2015-12-06

12月6日 History was made ! PEAHI BIG WAVE CHALLENGE

この大会、そしてエルニーニョの冬開幕のマウイの様子は次号のサーフィンライフで記事が掲載されます、是非ご覧ください。
(歴史に残るこの第一回のピアヒチャレンジで優勝を決めたローカルボーイ、ビリー・ケンパー)
(関係ないけどこのチューブの中に白いハートを見つけた人何人いるかな?)
6日にビッグウエイブツアーの大会がピアヒで開催されそうだ。羽田空港で飛行機を待つ私の元にもそのニュースが届いた。できれば私が帰る翌日にしてくれれば見に行けるのになと思っていたけど結果的にはインターネットで見ている方がずっとよく見えて、マウイ島に住んでいるほとんどの人、コアなビッグウエイバーでチャンネルまでジェットスキーでいって見守っている人は別として、それ以外のサーファー、海関係の人間は皆家でスクリーンにクギ付けになっていた。私もホノルルからカフルイのトランジット4時間くらいずっとiphone を見つめっぱなしで、時には「Yeah! 」とか、「GO GO!」とか思わず叫んでしまい周りの人は変に思ったに違いない。でもそれほど手に汗握るパフォーマンスと選手たちの心意気が感動的だったのだ。
(イアン・ウオルシュの双子の弟の一人ショーン、この突撃ドロップをどうやってメイクできたのか!ほとんど板はフェイスについてない状態だけれど最後まで目は着水点をにらみ、必ずメイクしてやるという武士のようなオーラーが感じられる。
兄貴のイアンウオルシュは「次のビッグスウエルでもう片方のDKがどんなことすようとするかを考えるのが怖い」とコメントしていた。いつも双子で助け合い、励まし合い、一番のライバルでもある彼らはマウイでサーファー以上にリスペクトされるスカルベースというセイフティーチームを形成している。まだ24歳、これからが楽しみ。)
出ていた一人一人、そして出られなかったけれど、昔からここでチャージしてきたビッグウエイブサーファーのたくさんのサーファーたち一人一人がそれぞれのドラマを持っている。そしてその物語の一つ一つがこの特別な日に語られ、輝いた。
大会が始まる前にすでにものすごいパフォーマンスが繰り広げられていたよう出、これはカイレニーも限りなくディープなところからのチューブメイク。
周りで見ているものたちも思わず手を上げて歓声!
ノースショアのライフガード、タフガイのデイブワッセル、彼もこの凄まじいテイクオフがメイクできずオーバーザフォールズでボードと体、ともに滝のようなスープとともにボトムまで引きずられ、暴力的なワイプアウトを経験
コミットという言葉じゃ簡単すぎてうまく秒はできないほどすごいチャージのグレッグロング、この地一番のビッグウエイブでチューブにはいる。
ノースショアのアンダーグラウンドチャージャー、アーロンゴールド、日本ではそれほど知られていないけどマウイのピアヒで彼を知らない人はいない。
ジョーズで一人だけ全く違うアプロ〜チで、極端に短い板に乗りチューブのみを狙っているアルビー、彼はこの恐ろしい波を手名付けているかのようにも見える。今回は優勝はならなかったが誰もが認めるジョーズのナンバー1チャージャー。
ヒートが始まる前。夜明けの光がようやく出てきた頃にシェインドリアンが乗った波はこの日一番の波と多くの人が評価していた。
このテイクオフ、決めるなんて見ていた誰が想像しただろうか?


優勝したビリーケンパー、この日は勝利の女神がビリーに微笑んだ。終始ソリッドなライディング、そして身の毛もよだつワイプアウトをしても気にせずまたパドルアウトしていく彼には何か普段以上のエネルギーがみなぎっているように思えた。自分の力だけでない大いなる力がバックアップしているような。そしてファイナルでもなかなか大きなセットがこないスローなヒートの中しっかり一番の波を取り、2本メイクしたことで優勝を手にした。
2位になったアルビー、素直じゃなかったり、ワルぶったり、そのために若い頃はなかなかスポンサーが付かずに悶々としたこともあった。うまいのになぜ自分はサポートされないのだろうとスネてプロを目指すのを諦めかけていた時もあった。
(ビリーのチューブを出てきた時の表情もそうだけど、こんな波をメイクした時のアドレナリンってどんなものなのか。想像もつかないが、表情が物語っている気がする)
いわゆるクリーンカットなプロとは違うけれど、彼のジョーズの波でのチャージをみたらすべてオーケー、と認めたくなる。彼も生まれた時のことを覚えている一人、お母さんはサーフィン大好きすぎて彼は子供の頃、海以外のところに連れて行ってもらった記憶がないとどこかでコメントしていたが、未だにあちこちの海で彼のお母さんカーニーには合う。そしてお母さんも彼とそっくりなラフでハードコアで言いたいことをはっきり言う直球系のビッグウエイバーだった。

ビリーは異父兄弟のエリックディアズという兄がいた。彼は当時、マウイで一番有望視され、ビッグウエイブではダントツ、15歳くらいでワイメアの波にも乗っていた。ずいぶん前に悲劇的な死を遂げたのだがビリーはこの勝利を兄に捧げると言っていた。
きっとエリックは天国で誇らしく胸を膨らませて下を覗いていることだろう。

他にもとにかくものすごいワイプアウト、(1年分のワイプアウトオブザイヤー、もうここで起こってしまったと誰かが言ってたけど)そして鳥肌が立つようなギリギリのテイクオフやレスキュー。ラッキーにもいつ誰が死んでもおかしくないような状況の中、幾つかのマイナーな怪我(肩の脱臼など)以外は無事に終えることができた。そして私が見た限り。カメラマンも選手もボートに乗っている人たちも観客も誰もが勝ち負けよりもその波に向かっていくサーファー達を讃え、その場の愛と感謝と感動に満ちた空気を味わっているように見えた。どの人の表情も目が輝き、勝ち負けではなく、自分の限界をプッシュすること、そして仲間がプッシュしていることに猛烈なインスピレーションも与えてもらってるのを感じた。
その日の夜、そして翌日はマウイはその話で持ちきりだった。トウインのパイオニア立ったカラマやブレットも「あいつらのやってることは僕らがやってたこととは全く別の世界にある、とんでもないことを達成している、本当に凄いと心からのリスペクトを捧げていた。カラマは大会中ずっとコメンテイターをしていたがどのコメンテイターよりもこの場所を知っていて、誰よりも昔からこの場所で乗っている彼は一つ一つのライディング、一人一人のサーファーについての背景やストーリーをシェアし、また歴史や昔のエピソードなども聞かせてくれ、みんなが、彼をいつも使うといいというくらい素晴らしい仕事をした。何より彼のコメントには面白半分で選手のことを言うようなことは一切なくその場所と波と選手に対しての愛情とリスペクトをすごく感じられ、だから何を話しても聞いている方も心地よいのだ。

こんなハードで恐ろしい波なのに、見ていて愛と感謝ばかり感じられる。不思議だなあと思いながらも、でも実は本来すべてのことがそうるべきなのだろうな、と納得もできた。

素晴らしい時間と歴史の一ページ。ネットで見ただけでもこれだけ感動するのだから実際にあの波の中にいた連中は一生忘れられない経験だっただろうな
Thanks for the amazing show and inspiration! What a day!


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