ラハイナレポート #11 ー サーフィンの醍醐味
みなさん、おはようございます。火災が起きてから(今もなお、ウエストの地域で小さな火災が起こったり、クラも完全に消えたわけではないようです)もうすぐ三週間になります。あっという間であったとも思えるし、ありとあらゆることが変わりつつあり、ものすごく長い期間のように感じます。まずは寄付金を実際に使い始めたご報告を。この寄付を集め始めた理由は以前にも書きましたが、東北の震災の時に大きな団体に寄付されたとんでもない額の支援がどこに使われたのかよくわからないと感じたこと、そして少額ではあるけれどとにかく今必要という時に使えるお金がありがたいということ。また公平にということを考えすぎると規模が大きくなりすぎて一人も助けられずに終わってしまったりしないかと。申し訳ないけれど、まずは縁のあった人たち、目の前で困ってる人たちから支援することも大事だと感じたことから、迷わずこのゴーファンドミーを立ち上げました。
もちろんマウイのみんなの支援をしたいし、それぞれ個人的な友人で全て無くしてしまった日本人以外の友人もたくさんいます。でも中心メンバーで何度も話し合い、自分たちができる微々たる力で何かするにはある程度支援先を決め、それぞれの人たちを同じように支援するグループや人がいることを祈るしかないと考え、厳密ではないですが日本人コミュニティー、日本に縁のある方や場所からスタートすることに決めました。
特に家を全焼し全てをなくされた方にすぐに使える現金をすこしでも用意するのが大事だということになり、被災者リストを作り、その方々にお見舞金を届けることから始めています。昨日から少しずつ連絡を取り始め、お見舞金を受け取っていただける手配を始めています。皆さんからの寄付金の使われ方などは全て一週間に一度会計係のスタッフが報告書を出してくれますので、ここで報告させていただきます。
個人的には土曜日に西側の子供たち、サーフボードも何もかも無くしてしまった子も、また向こう側の海には入れないので、ずっとサーフィンできずにいた子供たちのために、北側のホキパビーチで企画されたSurf with Prosのイベントに参加し、たくさんの元気をもらってきました。
ウエストサイドの子供たちはホキパで波に乗ったことがない子も多く、その上その日に限って結構な波もあり、ショアブレイクは私たちでもやだなーと思うような、キッズのダブルオーバーヘッドサイズ。普段ラウニポコのようなメローな波でやってる子供たちにとっては、大人がジョーズの波に出ていくような気持ちだったりもしたはずです。火災のショックがまだまだ癒えない子も多いだろうし、最初は自分に合った板を選ぶのさえ気が引けてなかなか喋らない子も多かったですが、プロサーファーたちが声をかけ、板だけでなくフィンやリーシュもその子に合ったものをセット。被災していない子供たちも、そんな子供たちと一緒に海に出て元気付けようと、本当にたくさんの人が集まりました。そしてマウイのプロサーファーも本当にたくさん。みんな忙しいだろうに子供たちのために朝早くからやってきて、ショアブレイクでみんながアウトに出れるように助けたり、沖まで一緒に行って波に乗せてあげたり、アドバイスをしたり。
一人でパドルアウトできなかったり、ビーチで一人で座ってしょんぼりしていたり、乗りたいのに誰も知ってる人がいなくて少し気まずくしている子もいたのですが、プロたちに声をかけてもらい、一緒にパドルアウト。沖からビーチに戻ってくる時にはみんな満面の笑み、達成感に満ちた表情で、どんなに大きい波に乗れたとか、ものすごい巻かれ方をしたとか、こんなことを学んだ、と興奮して話してくれました。人生で一番のビッグウェイブに乗った!という子もたくさん!そしてプロにサインをもらったり、写真を撮ったりしているうちに、朝とはまったく違う笑顔になってました。プロサーファーたちも子供たちの最高の日に関われてすごく喜んでいるように見えました。参加したキッズの多くはこの日のことを一生忘れないと思います。
波をカッコよくリッピングし大会で勝つこともプロサーファーだけれど、やはりサーフィンの喜び、醍醐味を直に伝え、シェアする、そして誰かの人生にポジティブなインパクトを与えるって本当に素晴らしい仕事だと思います。私もそんな素晴らしい時間とバイブレーションの中に関われて、本当にこの三週間の中でも一番楽しい時間となりました。引き続きボードを失った人が海に戻れるようBoard Replacement Project, Boards 4 Buddies の活動は続きます。多分さらに大きく広がっていくはず。今週はオアフでボードの寄付を募り、Boards4Buddiesは無料で板を保管し、必要な人が見にきて板を手に入れることができるショールーム、倉庫スペースを貸してもらえることになりました。こんな仕事ばかりなら一生続けてもいいんだけどなあ。
でも楽しいことばかりではないのも事実。被災地の方ではストレスが限界に来て、いさかいも増えてると聞いています。今こそ一つになって助け合わなくてはならない時期なのに、マウイカウンティーが今回の火事の原因はこの会社にあると、ハワイアン・エレクトリック(マウイの電気全てを取り仕切ってる会社)を訴えました。一方で住民からは「では自分達はマウイの政府自体を訴えればいいの」「そんな場合じゃないだろう」とそれでなくても政府への不満が募っている中あらたに反発もあります。
政治的な暗い部分もかなり明るみに出されようとしている感じがあります。政治や利権は、今までも色々問題としてでています。水、土地、空気、実は一番大事なものを住民主体でない形で動かされているようなそんな気持ちにもなることもあります。そういうことで頑張ってくれている人もたくさんいて、本当に強いなあと尊敬しています。でもそういう人たちがいてくれるからこそ少しでも立ち上がれるので、立ち上がる必要のある時は分断ではなく一つになってラハイナをラハイナらしい街として取り戻せるよう、水も空気も綺麗で満ち足りていて、子供たちや家族が海で遊べる街になるようできることはみんなで動かなくてはと思います。
私たちに素晴らしい人生、素晴らしい経験と思い出を与え続けてくれているマウイ。アロハに満ちた人たち、心を癒し、健康な体を作ってくれる自然、広く深い海。傷ついているマウイとそこに住む人たちに今恩返しをせずにいつするというのでしょう?
なぜ仕事を投げうってまでこの支援活動に動いているか、その根本的な部分をを忘れないように、そして日本からの本当にたくさんの人たちの思いと祈りと大事なお金を一番いい形でマウイの支援に使えるように日々メンバーと話し合いながら頑張っていこうと思います。
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