朝、今日が9月11日ということに気がついた。あれはもう何年前になるのだろう?レッドブルキングオブザエアーというフキパで行われるコンテストのために朝早くからビーチに行ったら、そこであのニュースを聞いたのだった。その日は思いがけなく結構いい波が入ってて、これはいいぞとやる気になっていたのに、あまりのショックでどっと暗くなり、それどころではなくなり、もちろん大会もキャンセル。その日は友人のシルキーと二人で彼女の部屋で、遠くにいるお互いの家族や親しい友人たちのことを思い、またあの悲惨は事件でビルに埋まった人たちやその家族のことを思い、またそんなことが出来るほどのHatredを心に植えつけてしまう人間の弱さや恐ろしさを思いながらとても心が重くなったのを覚えている、今ではそのシルキーさえカイトの事故で天国にいってしまったが。何年もするうちにそういう傷もすべて癒される、でも忘れてはいけないことだと思う。実際にあれを行った人、そしてそれを行わせた人が誰にせよ、人間は基本的に同じで何かほんのちょっとしたことがきっかけでどんどん道がそれ、気がつくととんでもない人生を歩んでいたりすることもある。反対にちょっとしたことがきっかけでいい方向に自分が変われることもある。だからこそ、今自分がやってることや考えていることが正しいことか、本当に自分のためになることか、あるいは人を傷つけていないか、確認しながら毎日を暮らすことも大事なのかな、と思う。忙しさにまぎれて考えずに毎日を突っ走っているときがついたら自分が思ってもいなかった場所「こんなはずじゃなかった。」というところに自分がいることに気づいたりする可能性もあるから。
さて、昨日上がってきたうねり、今日は朝早くから目が覚めてやる気満々。暗いうちから掃除やらお弁当作りやら、選択、ストレッチなどしてしゃきしゃき動いていたら、「わかりやすい性格だねー、波があると動きが違う」と同居人に指摘された。
10時ごろにレインズにいってみるとすでに風は十分吹いていた、が思ったより波は大きくないし、ちょっとダンパー。でもまあセットはマストくらいはある。とりあえず11時までは出れないルールなのでいろいろゆっくり準備。4mと7mのどちらにしようか迷ったが、結局最終的に4mだと風が弱いときにかなりつらそうなのでオーバーがすごくきく7mのノマドで出た。メンズも大体の人が7mサイズ。靖君は6mのスイッチで出た。この間は同じくらいの波のときに結構やられていたが、今日はカイトを落とすこともなくかなりがんがん攻めていて途中私がアウトに出るとき大きなセットの波でスピーデイーなボトムターンをかっこよく決めている彼に思わず歓声とシャカを送る。
最初の3分以上、フキパは二人しか乗っていなくて一人はケビンプリチャード、もう一人はシマースタイルのショップのキース。二人ともよく知ってる友人だし、手を振って挨拶してフキパで乗らせてもらった。こんなに吹いてるのになぜウインドサーファーは全然出てこないんだろうと不思議だったけど、長い間誰も出てこなかった。もしかしたらいつものようにサーファーがどかないと予想してカナハに皆行ってたのだろうか?(今日は波自体がダンパー気味で良くなかったせいかサーファーがすぐどいた)カイト二人ウインド二人で十分波は有り余っていたにもかかわらず、少しするとライフガードタワーからぷーぷーと警報がなった。混んでるときは絶対にフキパには行かないし、ドロップインはもちろん、誰かが乗ってきても譲るくらい気を使っているのになあ、と残念に思う、せめてウインドサーファーが出てくるまでは乗らせてくれてもいいのになあ、と思うが確かにそういうことを考えず周りを見ないで勝手で危ないカイトボーダーがフキパに行くのを見かけることもあり、仕方がない部分もあるかもしれない。でも私たち数人にとってはほんとに少しの時間でもフキパの波に乗れることは重要で、とても気を使ってるので、ほかの人にもぜひ気を使って回りというまくなってほしいと心から思うのだ。
最初のうちは人も少なく楽しかったけれどだんだん混んできた。そのうち普段見かけない人がたくさんでてきて、人の波にドロップインしたりしだした。多分その人は自分がしていることに気づかずにやっているんだけど、レインズでは皆かなりルールを判ってある程度上手な人ばかりだし、ドロップインなんて論外、だから一人でもそれをやるとその人はかなり目立つし顰蹙を浴びる、それだけで海の雰囲気が変わってしまうのだ。
午後になると20人くらい出てきた。カイトの性能がよくなってレインズでもでやすいこと、また波がそれほど大きくなかったこともあるんだろうけど、これからはどんどん混んでくるのかもしれないなあ。あまりにいないのも寂しいけど、これ以上は増えないでほしいというのが本音、少なくとも来る人は確実にルールを守ってほしい。
とはいえ皆久々の波に楽しそうに乗っていた。波ってなぜここまで私たちを高揚させてくれるのだろう!?
オーバー気味の中ボトムターンとオフザリップの繰り返しで足が疲れすぎて踏ん張れなくなるまで乗り、1ラウンドで終了。2時間半ほどのすばらしいセッションだった。
その後カイトビーチに移動し、麻生さんたちと合流。麻生さんのライデイングも昨日よりさらに力強くなり、ボードから離れたり人が多いところでも対処できる余裕も出来ていた。森川さんもかなり吹いているなか、安定したボデイードラッグを一人で出来るようになり、かおるちゃんはかおるちゃんでオーバーの中力強いフォームでがんがん乗りまくり、皆にとってすばらしいカイトデイだった。夜は麻生さんが皆にご馳走してくれ、日中撮ったビデオを見たり、いろんな話を聞いたり。カイトやウインド、スタンドアップパドルは体の大きな筋肉を使うのでやせやすいんだ、と聞いた。それにしては私はやせないぞ、と思ったけど。もともと麻生さんはダイエットの目的でウインドを始めたらしいけど、あの集中力と向上心は人並みじゃない。それから学ぼうとする謙虚な態度というか、頭が固くないのだ。彼を見ていると、自分も何かを学ぶときはああいう姿勢であるべきだな、と学ぶところが多い。乗りあえて上がってきた笑顔はこっちまで幸せになる。
まったく違う普段の生活をしていても、カイトという共通項で会ったとたんに親しくなれ、仲間としての絆が生まれる、カイトってすばらしいなあと思う。
ところで、彼は立派なお医者様なのだが、最近注目の美容整形は、ときいたら金の糸を皮膚に入れること、だそうだ。何でもエジプトのピラミッドに会ったミイラにそれがされてあったとかから来るらしいけど、まあそんなことまでして美しくありたいという情熱をほめるべきなのか、彼自身は皆を美しくすることで皆が幸せになってくれることを生きがいとしているようだけどだからといって見かけだけの美しさがすべてではないと言う考えらしいので、よかったよかった。
皆体がぱきぱきで疲れもあるが、明日もまだグッドコンデイションは続きそうだ。
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