2009-11-26

11月24日 Epic Lanes

朝ウエブカムでカナハの様子を見ると波はサイズダウン、そして風はあまり入ってなかった。これだったら朝一番にカナハでサーフィンがよかったかもしれない、とは思ったが、すぐ風が入りそうだったのでやめてあわてていくのはやめておいた、何しろカイトだけでも体力精一杯。
11時前にレインズに行くと、風は相変わらず強そう。5.5mででると予想以上にステデイーな風で昨日のがステイーでパンチーな風とは違ってとても乗りやすい。こういうかぜだと波に乗っていても気分的に少しアグレッシブになれる(といっても私はアグレッシブじゃないけど、気持ちだけ)
波もセットは十分大きいがサイズダウンした分気楽に楽しめたし、乗りやすかったので、疲れてきてもなかなか上がれず3時間強乗って、もう足がガクガクしてボトムターンが出来なくなるまで乗り続けた。
ただ乗りやすかったからか、ドロップする人が多かった。いつも上からドロップしてくるけど本人は私がいやだと思ってることをまったくわかっていないアルゼンチンかどっかからの人は今日もバンバンドロップしてきて最後は向こうが行きたがってるのを無視して自分のラインをキープしてたらあまりに近づいてきてカイトがぶつかりそうになった。あれでカイトが絡まっていたらと思うと恐ろしいけど、これで少しはドロップしないでくれるだろうか、ほかにもいつも見かけないおじさんたちが何人かドロップ、私はどんなことがあっても(よっぽどチキンジャイブをしなくてはならずほかに行く場所がない場合以外は別、でも普通そうなる前にインサイドで様子を見て避けるようにはしているが)人の波にドロップインはしないと決めている、それはウインドのころからそう、その分はるか沖まで伸ばしてがんばって波をとってくるのだから、それをインサイドでひょいと取られて平気な顔をされるのはほんとにいやな気分になる。普段一緒に乗ってる人たちは絶対そういうことしない。だからみんなが気分特シェアできて楽しく乗れるのに、一人二人そういう人がいるだけで雰囲気が変わってしまう。で、結局みんながやるから、とほかに人までドロップするようになったら最悪。ああ、レインズもそのうちどんどん変わってきてしまうのだろうなあ、とちょっとさびしくなった。

夕方カイロの先生に見てもらいに行ったが、待合室で、スピリチュアルカードみたいなものがあったので暇つぶしに一枚選んで読んでみたら、
「あなた自身がハッピーならあなたの人生もハッピーなものになる。もしも根がテイブな考えを盛っていたら人生にもネガテイブなものが生まれてくる」
とか何とかかいてあって、あーそうか、いくら自分が悪くないといっても昨日からドロップしてくる人たちや安全をあまり気にしないライダーのことを見てイライラしてたことはネガテイブで、だから、今日はそのネガテイブさがドロップインされたりするような状況を引き寄せちゃったのかなあ、とちょっと反省。いいほうを考えればこんなに言いこんでイションで毎日乗れているのだからもっとハッピーでいるべきなのだ。でも私にとってレインズのグッドデイはとても大事なもので、だからとっても大切にしたいのだ。どうしたらイライラせず、また注意することなく、わかってもらえるように出来るかなあ。難しい問題。

今日はホキパもすごいセッションになっていた。風がいいし、波もちょうど迫力のある大きさでありながら突っ込んでいける程度のもの、だからかなりすごい技が炸裂、そして多くをメイクしていた。ブラウジーニョのスーパーハイバックループ、ボジュマーのスタイリッシュなジャンプ、ジェイソン、リーバイのクラシックライデイング。マークのあのシグニチャームーブ、(なんと呼ぶのだろうか、ベンが今日撮りたてのウオーターショットのシークエンスを見せてくれた)レインズから見ていてもすぐ彼らだとわかるくらいインパクトのあるライデイングをするってすごいことだと思う。何と言っても一番印象に残っているのはカイ・レニー、レインズのレフトの波を使ってアウトにでながらそのままセール360のような動きで波に乗り、バックトウーセールでレフトの波をリッピングしながらそのままそこから360か何かフリースタイル形の技に持っていくマニューバーを練習し続けていた。レインズのレフトを乗り続けるとチャンネルにつながるが、それでもセットが来るとかなり大きな波がそこでクローズアウトするし、でっかいサイズの波でもそれをやってるので、巻かれた後ものすごい距離泳いだりしているのも見たけどこのサイズで全然平気で楽しみながらあんな新しい技を練習できるってすごいなあ、と見ているだけで楽しくなって、泳いでいるときに何度も近づいて声を掛け合ったりした。上手い人を近くで見ながら乗ることはほんとに楽しい。それにしてもウインドってすごい、ものすごいハードだし、テクニックもパワーも必要とされる。今の私のぼろぼろの体ではウインドは前のように続けることは無理だっただろう。カイトが登場してくれたおかげで今でもこうして波に乗って私なりにチャージできることはとってもラッキーだと思う。楽させてもらってるな、と思う。

夜は私の弟のような存在のベンジャミンが遊びに来てくれた。彼はフランス人のカメラマンで今はタヒチの海の前(そして家の前の海にジェットスキーがあり、そこから3分でチョープーまでいけるらしい)のかわいらしいコテージにガールフレンドと住んでいる。最初にマウイに来たとき、私の友人に頼まれてすむことが見つかるまでうちに居候していたのだが、手作りのハウジングを持ってきて毎日毎日一日中海に入って写真を撮っていた。でも当時は一日に一枚か2枚ひいき目に見て使えそうなものがあるかな、と言うレベルだったが、それ以来ウインドのカメラマンなんて生活できないと言う周りの言葉を無視してずっと熱心にがんばってきた。今では本当にすばらしい写真をたくさん撮り、性格のよさと熱心さからトップライダーやトップブランドからいつもお呼びがかかるようになった。まだまだ若いから体力的にも何時間も泳ぎ続けていられるし、昨日取ったという写真だけでもカバーショットになりそうな写真が何十枚もあって、彼の成長振りに私は親みたいな気分になってとても誇らしかった。どんなことでも好きな気持ちを大切に本気でがんばれば形になる、ある程度成功してる人はどんな分野でもある時期変な人、って言うくらい情熱をかけてがんばっているものだ。それに周りはちゃんと見てるから自然とみんなが応援、援助してくれるようになる。
いつかは彼の招待を受けてタヒチにも行きたいけど、タヒチの波は私には太刀打ちできないものばかりなあ。行っても見てるだけになってしまったらいやだからなあ。とりあえずマウイの掘れていない波で今の私には十分だ。

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