続いた。マウイもいろんな障害を乗り越えておそらく今年法律が出来るだろう。
ただ相手は何十億というお金で世界を動かしている会社で、世界中でモンサントなどの会社に反対したり彼らに都合の悪い事を暴露したりする人たちが不慮の事故で亡くなったり、急死したりする事故があいついているらしく、たてつく事を怖がる人も多い、私の回りでやってる人からも、モンサントの精神的な抑圧やプレッシャーをかけるプロであるやり方や嫌らしさ、とても普通には出来ないようなひどい仕打ちなどの話を聞く。反対運動の中心となって動いている彼がどれだけ大変な嫌がらせやプレッシャーを受けているかは想像できるが、彼のなかには本物のハワイアンウオリアースピリットが宿っている。子供達の、そしてハワイの文化の未来のためなら死さえ恐れず立ち向かっていくよ、という彼の目はそれが本気である事を訴えてくる。
一昨日から3日間かけて彼はカウアイ島を一週走ってまわった。走れないところはセーリングカヌーやパドリングで。プロサーファーでチョープーやパイプラインで培った判断力、MMAファイトで養った決して負けない、あきらめない精神力と体力で、カウアイ島を守っていこうとする彼は若く、政治的経験も少ないかもしれないが、皆を惹き付ける勢いとスピリットをもっている。
「サーファーの僕らほど母なる自然、海に近い人間はいないし,恩恵を受けているものもいない、だからこそ、自然にそのお礼を返していく責任を持っているんだ。僕らは平和的な戦士として手をつなぎ一つにならなくては大金を動かす大企業の前にやられてしまう。僕一人でパイプラインでマーチをした時から2年、今では何千人ものサーファーが一緒になってマーチをしてくれる、サーファーが世界を変える事も出来るんだよ」
道なき道、壁や障害が沢山ある中道を作っていく事に比べれば、誰かが示してくれる道を行くのは楽なこと。ダスティンが何が正しい事か示し、大変な思いをして道を造ってくれている。決してあきらめない、正しいと信じる道を歩み続ける人は強く美しい。彼に皆でついていき、支えになろうではないか。
ダスティンの活動を心から応援する。
Ua mau ke ea o ka aina i ka pono
(正しい行いのもと、土地は永遠に生き続ける)
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