朝4時半におきて、葉山からパドルで出てくるモエちゃんと大崎あたりで待ち合わせ、の予定だったのに、フィッシングの道具を持って漕いで行こうと思っていた私は慣れないギアに四苦八苦、いくら結んでも糸がちゃんと結べず、結局7時半ごろまで3時間格闘してギブアップ、近くにあるスタンドアップフィッシュングを良く知っている友人がやっているウインドショップがオープンする時間まで待って、結び方を教わってから行くしかない、とあきらめた。
ところがそのあとすぐ富士川に住むター君から電話があり、会いに来てくれるとのこと、そのうえスタンドアップフィッシングもはまってるわけではないが、何度かやったことがあるらしく、結び方などももちろんわかるというので、救いの神からの電話。
ター君が着くと早速釣竿のセットの仕方を教わり、私はやる気満々、ター君は別にどうせでても何もつれないだろうし、とあまり乗り気ではなかったが、とにかくター君が「僕はやりたくない」と言えないくらいの空気を感じたのだろう、一緒に付き合ってくれた。海に出る前に何度もルアーが背中や頭や腕に引っかかり「そのルアーよく釣それるねー」とからかわれながらも何とかじたばたしながら海でトローリングを始めた。由比ガ浜からまず大崎方面に向かって漕ぎ、その後浅くなったあたりで沖に漕いで行き、今度はユーターン、そのころには、「まあそんな簡単には釣れないだろう」とあきらめムードで家に戻ろうとしていたのだが、少しグライドさせながら下り始めたところで私の背中のさおがビくっと大きく震えた。はっとして気のせいかなと待ってみたが、確かに動いている、ヒットしたんだ!そう思ったとたん、パニックがおそい、「ター君ター君、引っかかった、どうしよう、どうしたらいい?」と叫ぶと、彼もびっくりし「ま、まず竿持った方がいい」といわれ、背中から竿を引っ張り前でしっかりもつ、そのまま田っておろおろしてると「座った方がいいんじゃない」というのでゆっくり座り、リールで糸を巻き込み始めた。魚が右に左にと動いたり、急にイトガ食いーんと引っ張られたりしたけれど、ボードの手前10mもないところまで魚がやってきた、銀色の青魚系のものがかかっていた。興奮しながら引っ張った瞬間ブチっトイってテンションがなくなった。ルアーをくわえたまま糸を切られてしまったのだ!ああ、惜しいことをした。ルアーだって高いし新品だったのに!でも実際にかかることがあるという体験ができて一気に盛り上がったし、横にいたター君もそれまではやる気なさそうに漕いでいたけど急に座り込んでルアーを投げなおしたりしていた。
私が帰り道悔しがっていると「あたりがあっただけいいじゃん」とちょっとうらやましそう、彼は実は富士川で何度もやってるけどあたりすらなク、それであまりモチベーションが上がらないらしい。
確かに一回でもあたりがあると俄然やる気が出るし、わたしも明日トライするのが待ちきれない!生まれてこの方釣りなんてまったく興味なかったのに、これのおかげで釣りキチ三平まで読みたくなる気分だ。釣りも奥は深そうだなー。
その後大慌てで打ち合わせに向かい、とっても有意義なミーテイング。ぜひやりたいとおもうような取材、記事をやらせてもらえそうなのでとってもうれしい。がんばるぞ。そしてそのあとパタゴニアのスタッフ数人と会って色々お話、どの人ともプライベートでも仕事の話でもとても元気がもらえる話題とオーラばかり、帰り道なんだかとってもハッピーな気持ちになれた。
夕方はこれまた大先輩、師匠の岡本さんが寄ってくれた。今、おニューのサーフボードをピックアップしてきたんだけど見ない?と板を見せてくれた。とっても岡本さんらしい色とデザイン、それにしてももう岡本さんだって50代後半だけどこんな短い板でバリバリ波にのって、まったく衰えなし!それどころか新しい板がうれしくて見せにきてくれるなんて少年のような無邪気さ、これが鎌倉の親父達の若さの秘訣かもしれない。
釣りの件といい、いい仕事、パタゴニアのメンバー達とのありがたい交流、岡本さんとなんだかポジテイブなことばかりで一気にリチャージされ、元気倍増。明日は早起きして魚を釣るぞ!
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